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転生者の私は〝推し活〟するため聖女になりました!  作者: 玉響なつめ
第十三章 その喧嘩、買ったらぁ!!

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第127話

「アンタ以外いないでしょ!? 背も低けりゃ胸もお尻もない真っ平ら! ちんちくりん以外他に表現あるぅ~?」


「くうっ、言い返せない……!!」


 悔しいがその通りだ!

 私はスレンダーボディ(ここ強調)なのでそこは否定できないが、それでもこの世界の女性陣たちと比べて細身で背が低いことは事実……!


「イリステラ、問題ない。お前は可愛い。細身なのもお前がこれまで苦労してきたからであって、俺は好ましいと思っている」


「アドルフさん……!」


「ちょっと、隙あらばいちゃつかないでくれる!? 幸せなカップルの輝かしい未来エンドとか誰も嬉しくないのよ!」


 いやいや、私は嬉しいですけど?

 推しが好きって言ってくれたから私はこの細身でも全然オッケーですけど!?


 まあ確かに転生したって自覚した時にはチート能力とかだけじゃなくて目も覚めるような美形じゃない自分に驚いたり、かなり人生ハードモードな現実に打ちのめされたこともあったけど……最終的に推しが! 幸せで! 私を選んでくれているというこの事実に対して喜びに打ち震える以外何がある!!


 少なくとも私は推しに幸せであって欲しいと思うし、認知して欲しいタイプの人間じゃなかったけどされたらされたで嬉しい現金なタイプなので現状が最高オブ最高です。


(でも、腹の立つことこの上ないけど、アエスさんの発言からわかったことがある)


 それは私とは違ってアエスさんはアドルフさんの妻になりたいとかそういう恋情めいたファン心ではなく、不幸な推しを愛でたいタイプの人だってこと!

 じゃなきゃ私のことを貶すのはともかくとして、私を殺して推しを絶望に追い込もうなんて宣言には至らないでしょ。


 しかも彼女の発言から考えるに、世界中が不幸であれって感じだもの……こわぁ。


 なんだよ『貴方を不幸にしてあげる(はぁと)』って!

 ホラーゲームに出てくるサイコ系美少女ならともかく、現実にはお帰りしろください案件だわ!!


(……最悪だわー)


 つまり、アドルフさんを絶望させるためなら手段を選ばないタイプってことだ。


 彼の愛情を受け取る私が憎い……ってのはあっても、それが私に取って代わりたいとかそういう感情じゃないことが問題なのだ。

 周りがどうなろうと、それが結果としてアドルフさんの絶望に繋がるなら無問題って考えるタイプってことでしょ?


 今のところ大人しくしていたのは、上手いこと周りを使って私たちを離婚させようとしていたからで……離婚しないってわかったからにはどういう手段を取ってくるのか。

 これだけ騒いでいても女将さんたちが注意しにくる気配もないのも、おかしな話。


「無駄よ。アタシには味方がたぁくさんいるの。アンタたちは袋のネズミってわけ」


「……無駄かどうかはお前を捕縛すればわかることだ」


「アタシは正式な使節団の一人よ? 確たる証拠もナシにそんな真似をしたら国際問題になるからそんなことはできないわ。アタシの言葉が失礼だったからってそれだけで? フフッ」


 小馬鹿にするように笑うアエスさん。

 でも彼女の言葉は正しい。怪しいことこの上なく、なんだったら普通は彼女の言動に商人の一人や二人以上出てきそうなのに不思議な力が作用して周りは彼女の言葉に肯定的。


 しかも彼女の様子からするに、もっと何かがあるのかも……って感じなこの状況で彼女に手出しはできない。

 捕らえてしまうのが一番だってわかっていても、証拠が出てこなければそれは法治国家として許されざる行動だ。


「……使節団もみんな貴女の考えに賛同なのかしら?」


 私がそう問えば、アエスさんはただにっこりと笑って返すだけだ。

 そこまで馬鹿じゃないらしい。くっそ。

 どうせだったらおバカキャラ、貫きなよね!!


「一旦引くぞ、イリステラ」


 私の頭頂部にキスを落とすような仕草でアドルフさんが私に囁く。

 これ以上の収穫はないと判断したようだ。


「悪いが不幸になるつもりはない」


「……今に見てなさい、すぐにその言葉が無駄だってわかるんですからね!」


 去る私たちを追うでもなく、アエスさんがニヤニヤと笑うその姿が不気味で、私は知らず知らずにまたもや眉間に皺を寄せてしまった。

 癖になったらどうしてくれる!!

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