第12話 植物の国(4)
しかもかなり登って来ていたのでこれがまたすごく揺れる。
グラン…グラン…
この状態でジャンプして上に登って行くなんてちょっと今の自分の技量では危険過ぎる…。
葉っぱの上に立っている今の状態を維持するだけでもかなりのバランス感覚を必要としていた。
「やっぱり地道に幹を登って行こ…」
オレは自分のヘタレ具合を慎重派と言う事にして誤魔化してちまちまと登って行く道を選んだ。
トホホ…これじゃ敵のいる場所に辿り着くまで後どれぐらいかかるんだよ…。
「やはり貴様が最初だったな…ヤツは…ここにつくまでまだまだ時間がかかりそうだ…」
「クニル…君が私に勝てるとでも?」
オレが必死でヒーコラ植物を真面目に登っている頃、クニルとアサウェルはついに対峙していた。
この二人、何やら過去に浅からぬ因縁があるみたいだ…。
「この力を見ろ!昔とは違うんだ!」
「そんな力を得たとしても君は君です…」
二人の間に緊張感が走る。
くそっ!オレがその場にいない事が悔しくてたまらないぜ。
二人の戦いを見られたならどれだけ興奮するだろう…。
「って言うか…ハァハァ…オレが辿り着く前に戦いが終わってない事を願うばかり…ハァハァ…」
ちまちま登っていると言ってももう地上から500m程は登っている。
主戦場のこの植物の頂上まで…後500mは…あるのかな…(汗)。
うう…ここでくじけたらあかんぞ、自分。
「貴様の連れ、アレだろ?タダシの息子だろ?貴様から見てどうだ?」
「まだまだですが…見込みはあると今は見ています…」
「かーっ!見込みはある…か!」
クニルはアサウェルの言葉に顔を手で抑えながら笑った。
「ならば…今の内に始末しないとな!」
一瞬の内にシリアスモードになったクニルが自慢のスピードでアサウェルに迫る。
アサウェルも紙一重でそれをかわす。
足場の不安定な植物の葉っぱの上でついに二人の戦いは始まった。
この時、オレはまだ地上700m付近。まだまだ先は長い。
ヒュオオオオ!
上空の風もまた強い。
グオオン!グオオン!
その強風で植物が大きく揺れている。
もうヤダ、こんな場所…(泣)。
「君はタダシの事について何か御存知で?」
アサウェルは攻撃しながらクニルに問い掛ける。
ビシュッ!
その攻撃をクニルは紙一重で避ける。
「はぁ?アイツは悪夢帝様が葬ったはずだ!貴様も一緒にいたのだろう?」
アサウェルの攻撃を避けながらクニルは律儀に彼の質問に答えていた。
そして質問に答えながら今度はクニルがアサウェルに対して攻撃を繰り出す!




