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第19話 友達の友達なんでね

 あれから一週間が経ってクラスにも慣れてきた。最初は怖がれてどうなるかと思ったけどなんとかクラスに馴染めてなにより。

 

「ナギー、一緒に飯食おうぜ」

 

「悪ぃ! あいつらと食うからまた今度な!」

 

 と、昼飯の誘いもちらほら来るようになってきた。

 

「おせえぞナギー」

 

「すまんすまん」

 

「少したるんでるのではないか? 足元を掬われるぞ」

 

「まだお前には掬われねぇよ」

 

「せいぜい一位を堪能しとくんだな」

 

「はいはい」

 

 そんな会話をしていたら

 

「最近物騒だよなー」

 

「いきなりどうした?」

 

 優雅な(購買で買ったパン)昼食を楽しんでると隣に居るユムがそんなことを言った。

 

「なんか学年問わず欠席がどんどん増えてるみたいなんだよね、それにその欠席者からは一切連絡が来ないらしい」

 

「そういえば、うちのクラスも2,3人休んでるな。にしても連絡なしか……確かに変だな」

 

「噂では誘拐だとか或いは殺人だとかも……」

 

「………」

 

「……貴様それを飯の前に言うか?」

 

「ま、まさかね……」

 

「ルナッ!!」

 

「ビャッ!」

 

「ん、どうしたナズナ」

 

 勢いよく教室の扉が開いたと思ったら息を切らしたナズナが居た。

 

「ハァハァ……ここも居ない……どこにいるのっ……」

 

 誰かを探してるのか? それにこの息切れ……よっぽど焦ってるな。

 

「ナズナ、誰を探してる?」

 

「ルナよ、このクラスの子なんだけど……」

 

「ユム知ってる?」

 

「あの子か、なにかあったの?」

 

「さっきまで一緒にいたのに急にいなくなって……最近悪い噂もあるから、もしかしたらって思って……それでっ……」

 

「落ち着いて、パニックになったら見つかるのも見つからないよ。俺も手伝うから」

 

「え、俺とのご飯は……」

 

 シャラップだぜ、ユム。

 

「……うん、ありがとナギ」

 

「じゃあ俺はこの東棟を探すから、ナズナは西棟を」

 

「わかったわ、東棟の4階はもう探したからよろしく!」

 

「わかった」

 

 2人は勢いよく教室を飛び出し、東棟と西棟の二手に別れてルナを探す。

 

「とりあえず3階から探すか」

 

 小走りで3階の教室を全て確認するがルナらしき人影は見当たらない。

 

「なら2階か? ってやってたら万が一本当に誘拐とかだったら取り返しがつかなくなるな……」

 

(キュナク探せるか?)

 

(やってみるけど……ダメだ、人が多すぎて反応に見分けがつかないよ)

 

(そうか……ん? 反応があればいいんだな?)

 

(そうだけど……どうするつもりなの?)

 

「しっかり聞いとけよ」

 

 全速力で向かった先は1階の放送室。

 

「うわっ、誰だ君は!」

 

(誰か分からないけどごめんなさい!)

 

「鳴上流、揺籃(ゆりかご)

 

 不運な放送委員の頭を掴み僅かに揺らして気絶させる。

 

「3分で起きるように加減しました、いつか謝りに行きます……っと、早くしないと」

 

 マイクの前に座ってる先輩を引きずり落とし電源をつけ──

 

「1年A組のルナッ! いるかっ!?」

 

 

 

 § 第19話 友達の友達なんでね §

 

 

 

「ここよっ! 私はここにいる!」

 

 とある一室に全身傷だらけ血だらけのルナが椅子に縛り付けられている。目の前には赤のアクセントが入った黒のローブを着た男が一人、目元のマスクと深く被ったフード、声もキューブのようなもので機械音に変わっているせいで正体が分からない。

 

「ありゃ、ルナってもしかして君のこと? 友達想いな奴が居たもんだ……けどここは見つからない」

 

