麗の寝相が招くもの
何時もお読み下さりありがとうございます!70部まで到達しました!
ブックマークも有難うございます!感謝でございます!(>人<;)
「ごめんなさい。腕を放したいのですが...その...」と麗は困りながら言う。
彩世さんと、こんなに密着して焦る。
綺麗なお顔だなぁと無意識にじっと見つめて
麗の薄紅色の瞳と彩世のトパーズの瞳が合う。
気がついたら、彩世さんの頬に触れてしまっていた。彩世さんは目を逸らさない。
その時、
「どうしたの?」とソプラノ声が響く。
その言葉に、触れていた手を引っ込めて、顔だけでも声の方を向く。
ふんわりとしたストロベリーブロンドの癖っ毛のある髪、
エメラルドグリーンの瞳にそしてぷっくりした唇の愛らしい顔の美少年が
麗の部屋に入ってくる。
叫んだ声に反応して直ぐに駆けつけたのは、驚く程、耳のいい早乙女晴一だった。
晴一は彩世と麗がベッドで抱きしめ合っているのを目撃し、固まる。
「あっ晴さん!?俺、寝相悪かったみたいで...アハハッ」と笑う麗。凄いところを目撃されてしまった。焦る。だけど、腕と脚が痺れて...。
「上坂、どうでもいいけど放せ!」と顔を赤らめながら言う彩世。
「あの、悪いんですが俺、腕が痺れたみたいで。
彩世さんの首にある方の腕が動きません。」
「はぁ〜」と彩世は溜め息を突いた後、
「悪いけどな、俺もだ。」と言う。
ピクリッとその言葉に反応した晴一は瞬時に麗と彩世の所まで移動する。
どす暗いオーラを出しながら、
「晴が放して上げるよ。」と2人に笑顔を向ける。
彩世と麗を即座に引き離す。
無事放された麗と彩世は、暫くすると痺れていた腕と脚が動く様になり、ベッドから起き上がれる様になった。麗は左サイドのベッドから足を下ろす。
「晴さん有難うございました!お陰様で助かりました!しかし、晴さんって力持ちですね!」と言って
麗は晴一に笑顔を向ける。
晴一は一瞬、目を細めてその笑顔を見つめる。
束の間、
「全く!君は、寝相悪すぎ!」と呆れ顔で言う晴一。
「仰る通りです。俺、前から凄い寝相悪くて。ハハハハハッ」と後頭部に手を乗せて、苦笑する。
「悪い。晴。助かった。」と彩世も麗の後ろからお礼を言う。
「彩世さんも、本当にごめんなさい!俺のせいで動けなかったですよね!?」麗は向き直りベッドの上で正座をし、彩世に思いっきり頭を下げる。
怒ってるかな?と頭を下げながらチラッと彩世さんの様子を見る。
その拍子にポンポンと大きな手で優しく頭を撫でられる。
彩世さんは顔を赤らめて、此方をじっと見て
「別に!大した事じゃねぇし、大丈夫だ!」と言う。
言った後にトパーズの瞳を細めて、微かに笑った。
えぇぇ彩世さんが微笑んだ?
めっ
珍し!
今まで「プッ」とか馬鹿にした様な笑いは、あったけど、こんなに柔らかい表情は珍しすぎる。
私は謝る事も忘れて、彩世さんの微笑みに釘付けになってしまった。
途中、
バチンッと横から私を正気に戻す音が聞こえる。
見ると私の耳の横っちょ辺りに晴さんが両手をバチンッと叩いている。
「麗、一瞬固まってたよ?まだ白昼夢だったんじゃない?」と笑顔で晴さんは私に顔を近づけてくる。
笑顔なのに何でかな?晴さんの圧力が凄い。圧力鍋でグツグツ煮ているのかな?変な想像をさせる麗。
取り敢えず晴さんが怒ってる様な感じがする。気のせいだよね?
それにしても近い!近いよ!晴さん!
「はい?そっそうかもしれないです?起きたてなので。晴さん ちか...」近いです!と言おうとすると
突然、間に別の手が入ってくる。間近に割って入ってきた手にギョッとする。
「お前等元気だな〜」手の方向を見ると、
朝倉加賀が居た。その後を
「麗君、大丈夫?」
このゲームのヒロイン
森口ひなちゃんが心配そうに聞いてくる。薄水色の瞳が揺らめいている。
相変わらず天使!
