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男は悪魔を食った。  作者: 満たされたい心
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第17話 初依頼。







 あれから一週間が経った。


 ・・・何時ものように畑仕事を手伝いながらのレナのトレーニング。彼女の力量は才ある者ではなく、努力のたまものといった感じである。


 私は。


「・・・そろそろ、実戦しても良いかもしれんな。」


 この呟きにレナは。


「・・一般の方を対象は許しません。」


 かなりの殺気である。


 ・・・聖職者の領分は譲れない感じである。


 私は。


「・・俺だってしたくない。やるとしたら悪魔か悪人だけだ。・・・ネットの裏サイトがあってな。大半は強盗や詐欺といった。迷惑かけるものばかりだが。・・・中には警察では逮捕できない人物を殺してくれという掲示板もある。・・まぁ、それが真実かどうかは確認するさ。」


 この説明にレナは。


「・・警察でも逮捕できないのは証拠が無いからですよね。・・ならば、証拠を集めて提出すればいいだけでは?」


 この疑問に私は。


「・・・それができるのならこんなサイトに書き込みはしないだろう。・・・ドラマでよくあるもみ消しの類いだよ。それだけの人物と言うことだ。」


 胸くそ悪い気分である。


 ・・・まさに権力の犬そのものだ。そんな思いでサイトを見るとある項目があった。


 `友達を探して欲しい`という項目。


 レナは。


「・・・人捜しですか。・・それこそ警察が。・・あぁ、無理だということですか。」


 常識を言おうとしたがすぐに察した。


 ・・・いつものもみ消しの類いか。


 私は。


「・・とりあえず。この場所に行ってみるか。・・ここからでも一日はかかる。」


 そう言って私は車庫に向かった。


 ・・・中にはバイクがあり、他にも車がある。


 ・・・四WDのタフト。見た目の割に広々で座席を収納すれば多くの荷物が置ける。私がこれを選んだのは小道は勿論、山道でも走れる。

 ・・・機能性を重視した。


 勿論、これ以上の物もあるが、都市で走るには目立つ。・・・これならば走っても目立たない。


 レナは。


「・・こんな車を購入できるお金があったのですか?」

 

 困惑の顔に私は。


「・・・金は競馬で稼いだ。勿論、不正はしていない。ただ、未来を知っているだけだ。」


 あっさり答えた。


 `預言書`を持っているだけだが。・・まぁいいか。機会があれば見せれば良い。


 私は。


「・・・それじゃぁ。行くとするか。・・場所はここから一日の距離だな。・・・道中に道の駅がある。そこで一泊して行くか。」


 この言葉にレナは。


「・・え?・・車の中で?一緒に?・・・そ、それはいけません。・・いくら同じ屋根の下とはいえ。・・・密着など。・・それはあまりにも不純というか。早すぎるというか・・・」


 何やらオドオドしていた。


 私は。


「・・・?・・・ネットで調べたが。この道の駅には宿泊施設がある。・・・出る前に予約したぞ。・・・個室を二つ。・・・風呂とかは別館の温泉施設があるみたいだ。・・ある意味、楽しみだ。」


 喜ぶ私にレナは。


「・・・・・そうですか。・・・楽しみですね。」


 無表情に車に乗った。


 ・・・よく分からん。・・何だったのだ?あの仕草?・・・まさか。・・・いやありえん。・・・そんな展開があるようなフラグを立てた覚えは無い。


 ・・・私は荷物を積み込み、出発した。






 車で移動すること一日。


 目的の場所に到着。


 ・・泊まる為に寄った道の駅は私にとっては最高であった。・・・温泉も露天風呂やサウナがあり、食事も風呂上がりにぴったりなあっさりとして消化の良い懐石料理。


 個室も狭いながらもベッドとテレビ、エアコン付き。一人で泊まるにはちょうどいい広さ。


 ・・・やはり、金は稼いでおいてよかった。こんなに良い思いができたのだから。


 ・・しかし、レナは何故かご機嫌斜めだった。・・・料理を食べているときは嬉しそうだったが。個室に入るとき、何故かすごく睨んできた。・・本当にフラグを立てた記憶が全くない。

