人狼判明
お久しぶりです!!
「なんで……あなたが……?」
月明かりに照らされたマークに俺は問いかける。
マークは最初、俺を見て驚いたがその後すぐに落ち着きを取り戻した様子でこちらを見る。
「見られてしまったようだね……」
彼は言い訳などせずただ真正面からこちらを見てくる。
彼のその顔はどこか物悲しそうに見える。
「あなたが……人狼?」
人狼は本当にいた!?でもそれがマークだったなんて……
……でもそんなにショックを受ける事だろうか?
俺の知っている範囲で人狼が何か悪さをしたわけではない。
したことといえば……そうだあの事を言わなきゃ。
「あの……昨日は助けてくれてありがとうございました」
俺はマークに対して感謝の言葉を伝えた。
昨日の夜、魔狼達に襲われていたのを助けてくれた。その事は事実なんだ。
「私がこわくないのですか?」
マークは感謝の言葉を言った俺に不思議そうに問う。
「いきなり大きい狼を見たのは確かにびっくりしました、でもあなたは俺のことを助けてくれたいわば恩人なんだ。
怖がるのは失礼です」
「だから言わせてください、ありがとうございますと」
俺はそう言って彼に手を差し伸べた。
「……そうか、そう言ってくれてありがとう」
マークはそう言いながら俺の手を取り握手をかわす。
「そういえば、こんな夜中に何やってるんですか?」
話を変える、こんな夜中に外出し野菜や動物の死骸を持っていることに疑問を覚えたからだ。
「少し付き合ってくれないか?」
彼は優しい表情でそう尋ねた。
「はい……いいですけど」
その表情を見た俺はその提案に了承した。その次の瞬間には、人狼となったマークさんに抱えられながら森を颯爽と駆けていたのだった。
駆け抜けると言っても彼は抱えてる俺を気遣ってか草木がそんなに生えていない道を通ってくれていた。
しばらく森の香りを堪能していたら……
「着きました」
彼はそう言って俺を下ろした、そして俺の目の前に広がるのは……少し広がった場所。
月明かりに照らされてそこに様々な野菜が生ってるのが見えた。
「ここは……?」
「私が作った畑です、ここ付近には私のマーキングがしてあって野生の動物とかに荒らされないようにしているんですよ。
さっきのだってここから獲ったものなんですよ」
マークはこの畑に自信があるのか少しテンションを高めにして説明してくれた。
「さっきの動物だってそうです、この森で私が狩ったもの……決して村から盗んだものではありません、わかってくれました?」
彼はさっき持っていたものについて弁明をする。
俺は彼の発言に頷く、こんなものを見せられたんだ納得する。
「それじゃあ帰りますよ」
俺に畑を見せて満足したのかマークはまた俺を抱えて森を駆ける。
「1つ聞いていいですか?」
「?なんです、舌噛みますよ?」
俺はとある疑問をマークに投げかける。
「あなたが人狼だということを……シーラさんは知ってるんですか?」
俺が疑問に思ったこと、それはシーラさんの事だ。彼女はマークが人狼だと知っているのだろうか?
「知っている、そうわかった上で私と結ばれる事を選んだんです」
優しい口調でマークは語る。
彼の優しい表情を見ているとあっという間に村まで帰って来れた。
「それじゃあ今日はこれで……」
マークは別れの言葉を告げた。
「はい!」
人狼は悪い存在じゃなかった!今日はそんな大きなことがわかってよかった。
それにしても魔王が言っていた『人狼を見つけて対処しろ』とはいったいどういうことなのだろうか?
見つけはしたがその後の対処?対処っていったい何をすれば……
「──危ない!!」
マークが叫ぶ。
俺は彼にいきなり突き飛ばされ地面へと倒れ転ぼうとしていた。
そしてその時見たのだ。
マークの左肩が一本の矢に貫かれている姿を……




