表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第十三章 その喧嘩、買ったらぁ!!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

144/201

第128話

「やはり単純な女のようだ。とはいえ、予測範囲内とはいえあの女の能力そのものがわかったわけじゃない」


「そうですね、一度部屋に戻って準備を整えましょう」


 おそらくアエスさんの能力は精神に関係しているもの、というのが私たちの予想だ。

 ただその能力の幅は? 範囲は? そのほかに能力を持っているのか?

 その辺りについては何もわからない。


 とりあえず、彼女は自信満々だったってことは事実。

 少なくとも実力行使に出るだけの何か隠し球がある……と考えるのが筋だろう。


「もし精神干渉だったとして、アドルフさんや私にかけてこないなら条件があるはずですね」


「ああ。会話……ではないだろう。それなら俺たちも該当する。目を見るも違うか」


「食事……は彼女が何かを振る舞っている姿はなかったですね。看病やそういった類いが影響しているなら、女将さんたちが影響を受ける理由にならない」


「ウーヌの護衛たちも同様の反応だったことを考えると、人種も関係ないと見るべきだろうな」


 一瞬、メインキャラクターとか準登場人物だからかとも思ったけど、アドルフさんはともかく私はモブっていうか登場すらしていないからなあ……と考え直す。


「……アドルフさんに対しては、もしかしたら『絶望させたい』と言っていた点からわざと精神干渉しなかったのでは?」


「だがその理屈で言えば、俺を操ってイリステラを害することが一番俺に精神的ダメージを与えることができるとわかっているはずだ。それをしていない段階でわざととは思えない」


 とんでもないこと言いますね、アドルフさん!

 私は窓の外に視線をやる。

 相変わらず酷い雨が降っていた。


「精神干渉の魔法なんて聞いたことがないが」


「……オーベルージュは元々、獣種の能力が高いのが特徴でしたからね。私のように治癒能力はあくまで神鳥からの贈り物ですから」


 聖女っぽいことを言ってみるものの、あのゲームの設定ではそんな感じのことを言っていたからね!

 他国では獣化とは別に魔法の力特化のところがあるみたいな設定もあって、そっちはそっちで魔力中毒だかなんだかそんな話があるって開発者がインタビューで答えていた……のをチラッと読んだ気がする。


 うーん、あれはなんだったかなあ!


「あの能力の条件がわからない以上、誰が敵で誰が味方かを判断するのは難しい。少なくとも俺たちに離婚を勧めてきた連中は敵対の可能があり得ると考えれば、この宿屋の一角に留まり続けるのは危険だと思うが……」


「私たちのように何の影響も受けていない人がいるのかどうかもわからないですしね……」


 大きな町じゃないとはいえ、町民全員を知っているのかって言われたら当然ノーだ。

 それにこの悪天候でそう外出もしていない以上、顔見知りで名前もわかるってのはこの宿屋の女将さん夫婦、宿泊中の老夫婦、階下で休んでいる傷病者たちと出入りしているこの町のお医者さん親子くらいか。

 あとは出入りしている食料品を持ってくる人たちのことは挨拶程度って感じ。


 彼女が視界にいるとか、近くにいなきゃいけないってことはないのはわかっている。

 アエスさんが自分たちの拠点に戻ってからも女将さんたちが離婚したら? みたいのを言ってきたから、範囲は……そこそこあると見ているし、持続時間的なものもあるんじゃなかろうか。


 毎日のように顔を出していたのが私たちに対するアクションだったのか、それとも周囲に対して能力を展開していたのか、そのあたりも気になるところだけど……。


「あれだけ挑発した俺たちに反応していたことを考えれば、すぐにでも行動を起こすはずだ。……いつでも飛び出せるよう、準備だけしておけ」


「はい!」


 私が頷いたところでちょうどノックの音がする。

 ハッとする私をよそに、アドルフさんが立ち上がった。


「……誰だ?」


「ジャンです。遅れて申し訳ありません。装備と、周辺の情報を探って参りました! お二人ともご無事ですか!?」


 どこか逼迫した声音にアドルフさんが少しだけ考える素振りを見せて、私には反応しないよう手で合図してきた。


「お前は俺とイリステラの婚姻関係をどう見る?」


 それに対して僅かな沈黙があった。

 ジャンさんは戸惑いを隠せない様子だったが、それでもきちんと答えてくれた。


「どう、とは……その、国が認めた結婚関係、では?」


 そうだね、その通りだよ!

 でもその答えに、私たちはとりあえずは大丈夫だろうと扉を開けて、彼を招き入れたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