表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
56/105

重なる声

ざわめきが、会場を包んでいた。


人々の視線。


期待と、少しの好奇心。


みちる

「……すごい、人……ママも来てる……!」


イネリア

「わ、わち……足震えてきたべ……」


ディジル

「……っ」


フワン

「大丈夫です。ここまでやってきました」


モフリオン

「もふ……!」


アマリュウ

「騒がしいな」


―――


リベルティーナ

「……いい?」


静かな声が、全員に届く。


リベルティーナ

「緊張しているのは、ちゃんと向き合ってきた証ざます」


扇子を、ゆっくりと開く。


リベルティーナ

「あなたたちならできる。

わたくしが保証するざます」


―――


みちる

「……うん」


小さく、息を吸う。


―――


舞台へ。


光が差し込む。


―――


リベルティーナ

「……いくざますよ」


ピアノの前に座る。


リベルティーナ

「さん、はい」


―――


やさしい旋律が、流れ始める。


―――






みちる

「――一人 夜の中で」


その声は、少しだけ震えていた。


みちる

「悩み 抱えたまま」


(……怖い)


みちる

「落ち込んで うつむいて」


(また、間違えたら――)


みちる

「抜け出せずにいた」


―――


一瞬、よぎる不安。


―――


モフリオン

「もふ……」


小さなぬくもり。


―――


みちる

「……っ」


顔を上げる。


―――


ディジル

「――だけど そばにいる」


まっすぐな声が、重なる。


イネリア

「気づけば あたたかい」


フワン

「私の中にある」


アマリュウ

「消えないもの」


低く、深く、支える声。


―――


みちる

「……思い出す」


小さく、でも確かに。


―――




全員

「風が 背中を押して」


音が、重なる。


全員

「光が 道を照らす」


さっきまでとは違う。


全員

「思い出すよ ほら

もうそこにある」


―――


声が、揃う。


―――


みちる

(……みんなと)


ディジル

(合わせるんだ)


アマリュウ

(……ひとつに)


―――


全員

「虹が 空にかかる」


会場に、音が広がる。


全員

「あなたが ここにいる」


まっすぐに、届く。


全員

「重なる声の中で

私は歩き出す」






―――


最後の音が、静かに消えていく。


―――


静寂。


―――






――パチ……パチパチ……


―――


拍手が、広がる。


やがてそれは、大きな音の波となる。


―――


みちる

「……できた……」


ディジル

「やったな……!」


イネリア

「できたべ!!」


フワン

「ええ……届きましたね」


モフリオン

「もふーー!!」


―――


アマリュウ

「……当然である」


そう言いながら――

その目は、どこか優しかった。


―――


リベルティーナ

「……」


静かに立ち上がる。


リベルティーナ

「最高ざます」


その一言に、すべてが込められていた。


―――


こうして――

それぞれの声は、

ひとつの歌となり。


確かに、誰かの心へ届いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