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第22話 小人たちの洞窟(4)

 そうしてしばらくして小人たちによるささやかな宴が開かれた。

 オレもアサウェルもレイも出された料理を楽しみ飲み物を飲んでリラックスしていた。

 出し物の小人たちの歌やダンスは楽しくオレ達はすっかりこの雰囲気に馴染んでいた。


「タダシ様は私達を助けてくれたんです」


「えっ」


 料理を運んでくれた小人がそう話してくれた。


「私達は研究施設で酷い人体実験をさせられていました…」


 話によると父はメアマスターに返り討ちにあった後、隙を見て逃げ出したのだがその時にその研究施設の惨状を見て彼らの脱出の手助けをしたらしい。

 けれど全員を引き連れて逃げ出したものの敵の追手の追撃が激しくなって止む無くこの洞窟に身を潜めた…と。


「じゃあ、父はここに?」


「いえ…タダシ様は少し前に状況を見てくると言って洞窟を出た後、戻って来ませんでした」


「そう…ですか…」


 オレはその返事を聞いて落胆した。

 ここまで、手が届きそうになったまた離れていく感覚…。

 これからオレ達はどうしたらいいんだろう?


「タダシからお前に渡すように言われたものがある」


 父さんの情報が途絶えた事を知って落胆しているオレにファンファンが声を掛けた。

 何処かから持って来たそれは何かの書物のようだった。


「お前がここに来たならをこれを渡せと」


「父さんが…これを…」


 オレはファンファンから父さんから預かったと言う本を手渡され早速読もうとした。

 けれどどう頑張ってもオレはその本を開けなかった。

 それはまるで何か見えない封印のようなものがかかっているみたいだった。


「どうやらその書を開くにはまだ経験不足のようですね」


 その様子を見ていたアサウェルが口を挟む。

 え、そんな事があったりするの?


「タダシは多分君が自力でここに辿り着いたと想定してこの書を準備したのでしょう」


「う…」


「私は指南役だからともかくレイが仲間に加わりましたから…鍛錬が足りないままここまで来てしまった…きっとこの本を読むにはまだまだ心技を鍛えないといけないのではないでしょうか?」


 このアサウェルの分析は正しいように思えた。

 オレはここに来るにはまだ全く鍛錬も覚悟も足りない…。


「じゃあ、鍛えれば…」


 オレは縋るようにアサウェルに言った。

 もっと強くなればこの本も見られるのか…その確証が欲しかった。


「あんた本当に強くなれるの~?今が限界なんじゃないの~?」


 この会話に強引にレイが割り込む。

 レイはおもてなしの宴のジュースを飲んでテンションが上ってるみたいだった。

 う~ん、一体どんなジュースを飲んだんだ…。

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