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帰宅

夏依が帰ってしまったあと、大翔がリビングに戻ってきた。

お前は、どこで何をしていた。

「大丈夫だった?」

「え?」

「あいつ」

夏詩くんが、夏依をあいつ呼ばわりしているけど一応先輩だよ。

「あー、うん。全然」

「ホント?」

心配そうな顔をして見てくる夏詩くん。

「あい」

そんなに本気で心配してくれるなんてっ・・・照れるじゃないか。身内でさえ、ああなのに。

何事もなかったように、夏詩くんのお母さんが作ってくれた夕ご飯を黙々と食べている大翔に呆れた視線を送る。

「美羽先輩」

「うん?」

「・・・」

なんだよ。寸止めされるのは、とても気になる。

「あー、やっぱいい」

「なんで」

「また今度ね」

その今度はいつ来るんだよ。・・・気になる。

A型だから、変なとこに細かいんだよね。



「ねーちゃん、帰るぞ」

大翔の言葉に時計を見ると、いつの間にか9時になっていた。

こんな時間までお邪魔させてもらって、申し訳ない。

今度、お菓子でも持ってこようかな?

「うん、夏詩くんありがと」

「いいえ」

「お母さんにも、伝えといて」

「うん」

「じゃーなー夏詩」

「じゃ」

「おう」

「バイバイ」

「また明日」

「うん、また明日・・・」

        会うのか、そうだよな、会うよな。・・・いやいや、こんな事を思ったら、夏詩くんに悪いぞ。

というか、知られたときが怖そう。うん、想像もしたくない。

どうか、気づかれてませんように。

「美羽」

「ん?」

「明日も、正門で待っててよ」

翔、30分も時間を無駄にする必要は無いと思う。

しかも、

「明日もは、メンドイ」

「女子たちにいじめられても知ないよー」

翔くん、タチが悪いぞ。

「・・・はい」

お姉様達の壁は、すでに後遺症になっている。




「ねーちゃん」

「・・・ん?」

珍しく大翔が私の部屋に訪ねてきたのは、夜11時を回った頃だった。

あまりにも珍しすぎて、一瞬返事をするのを忘れた。

その一瞬にたくさんのことが頭をよぎっていった。例えば、お父さんかお母さんが病気になったとか・・・(ごめんなさい)。

「入っていーよ」

「あぁ」

「なに?」

背筋をただしてみる。真剣な話・・・っぽい。

「・・・夏詩とは、別れたほうがいい」

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