表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/127

第11話 おさるの国(4)

「波動拳!」


 この叫び声と共にオレの手から特大の気のエネルギーが…放たれなかった。


 スカッ!


 オレの攻撃は相手に向かってただ手を突き出しただけだった。

 うひぃぃぃ!恥ずかしぃー。


「カハハッ!ざーんねん」


 オレのこの動作を見てザクォルはそう言いながら笑った。


 ウッキキーwww

 ウキキーwww

 ウキウキッキーwww


 オレ達の戦いを見物していた猿共も大爆笑だった。

 くそっ!オレが芸人だったら美味しいって思えるんだがっ!

 オレは猿達にまで笑われて頭がフットーしそうだった。


「そろそろ遊びは終わりだよ…」


 ひと通り笑った後、声のトーンを落としてザクウェルの眼光が鋭く光る。

 オレはその瞬間、思わず負けを意識してしまった。

 ヤバイ!このままでは本当に負けてしまう!

 くっ!何か、何か突破口的な作戦を考えないと!


「本当、滑稽ですねぇ」


 突然の聞き覚えのある声に振り向くとそこにはアサウェルが。


「不穏分子の噂を辿って来て見たら面白い事になってるじゃないですか」


 アサウェルはそう言いながら笑っていた。

 この反応…どうもこの戦いに参加してくれそうにもないな…。


「外野は片付けておきますから本気で戦ってみてください」


 ウキーッ!

 ウキッ!ウキッ!

 ウキキー!


 鮮やかな手並みで一箇所にまとめられる猿達。

 アサウェルはその猿達を一気に太いロープでグルグル巻きにしてしまった。


「これで多少は集中して戦えるでしょう?」


「貴様っ!我が友を!」


 手下の猿達が捉えられて動揺するザクォル。

 この千載一遇のチャンスをオレが見逃す訳もなく。


「必殺!」


「何ィ!」


 ザクォルの懐に飛び込んだオレは渾身の一撃を彼に向かって叩き込んだ。


「狼牙虚空拳!」


 バキィ!


 ぐあああぁぁぁぁぁ…!


 オレの一撃で宙に飛ぶザクォル。

 この一撃で呆気無く勝負は決した。


 ドサッ!


 オレの一撃をまともに受けてザクォルは気絶していた。

 念の為にオレは彼をロープでぐるぐる巻にする。

 うん、猿達と同じ扱いで彼もきっと満足だろう。


「私が来なかったら負けていましたね」


 アサウェルはそう言って笑った。


「結果的には勝ったし!今度はもっと楽勝で勝つし!」


 オレは素直になれなくて強がりを言った。

 けれどアサウェルが来たおかげで勝てたのは間違いないし彼の登場に感謝してもいた。


「はぐれて…ごめん」


「まぁいいです、いい経験も詰めたようですし…先を急ぎましょう」


 オレがこの国で学んだのは自分の無力さだった。

 もっと強くならなければこの先の強敵にはきっと手も足も出ない。

 そして二人っきりのこの旅の心細さも…。

 後何人か強力な助っ人が欲しい、そう強く思うのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