人狼再び
ep14 人狼捜索に少し文章追加をしましたのでそちらもよろしくお願いします
俺と魔王の2人はマーク家の食卓にお呼ばれした。
俺と魔王の2人は玄関でシーラさんに出迎えられ案内する。
チラッと彼らの家を見た感じ、当然ながら宿家よりは物があり、ちゃんと生活感の感じられ謎の安心感を感じるような内装だった。
それから少し経ってリビングのような場所に案内された。
その部屋はどうやらキッチンとくっついついるらしく、キッチンにはマークが立っており今まさに食事が完成したように見える。
「いらっしゃい!お食事の前にちょっとしたパフォーマンスはどうだい?」
マークはそう言うと左腕に完成した料理が入った皿を乗せまくる。
3皿、4皿……とどんどんとマークの腕に食事がギチギチと乗っかり一見危なさそうに見えるがマークは1つの食事を落とすことなくリビングにある少し大きめのテーブルに置いた。
「どうだったか?」
料理をテーブルに乗せ終えたマークは少し自慢げにこちらへ尋ねてくる。
「いや、凄いバランスでしたよ!!」
これには俺も素直に感激の言葉を送る。
しかし魔王はそうは思わず……
「両手で運べればもっと安全に運べるというのに……」
とボソッと呟く。
「ちょ、ちょっと!!」
魔王の言葉に俺は反応する。
確かに魔王の意見はもっともだがそれはそれとして善意でパフォーマンスしてくれるのであればそれを素直に受け取るべきだと俺は思った。
「あはは、こりゃ手厳しい。ささっどうぞお座りください」
マークは魔王の言葉に笑いながら返す。
魔王はそんなマークを少し見てから言われた通り食卓へとつく。
テーブルに並んだ料理は葉物野菜の上にトマトのような赤い果実をスライスしたものを乗せその上からなんかオシャレそうなバジル系?のソースがかけられているサラダ
何の肉かはわからないが大体人の頭ほどある大きな塊肉が芳ばしい匂いをさせておりいかにも美味しそうな見た目だった。
そのほかにも数種類の料理が並んでおり、料理に期待が弾む。
「それでは、いただいてください」
全員が席についたことを確認したマークは笑顔で食事の許可をくれる。
「いただきます!」
俺は手を合わせこの料理を作ってくれたマーク達に感謝を込めて食事を始めた。
温かみのある家庭の味……俺が久しく忘れていた懐かしい感覚。
家族と共に食卓を囲っていたあの頃の記憶が少しばかり蘇って涙腺を刺激する。
もうあの頃には戻れない……俺はあの世界では死んでしまった人間なのだから。
もし戻れるんだったら少しは家の外へ出る努力をするよ。
それはそれとして料理が美味しい!
肉は厚みがありながらも柔らかく、噛めば噛むほど味と肉汁が口いっぱいに広がって幸せだ。
野菜とかもそうだ、甘さやさん味のバランスが絶妙でクセになる。
主食として置いてあるパンもふわふわで食べやすく食事がすすむすすむ。
「いっぱいお食べになるんですね」
シーラが放った一言に固まる。
まずい……流石にガツガツ食い過ぎたか?意地汚い人だと思われたか?
羞恥心が湧き、食事の手を止めてしまう。
「あっいえいえそういうわけじゃなくて」
そんな俺を見て察したのかシーラが発言の訂正をする。
「私達にも子供がいたらこんなに元気になるんだろうな……って思ってしまって……」
シーラはうつむきながら少し悲しそうな声で語った。
それを聞いていたマークも暗い表情を浮かべている。
子供がいたら……?どういうことなのだろうか、と疑問符を浮かべる。
「す、すみません、気分を悪くさせてしまったみたいで。どうぞお気になさらずお食べになってください」
シーラは焦りながらも食事を続けるように俺達に言った。
まぁ多少気にはなるところはあるけれど……俺がそのこを気にしても仕方ないか。
「いえ、そんな事ありませんよ。
……それにしてもこの料理美味しいですね」
俺は気にしてないとシーラに伝えながらも話題を逸らそうと料理の話へと移った。
「えぇ、そうなんですよ!
ここに並んでる野菜は彼が自分の畑で育てたりしてるんですよ!!」
シーラはいきなり機嫌が良くなって食材である野菜のことを話した。
野菜はどうやらマークが作った畑で育てているらしい。
その野菜を収穫してはマークやシーラが料理を作ってるらしい。
自分の畑で作った野菜かぁ……
確かにこの村の八百屋的な店では野菜が品薄になってたから自分達で作ったりする方がいいのかな?
と考えながら食事をしているともうすでに料理が少なくなっていた。
いつの間にかかなり食べていたんだなぁとおもいながら俺は魔王の方を向いた。
彼は食事前に少し話しただけでそれ以降はあまり言葉を発してはいない。
元々こんな無口な人だろうか?
「ごちそうさまでした!美味しかったですありがとうございました」
そして食事が終わり俺はマークとシーラに感謝の言葉を述べた。
それに対して2人は笑顔で対応して俺達2人はまだ微かに夕日のあかりがあるうちに宿家へと帰る。
「ユウビよ、あの2人をどう思う?」
歩いている最中、魔王は口を開いた。
あの2人のこと?いきなりどうしたのだろうか。
「良い人達……俺はそう思いました」
俺は素直に彼らに対しての印象を語った。
「そうか。なら今日の夜、昨日魔狼に襲われた場所へ行きなさい。
そこに人狼へのヒントがある」
魔王は俺の頭を撫でながらそれだけを言ってすぐに宿家へと帰ってしまった。
彼の考えがわからない……でも魔狼に襲われたところか。
確かにあそこで一回人狼と出くわしている、何か人狼についてわかるかもしれない。
……それにしても俺、魔王に人狼と遭遇した場所について言ったっけ?
そして時間が経って、日が完全に落ち夜になった。
俺は魔王に言われた通りに昨夜人狼と遭遇した地点にやってきた。
ここに人狼のヒントがある?
人狼を探せといい今回といい、いったいどういう意図があるのだろうか。
──ガサガサッ
魔王の言葉に疑問を持っていたその時だった。
突如森の少し離れた場所で不自然に木々が揺れる音が聞こえる。
俺はすぐさま森の茂みに隠れその音が鳴った方へゆっくりと近づく。
そして音の正体を見つける。
ただし辺りは暗く、何か大きな影が見えるだけでその詳細さえわからない。
人……?いやそれ以上に大きい。
その時、月光が木々の間からその影に当たって影の正体を理解した。
全身を美しい白銀の毛で覆い、黄色の眼光、細い手足には鋭い爪。
人狼だ……
人狼の鋭い爪にはさっきまで生きていたような動物やキャベツのような緑の球体の野菜が刺さっている。
狩りでもしてたのだろうか……
そう思った瞬間、人狼の姿が変化する。
体や爪が縮み、白銀の毛が引いていく。
「……嘘だろ」
人狼の変化が終わり俺はその姿に驚き茂みから飛び出してしまった。
「何で君が……」
人狼だったその男は俺が出てきたのを見て驚いた様子で言葉を放つ。
「それは……こっちのセリフです……
マークさん」
人狼の変化が終わったその男はマークだったのだ。




