桜木だるまさん
Q①、両公爵の最終目標について
A、順序だてて説明します。
最終という形で言えば、ルカイオス公爵もユーラシオン公爵も一致しており、帝国の健全な存続となります。
ただし、それに至るための前提条件と経過、また健全さに対しての見解の相違があるために対立している形です。
まず前提の違い。ルカイオス公爵としては、皇帝の指名があり、血縁も確かにあることから、現在の皇帝ケーテルの在位は妥当。その上で足りない政治力は、自らが補えば良いとの考え。
ユーラシオン公爵は力のない皇帝が立つこと自体、そもそもの間違い。病で血迷った先帝の妄言を現実にしても、従う者はおらず国が乱れる元で、どうやってもルカイオス公爵のほうが先に死ぬので、今の安定はいずれ崩れるという考え。
次に経過。ルカイオス公爵は、先帝の頃から自らと共に立案し、敷いてきた支配体制を継続させることで、次代にも安定を図れるため、今の皇帝よりも次代のテリーを見据えて準備をしている。
ユーラシオン公爵は今の皇帝が大貴族の権力の下に従う形がそもそも、皇帝という地位に相応しくないため、いずれ帝室以外の貴族たちが跋扈し始めるとの考え。軽んじられれば反乱を招き、他国からも圧力がかけられるので、その前に手を打たなければならないと帝国の未来を憂いている。
そして健全さについて。ルカイオス公爵は、他国から攻められても力で跳ね返せる帝国であり続けることで、他国も従えることが健全な帝国のあり方だと考えている。そのためにはつけ入る隙を内側から作る皇太后は論外。血筋が弱くても、確かにテリーへと継承し、自らの派閥を土台に揺らがない皇帝を立たせたい。
ユーラシオン公爵は、血筋という正統性があり、国を動かす貴族たちが納得する皇帝が導く姿に健全さを見る。血筋とは金であり、余裕であり、伝統であり、縁故であるため、それらを駆使して育てられた皇帝こそ、帝国を健全に運営できるという考え。ルカイオス公爵の支配から抜け出せもしない今の皇帝は論外であり、貴族を従わせられない皇帝とその子孫に健全な帝国の存続は無理だと考えている。
以上から、各個人の最終的な目的は、ルカイオス公爵の場合テリーへの帝位継承。
ユーラシオン公爵の場合、自らによる皇帝権威の復権になります。
Q②、セフィラ再現時の活用について
A、基本的に最初に作ろうと思ったとおり、弟妹の護衛目的で活用する予定。
そもそもセフィラを育てた意識があるので、再現できたとして、人間の常識や禁止事項を教える必要がると考えています。またセフィラと同じように育てたとしても、問題なく弟妹を守ってくれるかも不安があるため、悩ましいところ。
皇帝が派閥を作っていることや、テリーが自主的に皇帝を目指す努力中であることから、セフィラという努力を超える存在を与えることの弊害も視野に入れている状態です。
また、両公爵との対立が解消していない状態では、どれだけ益を示しても、害が大きいと見做されれば力尽くで排除される可能性が拭えません。
不可視、不感知のセフィラは、両公爵にとって十分な害であり、不安要素とみなされるとわかっているので、公にすることも消極的です。
セフィラの有用性は、政治闘争においては不穏な方向にしかならない可能性が高いこともアーシャはわかっています。
あまり穏便とも平和的とも言えない活用が成されるなら、平和な前世の倫理観を引き継いでいるアーシャとしては、専守防衛でしかセフィラを使う気はないので、公にする利点も感じていません。
上記のような考えと共に、アーシャは目立てば排除されるということを幼少から突きつけられていたため、セフィラを再現できたとしても、大々的に使うことはしないでしょう。
目立つことをやってもついて来る人が増えるわけではないことを知っている上に、疑心暗鬼を増幅させて攻撃の的にされるとわかっているからです。
現状は、セフィラも求めることから、錬金術で精霊が造れるか、もしくはその過程を解明することで、セフィラという存在が何であるかを定義づけるための試行錯誤を重視しています。
セフィラの性格からしても、同じ存在を生み出したとして、命令すれば従うなんて単純で従順な存在でないことも知っています。何度言っても勝手に他人の手紙を覗き見することはやめませんし、セフィラ自身が望む、情報や知識の集積は止められません。
あくまでセフィラの意志でアーシャに従っている状態。アーシャも見返りとして示せるのは自身の知識という他人が代替できないもの。アーシャ以外がセフィラを活用するとしても、アーシャのような使い方はできない可能性が高いです。
そんな状態で、再現できれば思うとおりに活用できると思うほど、短い付き合いではないので。再現ができて活用するとなっても、アーシャは自身に制御できる範囲で一体のみしか使わないでしょう。育成期間と能力の確認に時間を使い、裏切り対策も用意した上で、ようやく弟たちの護衛につけることになるかと思います。




