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1話 俺猫になる

明日は土曜日、ようやくうまいビールを心置きなく飲める。冴えないサラリーマン俺は終業後足早に行きつけの居酒屋に向かった。飲み屋街は俺と同じ仕事終わりのビールを求めるサラリーマンたちがたくさんいた。いつもの居酒屋翁に入ろうとすると、このあたりでは見慣れない白い猫が居酒屋の隣のすき間でまかないらしき魚を食べていた。野良猫でも飼いだしたか。おやじさんは?不思議に思いながら店に入るとおやじさんが声をかけてきた。

「おー、萩原君今日は早いね。定時退勤かい。」

「えー。まあ早くビール飲みたくて適当に済ましてきました。」と笑いながら俺は言った。

「ビールってのは働きもののためにあるんだぜ。ほんとあんたって人は。」

「あのおやじさん、猫飼いだしたんですか。」

「あー、店の横のすき間にいたあの白いやつかい。あいつ今日の朝からいるんだよ。飼いだしたも何もあいつ中々店の近くから離れないもんだからしかたなくまかないの魚をあげたのさ。」

「なんだ。そうだったんですね。」

「でもさ。違和感ないかい。野良にしては毛並みがきれいだし痩せてないんだよ。誰かに餌もらってるのか知らんがあの毛並みは飼い猫と俺は思うね。」

「確かに。」

「飼い猫なら早く飼い主さんのとこに帰れたらいいんだけどな。」おやじさんは心配そうな顔でそうつぶやいた。

そういえば俺の会社で片思いしてるあの女性、猫好きで白い猫飼ってるって言ってたし。あんな感じなのかな。

そう思い物思いにふけていると

おやじさんが

「いかんいかん、もう閉店時間じゃないか。萩原君勘定払ったら帰ってね。」

「え、もうこんな時間。」

俺は時計をみた。

おやじさんは不安そうに

「ところでそんなに酔っておまえさん帰れるのかい。今日は飲みすぎだよ。閉店時間まで飲んでるじゃないか。」

「大丈夫ですよ。」

と真っ赤な説得力のない顔で俺は答え、勘定を払い店を出た。

いかんいかん、酔って足がふらつくし急に眠くなってきた。まぶたが重い。


ーー数時間後


あれ、朝日が昇ってる?

俺は昨日飲んでいて飲み過ぎたんだよな。で、その後の記憶が飛んでいるんだ。それに背中になんか袋みたいな感触が。振り返るとそこはゴミ捨て場だった。

え、俺こんなとこで泥酔して寝てたのか。

体を起こそうとしたらいつもと体の感触が違うことに気がついた。

待てよ。俺の体人間じゃない。そんなことあるか。

近くにある水たまりを見たとき

俺は驚愕した。

俺、猫になってるーーーーー!!!!!!!!!

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