 どういうことだ?・・・そんな考えはとりあえず置いといて。


 ・・サイトの書き込みにあった。依頼人との合流場所である公園に行った。・・・そこは森林が多く、自然を楽しむ目的で作られた場所。

 ・・・ある意味、人目を気にする必要も無い。内緒話には適している。


 障害物が多く、見えにくいからだ。・・そんな事を考えていたら目の前にベンチで座る女子高生がいた。


 私は。


「・・あのサイトで依頼を受ける場合は、`はい`とボタンを押すと自動的に相手のパソコンに受託の表示がされる。・・落ち合う場所はすぐに返信がくる。・・おそらく、あの子だろう。」


 説明した。


 レナは。


「・・・ならば、私が行きましょう。・・・あなたのようなうさんくさい男では警戒します。・・ここは聖職者である私が適任です。」


 棘のある言い方。


 レナは女子高生に近づき。


「・・・裏サイトはご存じですか?」


 この質問に女子高生は。


「・・えっ?・・では、あなたが?」


 驚きの声である。


 当然か、今の彼女の姿はシスターだからな。・・目立つから普通の格好をしろといったのに、`これが私の仕事着です。`・・・・頑固な性格である。


 レナは。


「・・・大丈夫です。・・私は聖職者です。・・例え、どんなサイトであろうと。助けを求めるなら答えます。」


 祈りながら答えた。


 ・・・女子高生は。


「・・・本当に?・・探してくれるの?」


 戸惑うか彼女にレナは。


「・・・我が主に誓って。」


 祈りながら答えた。


 ・・・悪魔に変わっても。中身は決して変えない。良い根性である。


 女子高生は。


「・・・・お願いします。・・友達を探してください。・・三日前から分からないのです。」


 悲しそうな顔にレナは。


「・・三日前?・・ご両親は?」


 この質問に女子高生は。


「・・・あの子の両親はクズです。・・・自分の事しか考えず。・・娘がどこで何をしていても関係ないのです。」


 少し、イラつきの表情である。


 ・・・家庭は最悪と言うことか。


 レナは。


「・・・念のために聞きますが。・・・警察は何と?」


 この質問に女子高生は。


「・・・家族が届けを出さない以上動けないと。・・・私が出すと言っても、まともに取り合ってくれない。」


 イラつきが怒り顔に変化した。


 レナは。


「・・・分かりました。その依頼。私と彼が請け負います。」


 そう言って私に指さしてきた。


 女子高生は私の方を見た後。


 ・・レナは。


「・・・私は受付みたいな者です。・・・あんな怪しげな男よりも話しやすいだろうと思いまして。」


 失礼である。


 しかし、反論できない。


 女子高生は。


「・・・信頼できると思ってお話します。・・三日前。私と友達は学校の帰りでした。私たちは帰り道が同じでいつも一緒でした。・・・特に変わったことも無く、友達の家の前で別れたときも何もありませんでした。・・・だけど、翌朝。家から出てこなくて、あの子の両親に聞いても`知らない`と。・・・もう訳が分かりません。」


 最後は泣き顔になった。


 それを見たレナは寄り添うように励ました。


 私は。


「・・・聞く限りでは、路上で行方不明というわけでなく。家の中で行方不明か。・・これじゃ、警察は動かんな。・・・家の中で引きこもってるかも知れないし。・・何も無ければ家宅捜索はできない。」


 状況分析した。


 ・・・いくら連絡が付かないとはいえ、家の中から出ない以上。何もできない。唯一の頼みの綱である両親が拒否しているのだ。


 手詰まりである。


 レナは。


「・・・分かりました。・・・そう言うことでしたら、私たちが捜索します。・・安心してください。」


 安請け合いをするなと言いたい。


 女子高生は満面の笑みで。


「・・本当ですか?!・・・ありがとうございます!!」


 彼女と握手した。


 断れない状況に私は。


「・・・とりあえず、ここからは俺たちで動くから、君はこのまま帰りなさい。・・・でないとこちらは動きづらいのでね。・・・君もあのサイトは知っているだろう?」


 少し脅しをかけた。


 女子高生は。


「・・・分かりました。・・・よろしくお願いします。」


 一礼してその場を去った。



 二人だけになった所でレナは。


「・・では早速、そこに行きましょう。場所は、先ほど、紙を渡されました。」


 そう言って紙を見せてきた。


 住所が細かに書かれている。・・・・ご丁寧に地図まで。


 私は。


「・・・そうだな。・・・まずは現場を見てからだ。」


 そう言って歩き出した。




 ・・しばらくして現場である友達の家が見えた。


 レナはそのまま進もうとしたが私が拒んだ。


「・・・これは厄介だな。」


 呟いた。





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