↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者な俺と勇者な私  作者: みなと
6/17

リティアからの提案と……

「すみません……依頼達成の報告に来たんですけど」


 ここはギルド。酒場のような内装だけど、依頼を受けたり達成した時に報告したり仲間を集めたり冒険者としての始まりの場所。

 ゴブリン達の巣から帰ってきた私はそんなところの受付で初めてのゴブリン討伐成功の緊張を胸に報告をしていた。


「はい、わかりました。ウォッチャーを向かわせて確認しますが……一応何か達成したという証拠はありますか?」


 受付の女性は淡々と話す。

 彼女が言ったウォッチャーというのは本当に依頼が達成できているかを確認する人の事で今回の場合、多分ゴブリンの巣に行って確認する感じです。

 そして達成したという証拠……これは私がまだ一人前だと思われておらず、嘘の報告をしてないかという確認である。

 一応証拠は出さなくてもウォッチャーが確認すればわかるのだが、私も証拠的なのを持って帰って来ていた。


「これで……どうですか?シンゴブリンの頭ですけど?」


 私は持ってた袋からゴブリンの巣でセッカと一緒に倒したシンゴブリンの頭を受付へだした。


「これは……あなたが倒したのですか!?」


 すると受付の女性の反応がさっきまでの淡白なのから変わり興味深そうにシンゴブリンの頭と私を見ていた。

 

「えっと、そのゴブリンは……」


「なんて事でしょう!新米のあなたがシンゴブリンを倒すだなんて!!さっそく上に報告しますね!!それと報酬は明日あたりにこのシンゴブリンを倒したのも含めてお払い致します!!

それでは!!」


 私が説明するより速く受付の女性が勝手に興奮してしまい、受付のカウンターから離れてどこかへと言ってしまった。

 とりあえず受付の人がいなくなったから一旦帰るか……


 私はそのまま受付から離れてセッカの待ってる席へと向かう。

 彼がいなかったら私は今頃死んでいた……彼は不安定だけど可能性がある。

 だから──



 依頼の報告に行っていたリティアが席に戻って来て少し安心する。

 周りがガッチリしている大男に何か笑いながら魔導書?を読んでたりする魔術師が周りにいて明らかに俺が浮いていると自意識過剰気味になっていたので彼女が戻って来て緊張が少しほぐれる。


「お待たせ」


 リティアは何気ないように話しながら俺と向かい合うように席に座った。


「いや全然」


「凄い汗かいてるけど……?」


 緊張していたことを隠すように強がろうとするもすぐリティアに看破されてしまった。


「それと……相談したいことがあるの」


 リティアは改まった様に話題を変え真剣な表情をする。

 いったい何を言われるのだろうか?もしかして依頼中俺が邪魔でそれの賠償金を払えだとか言われてしまうのだろうか?


 そんな不安をよそにリティアは口を開いた。


「私とパーティを組んでもらいたいの」


 彼女が放った言葉は意外なものだった。


「……へっ?」


「だから、魔法使いとして私とパーティに……仲間になってほしいの!」


 俺が混乱していたらリティアが勢いのある喋りで追撃して来た。


「リ、リティアさんは俺……なんかが仲間でいいんですか?」


 あの依頼で俺がしたことなんてマグレで魔法を出してそれをボスゴブリンに当てた事だけ、それより前なんて荷物持ちとしてただ彼女の邪魔にしかなっていない……そんな無能な俺が仲間でいいのか?


 不安そうな俺の言葉に彼女は立ち上がる。


「うん!私はセッカ、君を仲間にしたい!

……それと私の事はさっきみたいに呼び捨てでもいいんだよ」


 強く、その力強くも真っ直ぐな瞳や言葉、笑顔をしながら彼女は俺に手を差し伸べる。

 その眩しすぎる笑顔に俺は彼女の手を取るかを躊躇う。

 呼び捨てにしてもあの時は咄嗟に言ったものでその事でも躊躇ってしまう。

 俺なんかが彼女と一緒にいてもいいのか……そんな様々で漠然とした不安が俺の心をかき乱す。


 それでも……それでも、今彼女は俺を必要としてくれたんだ、こんなどうしようもない俺を彼女は必要としてくれたんだ。

 だから……彼女の期待に応えたい。

 でも手が震えすぎてガタガタだ……

 

「ごめんリティア……

ちょっと緊張で、上手くは、話せなくて。

この返事は俺が外の空気を吸って気持ちを落ち着かせてからでもいいか?」


 彼女が望むなら、俺は彼女と共に行こう。

 けれど、それを言うにはもう少し心を落ち着かせてから言いたい。

 なので俺は外に出てひとまず落ち着こうとしたのだ。


「──うん!私もついていこうか?」


 リティアは俺の気持ちに気付いたのか喜んだ様子で返事をして着いてこようとした。


「いや、1人で大丈夫だよ。リティアは待ってて」


 俺はそんな彼女の提案をやんわりと断った。

 1人で色々と考えたかったからだ。


「わかった、もう外も暗くなってるから気を付けてね!」


 リティアから手を振りながら笑顔で見送られながら俺は外に出た。



「う〜さむさむ」


 少しの間この街をふらつく様に歩いた。

 周りはもう既に夕陽がほとんど落ちてる為か暗くなっており人通りも少なくなっていた。


 それにしてもリティアと一緒のパーティか……

 彼女の事を考える、あの可愛くて強くて優しくて元気なあの子の事を。

 確かにリティアは強い……けどちょっと突っ走りなところがある、そこが見てて不安に感じてしまった。

 まぁほとんど素人な俺が言うのもあれだけど。

 でも、俺がリティアを助ければいいんだ。 

 今日出来たように。

  

 戦うのは正直怖かった……

 それでも俺はあの子が困ってたら助けたいし、夢を叶えてあげたいと思ってる。


 だって俺は……リティアが好きだから!!


 しかし人生なんて上手くいくような物ではない……

 だって……


「よぉ、テメェ昼間の奴だよなぁ?」


 たった今、この世界にきて勘違いした俺に暴力を振るった男達とばったり出くわしてしまったからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。