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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第十四章 推しへの愛なら負けません

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第132話

 とりあえず彼らの状態を知るためと、私たちの安全な道の確保のために一人捕らえて様子を見る。


 案の定というかなんというか、アドルフさんが普通なら気絶するであろう攻撃を繰り出しても相手は止まらないし、大声を上げなくて……いやまさにゾンビィ! こわ!!


「……どうだ? 浄化でいけそうか?」


「無理ですね、とりあえずはやはり魔法の類いだと思います。薬系は聖女の術によって消しきれないにしても軽減はできるはずなので……」


 とりあえずわかったことは、薬系ではないということ。

 私たち聖女の解毒系魔法ってのは全ての状態異常系の薬に有効で、毒以外に対しては完治までは行かずとも多少は和らげる効果がある。

 私の能力が弱いから効いてないだけでは? っていう心配もあるにはあるけど、まったくもって様子が変わらないって段階でこれは薬品による錯乱等ではないと判断したのだ!

 

 なら魔法が解除されれば元通りになる可能性が高いわけだけど、アドルフさんが気絶させられなかったことを考えると、あまり戦闘にならないのが望ましい。


 だって気絶させらんないとくれば足を折ったりという物理的に追ってこられなくするしかないじゃない!?

 後々お詫びと共に私が治癒して回ればいいかもしれないけど、それでもやっぱり時間の経過によっては後遺症が出ちゃうかもしれないのでできる限りそれは避けたいよね……!!


(それに、事件が片付いたら今度こそイチャイチャ新婚デートするんだから!)


 諦めてないよ!

 そりゃ天候問題が残っちゃいるけど、元来の目的は新婚旅行だからね、新婚旅行!!


 ここでやむを得ない状況だったからって治癒ありきの怪我をさせるとか、もしも本人に記憶が残るタイプの精神干渉だったり、正常な精神状態の近隣住民に見られたら敬遠されちゃいそうじゃない?

 それはできる限りなしの方向で行きたいよね……!!


「とりあえず、縛って転がしておくしかないな」


「そうですね……」


 せめてもの償いとして、雨風が凌げる場所で痛くないように縛った

 眠りの魔法をかけてみようかとも思ったけど、この精神干渉が私の見立て通り魔法だとするなら重ねがけは大丈夫なのか……? って問題が浮上するのでこのままだ。

 縛られてもぞもぞしている姿は大変心苦しいけど、ごめんね! もうちょっとだけ頑張ってください!!


「しかし思ったより術にかかった人間の数が多いな」


「……人数制限はないんですかね。それと、正常な人との条件の違いはなんなのか……」


「今のところ男女比率も、年齢層もバラバラであることは確かだ」


「でも子供の姿は殆ど見られません。……私たちに離婚を迫った中には、子供もいましたよね?」


「ああ。行動条件までは違うのかもしれない」


「なかなかややこしそうですね……」


 老若男女……というにはちょっぴり寂れた町だけに偏りがあるんだけど、それでも子供がいないわけじゃない。

 そんな中、ウロウロ私たちの姿を探すゾンビな町の人たちの中には幼い子供の姿はない。


 無邪気な子供がお母さんの腕に抱かれながら『おねーちゃんりこんしないのー?』って聞いてきた時は胃がキリキリしたもんだよ……。

 ちなみにその時のお母さんは正常な状態の人だったらしく『なに言ってるの! めっ!』ってしてたけども。


 あの親子、大丈夫かなあ……。


「――イリステラ」


「はい」


 アドルフさんの声に私も反射的に振り返りながら杖を構える。

 杖っつったって攻撃用じゃない、私の魔法補助具だけども。


 背後に迫る誰かのしっかり(・・・・)とした足音、アドルフさんが気づいてないわけがなかったのだ。

 おそらく私が気づくよりも結構前には気づいていたはず。


 警戒をしつつそれでも私にちゃんと声かけを忘れない、くぅ~、さすが推し。

 しかもその声かけが信頼に満ちているってわかってるから喜びもひとしおよ!


「ご無事でしたか、お二人とも!」


 私たちの前に現れたのは、ローブのフードを目深に被った女性。

 でも彼女たちは私たちの姿を認めると、パッとフードを取り払った。


「貴女は……」


「ご無事で何よりです。ウーヌの神官であるわたくしを信頼できないのは百も承知ですが、どうかここは町の人々を救うためにもついてきていただけませんでしょうか……!」


 現れたのはウーヌの神官、プセーマさんだったのだ。

 その懇願に、私はアドルフさんを見る。


 アドルフさんは、冷たい目で彼女を見ていた。

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