日常編「リルと読書4」
もしも自分がお姫様だったと言われたら——そんな妄想をしてワクワクしたけど、今は辛くてならない。
茨の冠に青薔薇を咲かせたシャーロット令嬢は「聖女」だった。
晴天なのにこれから大雨が降る、川が氾濫すると予言して人々を守った。
どうやら彼女は皇族や神職と同じ存在。皇族と同じで他国の王族も神と繋がる能力は稀みたい。
シャーロット令嬢の婚約者だった伯爵は、「聖女様をそこらの貴族に降嫁なんてとんでもない」と役人たちに指摘され、本人も受け入れた。
そうなると伯爵とレティア姫が結ばれるには、伯爵が王族の伴侶に相応しい者になるしかない。
大好きな人が自分のせいで日に日に憔悴していく。
王女になるためのレッスンを受けながら、シャーロット令嬢は毎晩、涙を流した。
城へ招かれてから時々、神様の声がする。それは民を守るためのお告げだ。
愛する妹や婚約者、彼女や彼らの大切な者たちが暮らす国を守り抜く力。
だから励みたいのに、そうすれば婚約者は「より励まなければ」と潰れていく。
伯爵と笑い合えた女性はもうどこにもいない。彼女は伯爵に別れを切り出す決断を下した。
伯爵もまた、一度婚約は白紙にして、大勢の候補の中の一人になり、自力で伴侶の座を掴み取ると決意する、
互いを想い合う二人の会話はすれ違ってしまった。
レティア姫は「ずっと待っています」と言うはずが伝えられず、伯爵も「必ずや迎えに行きます」と言えず。
「……さん。リルさん。そろそろ寝ましょう」
ロイに後ろから抱きしめられてハッとした。物語に没入していた。
「もう寝る時間ですか?」
「ええ。その号泣っぷりですから佳境なんでしょうけど、もう寝ないとお互い明日が辛いです」
「悲しくて、目の周りの皮膚が痛いです」
泣き過ぎたせいだ。実はお姫様だった。それで幸せになりました。
そうなると思っていたのに、シャーロット令嬢は辛い目に遭ってばかりだ。
お姫様である理由が次々と提示されているのに、性悪たちに「私生児が姫になるなんて許されない」とか「詐欺師」だ敵視されたり、伯爵との恋が上手くいかなかったり。
「ロイさん……続きが気になって眠れません。シャーロット令嬢は幸せになれますか?」
私はあのお姫様と会って、あの素敵な笑顔を見たらしっと幸せになっているはず。それとも、辛くてもあんな風に笑って義母に優しくしてくれたのだろうか。
「ネタバレしていいんですか?」
「ダメです……」
ロイが温かいから、体の向きを変えて抱きついた。
同じ庶民同士でこうしてぬくぬくしていられて幸せ。あの優しいレティア様もそうであって欲しい。
この本の前書きに「少ない事実」を元にして想像で書いたとあった。
「では寝ましょう」
「気になって寝れませ……」
いきなりキスされたのでビックリしていたら、なんか始まった。
「疲れたら寝れますよ」
それは色っぽい顔になったロイのこと。私はドキドキして眠れなくなる。でもその後ガクッと寝るから寝れるか。
ロイの誘いで、小説の世界のことを忘れて眠りに落ち夢を見た。
『あなたに幸あらんことを』
『我が国を守るのは風と鷲の神です。あなたに風と鷲の神の加護がありますように』
優しくて綺麗なお姫様と皇子様の笑顔……。
お揃いの指輪を薬指にはめる二人は、とても親しげに笑い合っていた。
「なんで⁈」
思い出を夢に見て疑問に繋がって飛び起きた。
小説の中で、ユース皇子はほとんど出てこない。シャーロット令嬢に介抱してもらって、お礼に優しくして、たまに令嬢や伯爵と挨拶をするくらい。
真っ暗闇の中で、今は何時だろうと呟く。
何時でもいいや。とにかく続きを知りたい。幸せになって欲しいレティア姫が、ユース皇子と幸せなことは決まっているから読める。
布団から出て寒さに震えながら手探りで本を手に取り、そうっと寝室を出た。
ロイの書斎に入り、彼の半纏を借り、覆いを外して光苔の灯りを使って文字を目で追う。
ずっと出番の無かったユース皇子が出てきた!
