第30話 極北支部長ゾッド 前編
「あった!階段だよ!」
先行していたレイが階段を見つける。
出来ればエレベーターが良かったけど逆に閉じ込められる危険もあるし
その危険を考えれば階段の方がいいだろう。
「よし!上ろう!」
「でもどこまで上ればいい?最上階?」
迷ってる暇なんてない。
でも間違っても時間をロスするだけだ。
そこでオレは名案を思いついた。
「そこらの雑魚の誰かに道案内を頼もう。いや、ボスの部屋の場所を聞くだけでもいい」
「やっぱそうなるよね」
そう言う事でオレ達は周り見回したけど周囲には人影すらなかった。
「取り敢えず2階に上がろっか…」
そんな訳でオレ達は階段を駆け上がる。
2階に上がったオレ達はまずは道案内をしてくれそうな人材を探す事にした。
オレ達は視界に入る敵を見つける度に追いかけたけど何故か敵はみんな逃げていく。
あれ?セオリーならみんな死を覚悟で突っ込んでくるものじゃないの?
ええい!ここの従業員(?)はみんなヘタレか!
逃げ惑う敵を追いかけながらオレはだんだんとイライラして来た。
だから絶対に追いつこうとムキになって追いかけてしまった。
そして敵を追いかけて廊下の角を曲がった時、敵が何かを放り投げて来た!
しまった!これは罠だっ!
ぶしゅーっ!
敵が放ったのは発煙筒のようなものだった。
周りが一気に白くなってオレ達は視界を奪われる。
毒的なものもこの煙に混じってるのかも知れないと思いオレは警戒する。
「うぐっ!」
すぐに手持ちのハンドタオルで口と鼻を塞いで少しの間様子を見る。
こう言う時は下手に動いてパニックにならないようにしないと。
煙はしばらくの間この階全体に充満した。
しかし敵の気配は…ない。
どうやらこの混乱に乗じての一斉攻撃が目的ではないようだ。
「あーうざったい!」
この状態に耐えられなくなったレイが得意のエネルギー弾攻撃でこの煙を吹き払おうとする。
「いや、オレがやるよ!」
レイの攻撃で煙を吹き飛ばしたら建物全体が破壊されかねない。
ここはオレの衝撃波で煙だけ吹き飛ばした方がいいだろう。
オレは足を肩幅に広げて精神を研ぎ澄まし胸の前で両手をクロスさせる。
そして十分気が練れたところで一気に両手を振り払う!
そうする事で生み出された衝撃波で前方の煙を吹き払うんだ。
「鷹翼…滅風殲!」
ズサァァァァッ!
技に気を乗せる方法を学んだオレの技はどの技も全て威力が上がっていた。
周りに充満していた煙は一気に吹き払われていた。
「一丁上がり!」
この見事な成果にオレはドヤ顔でつぶやいた。
この結果を見てレイが一言。
「本当に…急に頼りになるようになっちゃって…」
えーと、それは褒め言葉と受け取っていいのかな?
その真意を聞くのはちょっと怖いから今はやめておこう。
煙が吹き払われた後に現れた景色は…さっきまでと違う見慣れない部屋だった。
あれ?オレ達あの時一歩も動いていないはずだったのに。
「ようこそ極北支部へ…」
急に声がしてオレ達は戦慄した。
何故ならその人物の気配が全然なかったからだ。