「加賀さんにひなまで!うん!大丈夫!有難う」と私は笑顔になる。
ひなちゃんは急いで来たのか制服のままだった。そして、ぞろぞろと後ろに、制服姿の美久やさや、智美まで来ていた。
「彩あや、麗れい!大丈夫?」「お二方とも大丈夫でしょうか?」
「麗、昨夜は兄上の為に申し訳なかったな。助かった。有難う。」智美は緑の瞳を揺らめかしていた。
「皆んな!心配有難う!問題無いよ!
それに智美、気にするな!」と麗はニッコリ笑う。
「「「良かった!」」」
「本当に有難う。 麗には無理をさせてしまったな。」智美は頭を下げる。
「それに兄上も私の所為で本当に申し訳ない事をした。兄上だったら余裕の相手だったのに」智美は緑の瞳を揺らめかし、又もや頭を下げる。
何時もは冷静沈着な智美だけど、今は周章狼狽ぎみな智美だ。珍しい。
「気にすんな。智美。あれは、俺の判断力が甘かったんだ!」と彩世は優しい目をする。
「兄上」智美はシュンとした様に俯く。
「智美、この話は終いだ!分かったか?」とトパーズの瞳は優しい。
おぉ!素晴らしい仲の良さ!
「じゃあ、一件落着だね〜」美久はストロベリーブロンドのツインテールを揺らして
嬉しそうにしている。
「そうですわね!」さやは同意する。
「こう言うのは、温かいお風呂浸かって、寝るのが1番だよ〜」と美久が言う。
その時、思い出したかの様に、晴一が麗に提案する。
「そう言えば、話変わるけど、
麗はここの大浴場使った事ないよね!良かったら、僕と一緒にお風呂入らない?」
!?大変
「あっ...俺はその...」とあわあわとしていると横から、私の肩に腕を乗せる人物が!
私はビックリする。
「そうだよな〜だけど、麗ちゃんは1人で入るのがいいんだよなぁ〜恥ずかしがりやだからな〜」と私の肩に腕を乗せて私に小さくウインクする加賀さんだった。加賀さんナイスです。でも、何で私が一緒に入りたく無いって思ったんだろう?
その時、3名の鋭い視線が麗の肩に乗っている腕に集まっているなんて麗は知らなかった。
「そう、そうなんです!晴さんには、悪いですが、俺1人で入る方が落ち着くんです!」と急いで加賀さんの言葉に乗った後、「それに、裸、見られるの恥ずかしいし」と小声で呟いた。
急に晴一はボンっとりんごの様に、顔を赤くする。「あっ、そうなんだ、それなら仕方ないな」と晴一は顔を赤らめたまま、了承する。引いてくれた事に麗は安堵するのだった。
麗の言葉に顔を赤らめたのは恐ろしく耳の良い晴一だけではなかった。近くに密着して、麗の呟きが聞こえた加賀も顔を薄っすら赤らめていた。
麗の後ろに居る彩世は首を傾げ、周りの者は一体何なんだろうと首を傾げる。
晴一の気持ちに薄々気づいている、兄妹の
美久は、晴一が赤くなるのは、分かるけど、加賀は何で赤らめてる?と疑問に思うのだった。
「じゃあ〜解決だな!晴は夕食頼むな!」と加賀が解散しようとするが、相変わらず、麗の肩からその腕を外さない。
「ちょっと!加賀いい加減に...」晴一はヤキモキした表情で言いかけたが...その時
「上坂は病み上がりだ。その腕を放してやれ」と彩世が、言葉を被せる。
「はい、はい、そんな怖い顔すんなよ〜2人とも!」とお気楽な調子で正面にいる晴一と後ろに居る彩世に視線を送る。麗の肩から腕を外し、両手をパーにして降参する。
「だけど、麗ちゃんに話しがあるから、借りて行くよ?少し遅くなるから。皆んなで先に食べてて!」と話すと加賀は麗の腕を掴み部屋から出る。
えっ!?何?私に何の用?遅くなるって?
麗は疑問に思って、目を白黒させる。
「えっ?おい!」
「ちょっと待て」
「麗くん!」と後ろでひなちゃん達の声が聞こえるけど、加賀さんは気にする素振りもなく、私を連れ出す。
一体何の用だろ?
と思っていると家の外に出た。
外には、過激派ヴァンパイア達が居るから出たく無かったけど、よく考えたら、攻略対象の朝倉加賀と、居るから大丈夫かな?それにしても、何処に行くんだろう?
本日も最後までお読み下さりありがとうございましたm(__)m