ユース皇子がシャーロット令嬢の背中を押す。
「君は愛する者のために励むことを、不幸や苦痛だと思うのか?」
このユース皇子も穏やかで優しい。義母に親切にしてくれたあの日の声が蘇る。
「いいや、思わない。彼は君のせいで苦境に立たされたのではない。君のために苦難に立ち向かっているんだ」
「けれども、彼は疲労困憊で倒れてしまったのです。そんなことが何度も続くとお体を壊してしまいます」
「君がするべきことは、感謝を述べて彼にほどほどにと言うこと。そして信じて待つと伝えることだ。さあ、行きなさい。環境は私と陛下で整えるから心配しなくていい」
伯爵とのすれ違いが解消されて幸せになれそう。
レティア様が幸せになるのは嬉しいけど、ユース皇子と結婚話はなんなのかという疑問が残る。
「悩みで食べられないならいつでも話を聞くし、幸せに暮らせるように励む。私はアルタイル王国宰相だ。君が国の柱である限り、君の何もかもを守る」
格好ええ。すこぶる格好ええ。あの美青年があの声でこんなことを言って助けてくれるなんて格好ええ!
シャーロット令嬢は伯爵とまた話す勇気をもらった。
ユース皇子は次に伯爵のところへ行き、彼の背中も押した。
一人で急いで功績を積む必要はない。伯爵の身を案じて、シャーロット令嬢は日に日に元気を失っている。彼女は国の新しい柱で守るべき存在だ。必要だと思うことはなんでもすると。
「身の丈に合わない地位を望む強欲、そのくらいの小さな悪評くらい飲み込め。愛する女性よりもプライドが大事か?」
「まさか。けれども議会は私では納得しません」
「それがどうした。陛下と私が君を指名する。議会に逆らう力は無い。文句は言うが、それは君への批判を盾にした『聖女を取り合いたい』という主張と私と陛下への批難だ」
「陛下や閣下が議会と正面衝突をすれば国営が混乱します」
「それがどうした。陛下と私で上手くやる。他の問題でも衝突している。羽のように軽い問題が一つ増えるだけで難問ではない」
こうして、伯爵もシャーロット令嬢とまた話す決意をする。二人はギクシャクして、上手く喋れなかった。
この話——二人の不穏な様子や破局の噂が広がり、国王の耳に入る。
「そうか。それはちょうどいい」
国王陛下はユース皇子を呼び出した。シャーロット令嬢を私生児と蔑む勢力を『王令』で黙らせると。
「そのことでしたら順調に……」
「黙れ。私は彼女をお前の妻にする。お前の伴侶として王家に迎え、王女戴冠式を執り行う」
「お待ち下さい。私の権力の傘は強力ですので巨大な盾となり、新たな王女の地位を守るでしょう。けれども彼女にはミラマーレ伯爵がいます」
「破局したと聞いたから、何の問題も無いだろう」
「破局寸前ですが持ち堪えていますし、そのうち直ります」
「そうだ。お前が二人の間に立ち続け、議会を睨みつけ、根回しをして、さらに仕事を積み上げ続ければ、時間をかけて直るかもしれない」
「ええ。陛下の妹君を必ずや幸せにしてみせます」
「お前の仕事を増やすと民が困る。己を押し殺して恋敵の応援などやめなさい。私の妹を幸せにするなら自らしろ。これは命令だ」
王命で二人を婚約破棄させる。それは、シャーロット令嬢と伯爵のそれぞれの名誉を守ることにも繋がる。自然破局だと、どうしても汚名の噂が立つ。
