第22話 小人たちの洞窟(5)
「れ、レイには関係ない話だろっ!」
「関係あるわよ~弱っちぃままだと足手まといじゃ~ん」
「なっ!」
前々からレイはちょっと口が悪かったけどこの言葉にはちょっと気を悪くしちゃったよ。
でも実際今からさらに鍛えてもっと強くなれるかは正直全然自信はなかった。
ただ、レイのこの言葉に納得するのも何か違うような気がしていた。
「まぁまぁまぁ…落ち着いて。大丈夫ですよ、ヒロトはタダシの遺伝子を引き継いでいますから」
このやりとりに見兼ねたアサウェルが仲介に入る。
本当、彼がいなかったらレイと喧嘩に発展してしまっていたかも。
うん、アサウェルが冷静に状況を見極められる紳士で良かったよ。
オレはその書をいつか開いて奥義を極めてやると心に誓った。
アサウェルやオレをバカにしているレイの足を引っ張らないように。
そして、あわよくば自分がこの戦いの主導権を握れるように(汗)。
「後は何か伝言のようなものはなかったですか?」
アサウェルが小人たちに尋ねる。
考えたらアサウェルも父の言葉に従ってオレを探していた訳だし
オレ達がここに辿り着く事を見越して何かメッセージのようなものを残していたとしても不思議ではない。
「だからこうして宴を開いているんだ」
「あなた達が来たら精一杯労ってやってくれって」
「そう…ですか」
この言葉にさすがのアサウェルも少し落胆しているようだった。
やっぱりアサウェルにとっても父は親友だったから何か自分宛ての言葉があるって期待しちゃうよね。
「タダシ様が突然いなくならなかったらきっと何か言葉を残していたはずかと…本当は直接話がしたかったのかも…」
その様子を見て小人の一人がそう言ってアサウェルを慰めた。
その言葉を聞いてアサウェルもまたいつもの優しい笑顔に戻っていた。
「ありがとう。きっとそうですね」
小人たちの宴はその後もしばらく続いて…今日はこの洞窟で休む事にした。
港街を出てから久しぶりにオレ達はゆっくりと休む事が出来た。
そうして次の日の朝、目覚めたオレ達は次の父の手がかりを得るためにこの洞窟を後にする。
小人たちには世界の平和を取り戻したら必ず連絡をすると約束して別れた。
「え?昨日何かあったっけ?」
宴の時にやたらとハイテンションだったレイは昨日の記憶をすっかり忘れていた。
やっぱりレイはあの時何か変な飲み物を飲まされていたんだな…(汗)。
あの流れで仲違いをしなくて本当に良かったよ…(遠い目)。
オレ達が洞窟の出口へと向かっていると誰かの気配を感じるようになった。
それはまるでオレ達が洞窟から出てくるのを待ち構えていたみたいだった。
オレ達は警戒しながらゆっくりとその影に近付いていく。
今はしっかり休んで体力満タンの3人が揃っている…まずそこら辺の敵には負けないはずだ。
その影がハッキリ確認出来るほど近付いた時、オレは言葉を失った。
何とその影の正体はオレの父親、タダシだった。
間違いない、って言うか間違えようがなかった。




