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初めての合唱

リベルティーナ

「それでは――全員で合わせるざます!!」


みんなの動きが、一瞬止まる。


ディジル

「いきなりかよ……」


フワン

「少し緊張しますね……」


みちる

「が、がんばろう……!」


モフリオン

「もふ……!」


アマリュウ

「ふん。問題あるまい」


リベルティーナ

「ピアノに合わせて――さん、はい!」


―――


ディジル

「アーーー♪」


みちる

「ラララ〜♪」


イネリア

「ラララーー♪」


フワン

「ンーーーン〜♪」


アマリュウ

「ルーーー……♪」


モフリオン

「もふーー♪」


―――


……バラバラだった。


―――


リベルティーナ

「ストップざます!!!」


ピアノの音が止まり、空気が一気に静まる。


みちる

「……あれ?」


イネリア

「全然合ってないだべ……」


ディジル

「好き勝手歌いすぎだろ!」


アマリュウ

「貴様が走っているのだ」


ディジル

「はぁ!?そっちこそ遅ぇんだよ!」


フワン

「お、お二人とも落ち着いて……」


モフリオン

「もふぅ……」


―――


リベルティーナ

「当然ざます」


全員がピタリと黙る。


リベルティーナ

「合唱は“自分の声”だけでは成立しないざます」


ゆっくりと、全員を見渡す。


リベルティーナ

「周りの音を“聴く”こと。

そして、“合わせる”こと」


ディジル

「……聴く、か」


アマリュウ

「我が合わせるなど……」


リベルティーナ

「できないなら、舞台には立てないざますよ?」


その言葉に、アマリュウの目がわずかに細くなる。


―――


リベルティーナ

「もう一度いくざます!!

今度は“隣の声を聴きなさい”!!」


みちる

「……うん」


フワン

「周りを意識して……」


イネリア

「やってみるだべ……!」


ディジル

「……まぁやるしかねぇか」


アマリュウ

「……よかろう」


モフリオン

「もふ!」


―――


リベルティーナ

「さん、はい!」


―――

ディジル

「アーーー♪」


みちる

「ラララ〜♪」


イネリア

「ラララーー♪」


フワン

「ンーーーン〜♪」


アマリュウ

「ルーーー……♪」


モフリオン

「もふーー♪」


―――


さっきよりは、少しだけ重なった。


―――


みちる

「……あ、今……」


フワン

「ほんの少し、揃いましたね……」


ディジル

「……まだズレてるけどな」


アマリュウ

「だが、先ほどよりはマシである」


イネリア

「今の感じ、悪くなかったべ!」


モフリオン

「もふ♪」


―――


リベルティーナ

「いいざます……その感覚を忘れないこと!!」


扇子をピシッと鳴らす。


リベルティーナ

「最初はそれでいい。

少しずつ、重ねていくのよ」


その声は、いつもより少しだけ優しかった。


―――


こうして――

ぎこちなくも、

初めて“合唱”らしい一歩が始まった。

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