妹と部下のために踏み出さない弟のための婚姻命令でもある。
話が少し戻り、ユース皇子がこれまでシャーロット令嬢のために動いていたことが語られた。
物語に出てこない間、彼は好きになった女性のために尽していた。彼女の視界には見えないところで。
アルタイル王の決断を読みながら、物語が急にユース皇子との結婚へ向かったことに驚く。
そんな中、戴冠式が行われた。シャーロット令嬢はそれをもって正式にレティア・アルタイル王女になった。
祝いのように海産物が降り注ぐ。彼女の祖母、ルシル女王と同じように。
戴冠式の後は煌びやかな宴会。
愛想笑いを続けたレティア姫は疲れ果てて、寝室で一人、涙を流した。
貧乏令嬢から王女になっても、自分という人間は変わらないのに、色々な者達が態度を変えた。
恵みの雨が降るたびに、それはますます起こるだろう。
自分は姫という肩書きを欲していなかったし、この部屋にある贅沢な物も何一つ要らない。欲しかったのは……。
我慢できなくて泣き叫び、シャーロットとして愛する人の妻になって支え合いたかったのにと嘆き、床に崩れ落ちかけたその時……。
「リルさん」
体を揺すられて、集中していたと気づいた。
ロイが「申し訳ないんですけど、朝食をお願いします」と困り笑いを浮かべた。
「すみません! 夢中でした!」
「目が腫れています。後半は悲しい場面が多いですもんね」
「すみません!」
慌てて着替えようとしたら、浴衣に割烹着でも義母に許されそう、台所へと促された。
「他のことは終わらせてありますので大丈夫です」
「その間、読ませてくれたんですね」
「母がリルさんはどこまで読んだ? 邪魔してないかとうるさいですし、自分もリルさんに読んで欲しいので」
「ありがとうございます」
台所へ行ったら、衝撃的なことに義父が米研ぎをしていた。義母が見張るように隣にいる。
「おはようございます」
「あらリルさん。読破しました?」
「まだです。読書時間をありがとうございます」
義母はツンとしていたけど、急に笑った。
「目が腫れてますね。後半は涙が止まらないですから当然です。話題作は付き合いに必要ですから早く読みなさい」
「時間を見つけて読み進めます」
「お父さんがね、私とリルさんに何かあった時のために米くらい炊けるようになりたいそうなの。ねぇ?」
義母の目が怖くなり、義父はそっと目を逸らした。
「……実はそうなんだ」
義父は嫌そうな小声なので、「嫌だけど妻に逆えない」と伝わってくる。
「ロイも魚くらい焼きたいわよね?」
「……はい」
ロイも母親に逆らうと面倒だと思ったのか、能面みたいな顔で素直に従った。
「あの、二人が朝食作りで私が読書は落ち着かないです」
「新妻期間を卒業していき、社交や子育てが増えるんですから慣れなさい。お父さんとロイも嫁が潰れないように最低限覚えなさい」
怒鳴り声ではないのに、今の表情と声だと雷オババ。カラコロカラと玄関の呼び鐘が鳴り、こんな朝早くからネビーの声だったので応対。
「よう、リル。おはよう!」
威勢の良い声だけど顔色は悪い。
「顔色が悪いけど大丈夫? どうしたの?」
「準夜勤で帰ろうとしたらなんか捕物になってつい参加してこの時間。珍しく帰る元気がない。寝させてくれ」
ひゃあ!
それは大変で兄にこういう理由で頼られるのは初めてだ。着替えとお風呂と布団!