「分からないでしょ!」

 

「おいおい、さっきも見たろ? お前の友達がこの教室をに入ってきたけど見つからなかったでしょ? この空間はそういう場所なんだから……って暴れないでよ」

 

 ここは男の異能により出来た空間、認識阻害キューブで囲まれたこの空間は中で起きてる一切を認識出来ない様になっており、見えないのは当然のこと例えそのキューブを触ったとしても「そこにある」ということが認識出来ないため外からは絶対にバレない様な仕組みだ。

 

「なんでっ、異能が……出ないの!」

 

「君の首に着けたキューブ、異能を封じたりとかできるわけ。てか暴れないでくれる? うるさいんだけ、どっ!」

 

「ぐぁっ!」

 

 顔に肘鉄を食らわす。

 

「くっ……よくも……」

 

「ごめんごめん、顔はやりすぎたかも」

 

「あんた……絶対許さない」

 

「あはは、強気だね。君が知りたそうにしてるし、なんでこういう事やってるか教えてやるよ。まず魔王って知ってる?」

 

「なに……?」

 

「あの御伽噺とされてる魔王。どうやら実在するらしいんだよね。今は封印されてるらしいんだけど、その魔王を復活させようとしてる組織があるんだ。

 組織の名前は〖血の舞踏〗。その組織が言うには魔王復活には人間の魂が沢山必要なんだって、ここまで言えばわかるかな」

 

「まさか……最近妙な事が起きてるのってあなたの仕業なの!?」

 

 男は何も答えずに僅かな笑みを向けるだけ。

 

「なんで……そのローブから見えたヴァーミリの制服、ここの生徒よね? 魔族と戦うためにこの学園に入ったんじゃないの?」

 

「少しでも面白そうな事をするのが僕なんだよ。退屈な日々より魔族ぶっ殺した方が面白いからここ入ったんだけど、そんなことよりも魔王復活させた方が面白そうだなーって。理由なんてそんなもんだよ」

 

「ゲスが……」

 

「あはは、少し遊び過ぎちゃったか。そろそろこの狭い所から抜け出したいし、じゃあね」

 

「えぇ、地獄で待ってるわ」

 

 近くのキューブを手繰り、ルナめがけて攻撃しようとしたその時──

 

「おい本当にここで合ってるのか!? もぬけの殻だぞ!」

 

「ん? また馬鹿なお友達?」

 

 迷彩キューブの外でとある男子生徒が騒ぐのが見える。

 

「なんで4階に……血の反応を探せって? んな馬鹿な……あったわ」

 

「なに言ってんだこいつ、頭打ったのか?」

 

「ごめんて……はいはいキュナクが居たから見つかりましたよーっと、異能解放【鮮血舞(せんけつまい)】」


その瞬間ルナの足元に溜まっていた血溜まりが数本の剣に変わり辺りを舞った。

 

「!?」

 

「なんなの?!」

 

 大きな衝撃音と共に内側の剣が迷彩キューブを破り外からその生徒が顔を覗かせる。

 

「げほっげほ、煙すご……あ、その子友達の友達だから返してくれる?」

 

「……面白いね君」

 

 

 

 ◇

 

 

 

「あ、ゲルのお友達がやばそうだよ」

 

 円卓に座ってるカシュがそう言った。

 

「あ〜? 教師にバレたか?」

 

「いや、生徒」

 

「なら大丈夫だな、あいつに勝てるガキなんてそうそう居ない」

 

「でも見つけた子もかなりのやり手っぽいよ。見せようか?」

 

「俺はそのスリィって奴に興味あるから見てみたいとは思うがな」

 

「フェンと同じだ! 強いヤツと戦いたいからどっちが勝つか見てみたい!」

 

「丁度いいですね。カシュ、投影できますか? 少し観ときましょうか」

 

「了〜解」

 

 壁にスリィが映すと男たちは静かにそれを眺め始める。

 


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