序章1話 森での出会い
初投稿です!
拙い文章や分かりにくい所が出てくるかもしれませんが、ご了承下さい。
「っち、まだ来んのかよ。しつこいな!」
後ろから敵が迫っている。目の前にある森の中へ入れば撒けるという考えが、浅はかだった。寧ろ、自分の方が裏目に出た。
キン!キィィ!
突然、横から出てくる敵に剣で対応する。まるで此方の逃げる方を知っているかのようだ。
(とりあえず、身を隠せる場所を見つけたい)
ずっと見つかっている以上、相手の猛攻を止めることはできない。一瞬でも姿を消し、反撃の機会を窺う。
「うわっ」
その瞬間、ぬかるみに足を取られ、ズザザザとその場で滑った。その勢いで全身に泥がつく。
(痛。なんでこんな時に滑るんだ!早く立たな…)
起きあがろうとした瞬間、上から敵が剣を自分目掛けて振り下ろしてくる。それを咄嗟に回転し、直撃は免れる。だが、相手の剣も素早く右腕をかする。それと同時に剣と地面がぶつかった衝撃波で吹き飛ばされ、開けた場所に転がる。
「もう...ハァ.ハァ、ダメ..か。」
目の前には五人の敵が立っている。結構な時間を使って逃げたつもりだったが、誰一人として息を上げていない。そんな敵を一人で相手するのは流石に無理があった。
「よく我らからこんだけ逃げたな。だが、追いかけっこはここで終わりだ。」
一人の敵が剣を抜き、近づいてくる。もう、剣で応戦する力も立つ力も残っていない。死を悟り、曇った空を見上げる。降り注ぐ小雨が顔を濡らす。まるで、空が涙のでない自分の代わりに泣いているかのようだった。
(最後くらい晴れた空が見たかったな...)
そんな往生な気分に浸っていると、敵が目の前に到着する。
「最後に言い残すことはあるか?」
「….もっと、この世界..で、ハァ..ハァ、生きてみたかったな…」
「そうか。じゃあ、その苦しみをすぐに終わらせてやる」
剣を上にかがげ、首に目掛けて振り下ろされる。もう生き残る術は無い。今までありがとう。
そう思った直後、敵との間に暴風が起こる。
「うわぁぁぁぁっ。ーーーグハァ」
ものすごい風が周囲を襲う。突然の風に、腕で顔を覆い風に耐えようとするが後ろに回転する。剣を振り下ろしていた敵は反応することが出来なく後ろに吹き飛び、ものすごい勢いで木にぶつかり気を失った。今、目の前で起きた一瞬の出来事に唖然とする。自分だけではない。近くにいた四人の敵も困惑している。誰かが助けに来てくれたと思い周囲を見渡したが、仲間らしき人は見当たらなく、他の人の気配も感じない。
それもそうだ。こんな森の奥までわざわざ一人のために助けに来る必要がない。仲間ではないなら目の前にいる敵が?いや、違う。暴風が起きる直前に動く素振りをした敵はいなかった。では、誰が風を起こしたのか。そう思案すると、何かが近づいてくることを感じた。横や下からではない。上からだ。すると一匹の青い鳥が翼をはためかせながら降りてくる。
その姿は、神聖なる神の風格と覇気を醸し出しており、その目は四人の敵を凝視している。おそらく、風を起こしたのはこの青い鳥だ。そして、助けてくれたのだ。心の中で誠意を込めて感謝する。もし来てくれなかったら今頃死んでいた。
キィィィィーーーーーー!!!
森全体に鳴き声が響き渡る。すると、危険を察知したのか敵が剣を抜き、鳥に向かって構える。おそらく、風を起こしたのがこの鳥だと判っている。そして、迂闊に仕掛けるとやられることも。少しずつ動きながら、鳥に注意しつつ囲むかのように東西南北に分かれていく。その動きに反応したのか、青い鳥は上を向き、嘴の先に龍々気を溜める。そして、それを水に変化させ四方向に音速で撃ち放つ。
あまりの速さに、敵達は反応出来ずに穿たれ、木や地面に強打する。そして追い討ちをかけるかのように、青い鳥を中心とした水の竜巻が生じ、そこから全方向に向かって無造作に水の刃が無数に飛び出す。辺りの木は、一瞬にして切り倒され、広場に変化させた。
「つえー。なんて力だ。」
この場を圧倒した強さに驚愕する。自分の力では勝てなかった敵を一瞬にして、あっさりと倒しきってしまった。桁違いの強さだ。
呆然としていると、羽ばたく音が近づいてくる。見上げると、青い鳥が星のように澄んだ瞳で見据えている。その神聖なる風格。その場を圧倒する力。
おそらく、この鳥は神の使いなのだろう。
キィィィァァーーン!
鳴き声を発し、どこかへ飛んでいく。その鳴き声は、ついて来いと言っているのかのように感じた。
(あの鳥についていけば、助かるのか?)
傷だらけの体を無理に動かし、一つの可能性を信じて、青い鳥を追いかけ森の奥へと入って行った。
途中で青い鳥が使った「龍々気」は、空気を漂っている自然エネルギーです。分かりやすく言うと、魔力みたいなものです。