台所へ行って義母に伝える。
「お粥か芯の残る米を食べさせるわけにはいきません。焦げるか生焼けの魚も。リルさん、お願いします」
「はい」
義父とロイがそろそろ歩き始めて、着替え、風呂と言い残して逃げるように去った。
「ったく。本当にそっくりな父子ですこと」
「たまにとても似ていて面白いです」
疲れた兄は何を食べたいかな。消化に良いけどガツガツ食べられるものは……あんかけ料理が良さそう。
義母が今日のお弁当はおむすびと漬物でいいと宣言。
いつもと少し違ったけど、いつもの朝食作りになり、みんな揃っていただきます。
兄は手を合わせて感謝を口にしたけど、ガクッと項垂れて固まった。
「ネビー君?」
「ネビーさん?」
義父母に続いて私とロイも名前を呼んだけど反応がない。こんな兄は一年に一回か二回、あるかどうかだ。
ロイが運ぼうとしたら起きて、自分で動くと言って這って力尽きた。突っ伏してまた動かない。
「よっと」
ぐったり兄を持ち上げられるロイは力持ち。凛々しい顔だし逞しくて格好ええ。
兄はまた我が家で倒れるといい。疲れは可哀想だから遊んで寝不足で倒れるのが良い。
隣の部屋に敷かれた、義父の布団に運ばれたあそのまま爆睡。
食事をしても、ロイと義父を見送っても起きないから義母が「静かにしましょうか」と言って家事免除。義母は編み物、私は読書を開始。
泣き叫んで崩れ落ちそうになったシャーロット令嬢——もうレティア王女をユース皇子が支えた。
ゆっくりと座らせて両手を取り、これから自分たちの婚約が発表されると告げる。
「全て私のせいにしなさい。愛するミラマーレ伯爵と引き離されたと」
「……なぜ何も悪くない、私たちを手助けしてくださるユース様が泥を被らないとならないのですか?」
「王族には重婚権がある。私と君は権力を共有し合う仲間になるだけ。彼を待ちたければ待てばいい。これで時間は沢山あるし、私の盾で誰も君を手に入れようと争ったりしない」
「私の質問にお答え下さい。あなた様がこの手を汚す必要などありません」
「君も知っているように、私は一部で鬼や死神宰相だと恐れられている」
レティア王女は首を横に振った。
朝から晩まで国益——民のために励んでいることを知っている、宰相への批難は利権にまみれた者たちの逆恨みだと伝える。
「いや、私は尊いものを守るために他に方法がなければ喜んで手を汚す。彼らの批難や嫌悪は正当な主張だ。私よりも汚れた者たちの意見など、私は受け入れないがね」
涙を拭われたレティア王女はユース皇子に導かれて、その泣き顔を宴席で晒した。
別の理由で泣いていたのに、国王陛下と宰相に無理矢理、破局させられた悲劇の王女様が完成。
婚約発表のあと、レティア王女は国王陛下と二人きりになった。
兄を愛し、弟を愛し、その家族を愛するがゆえに民を愛し、朝から晩まで働き続ける弟のユース皇子は、誰よりも自由で言うことを聞かないと。
「君とミラマーレが破局寸前ならとトドメを刺して、君に後ろ盾を、そして我が弟の健気な愛を手助けしようとしたら裏目に出た」
「ユース様の健気な愛……それはどういうことでしょうか」
「ろくでもない両親から救い出し、上京環境を整え、就職口を斡旋し、部下に恋をしたと知れば二人が楽しめる物を贈り、破局しそうになれば間に立つ。そういうことだ」
「あの方が私を愛していると……まさか」
「王族の重婚権利は我が父が始めた法で取り潰す予定だったがしばらくは無理そうだ。王族同士の婚姻の場合は片方が放棄すると追加させられてしまった」
「片方……ユース様はそんなことは一言も」
「あれはそういう男だ。他人とは求める見返りが違う。君が好意を見せれば、つい最近、惚れたというように本音を漏らすだろう。この密告で私はユースにお節介の極悪人だと働かされる」
こうして、レティア王女はユース皇子と婚約して、その愛を知った。
国王陛下は婚約者や夫婦としての外交があるから険悪な関係では困ると、二人に「一日一回のお茶か食事」を命じた。
一週間もすると、レティア王女は気づいた。
