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第13話 ネットの国 前編(2)

「何か、逆にリアル過ぎて知り合いに出会いそうで怖い」


「安心してください、それはありません」


「分かってるよ…」


 知り合いに会う事はなくても敵に会う可能性は十分ある。

 ここはまだ敵の本拠地じゃない…が、敵勢力地にかなり接近している。

 街を行く通行人に複数の敵が紛れ込んでいても不思議じゃない。


「で?この国もやっぱり素通り?それとも…」


「久しぶりの北部エリアです…まずは情報収集でしょうね」


 そう、アサウェルはお約束の酒場巡りだ。

 考えたら彼は今までも殆ど新しい国に入る度にそうしている。

 もしかしてただ単純にお酒が好きなんじゃないかこの人形。


「それじゃ、オレは自分なりの方法で情報を集めるわ…」


「そうですか…気をつけてくださいね」


 東部エリアより危険なはずの北部エリアで単独行動なんていいんだろうか?

 これってつまりアサウェルはオレの力を信用しているって事なのかな?

 何にせよ行動は慎重にしないとね…。


 とりあえずオレはちらっと目に入ったネットカフェらしき場所に入った。

 多分ここなら色んな情報が手に入るだろう。

 建物の外観もそうだったが店内も現実のネットカフェと似た雰囲気だった。


 さてと…


 夢の世界でPCを操作する…何だか変な感じだなぁ。

 適当にポチポチと検索してみるけど…悪夢帝とか言う言葉では核心的な情報は引き出せなかった。


(検閲でも入っているのかな?)


 次はこの国の日常的なニュースを調べてみよう。

 そこから何か浮かび上がるものがあるかも知れない。


(えーと、ニュース、事件っと…)


 ッターン!


 っべー!

 またついいつもの癖でエンター強く押しちゃったー!

 ついいつもの癖でー!

 っべー!


(ふむ…ふむふむふむ…)


 どこの国でも事件は起こるものだけど…意外と大きな事件はないみたい…ん?


 ポチ、ポチポチ…


 オレは些細な事件のコメント欄からこの世界の2ちゃんっぽい匿名掲示板へと飛んだ。

 そこに書かれているものはほとんどが信用出来ないようなガセネタばかりだったけど…


(これはメアシアンの事務所らしき住所…?)


 気になる情報を仕入れたのでまずはこの情報の真偽を確かめる事に…。

 ただ一人で行っていいものかと若干戸惑ったけど…。

 とりあえず、ここは行くしかない!と気合を入れてそのネットカフェを後にした。


「この世界のスマホってどうやって手に入れるんだろう?アサウェルに聞いておけば良かった」


 スマホさえあればどこからでも連絡出来るし便利だ。

 しかし電波やら電池やらどんな仕組みなのかな?

 って言うか夢の世界だからそんな細かい事なんてどうでもいいか…。


 さて、色々考え事をしている間にその怪しい事務所に到着。

 あの情報が事実だとしてやっぱり組織的に大きくやっているんだなぁ。

 表向きは別の会社を装っている…のか…?


 ここで張っていれば何かしっぽを掴めるかも知れない。

 オレはしばらく張り込み中の刑事よろしくじっとその建物を観察していた。

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