村で出会い、王都で少し話し、王女疑惑で城へ招かれ、戴冠しても目の前の皇子様の態度は何も変わっていないと。
その地位ゆえか、権力ゆえか、聖女だ王女様だと過剰に崇めることはなく、気さくな友人や新しい可愛い妹だというように接してくれる。
執務室には山のように書類を積み上げ、一日の予定もパンパン。それなのに、暇だというようき余裕のある雰囲気で穏やかに笑っている。
物語はレティア王女とユース皇子が笑い合うお茶会で幕を下ろした。
レティア王女が最後に「もう少し長く、お話ししたいです。今度、観劇にも行きましょう」と誘って。
本を閉じて両手で取って胸に抱く。ジーンと余韻に浸る。
この物語でシャーロット令嬢の恋は終わった。ここから先はレティア王女の恋、いや愛の物語ということだろう。
誘ったらユース皇子に求愛されるかもしれないと知っていて誘ったからきっとそうだ。最後のお茶会場面の挿絵の美しかったこと。
「あらリルさん、読み終わったんですね」
「悲恋は嫌いですが、それだけでは無かったです」
「ええ、そうですね」
気配がしたので振り返ると、兄が起きていた。
兄が義母と私にお礼を言いながら、疲れが取れてきたと微笑む。
「ご飯、すぐに持ってくるね」
「ありがとう。自分で運ぶよ」
寝起きだからいつもの覇気がない兄は、急に大人びてちょっと格好良く見えた。
「いつもそうなら、いつかお嬢さんにモテると思う」
「そうってなんだ」
「ユース皇子みたいに穏やかで柔らかい感じ」
「ユース皇子……ああ、テルルさんに親切にしてくれた皇子様か」
兄を座らせて食事を運ぶ。冷めてしまったので温め直すか悩んだけど、兄なら「早く食べたい」な気がして温めなかった。
案の定、「死ぬほど腹が減っていたから早くて嬉しい。ありがとう」と破顔された。
「最近、金に困ってないから腹減りがなくて、腹が減ることに耐えられなくなってきた」
お腹が満たされ始めたからか、いつもの兄に戻ってしまった。
「ええことだね」
「ルルたちだけまだ貧乏。俺ら三人に苦労をさせたから、同等までは無理でも甘やかさないって。俺らの両親はしっかりしてるな。自分が大黒柱なんて言ってた自分が恥ずかしい」
兄はどんどん、自慢屋ではない面を私に見せるようになっている。
しなくていいと言ったのに、食後に下膳をしてくれた。だから台所で二人きり。
「なあ、リル。目が腫れているけどどうした?」
「本を読んで泣いた」
兄はとても心配げな表情から一転、とても嬉しそうに笑った。
「そうか。読書は楽しいか?」
「うん」
「どんな話だったんだ?」
「貧乏お嬢さんがお姫様になるの。ユース皇子様と婚約した」
「ん? 実在の人物を使った創作ってこと?」
「うん」
「疲れてるなんて言い訳をしないで、本を少し読んでやるんじゃなくて、読み書きを教えてあげれば良かったな。悪い」
悲しげな笑顔なので、首を強く横に振る。
「何も悪くない。色々教えてもらってた」
「んー! よし、鍛錬して勉強して寝るか。今週は準夜勤なんだ」
帰らなくてもいいと言いかけて、勉強道具がないから口を閉じる。
興味を抱いて読んで欲しいから、兄に本の挿絵を見せたけど反応は悪かった。
帰る兄を見送り、義母と読書の感想で盛り上がった。今度、ミユを招いてもっと話をしようとも。
「そうだわ。西風の食器をね、そろそろ用意してもいい気がしているの。一区ならありそうだから、ロイと探してきてちょうだい」
「西風は女性たちで使うから、食器はお義母さんと選びたいです。ミーティアで相談します」
「そう? 近くでは売ってないと思うのよね」
数日後、ロイと兄は同じ日に私と義母に絵を贈ってくれた。ロイはレティア様、兄はユース皇子の絵。
義母と交換してお姫様と皇子様が並ぶように保管。
物語は前書きで「多くが創作」と書いてあったのでどれが創作で、どこが真実か分からないけど、二人が親しくして私たちに優しくしてくれたことは本当だ。
★☆
気まぐれ投稿にて、いつか分かりませんが次回はデート編「義母とティーセットを買う」の予定です。
日常編「奥様たちのお茶会」かもしれません




