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=乱れた呼吸の奥、取り残された世界=


カツカツと敷かれた鉄の上をなぞる足音。いつかからずっと同じ音が繰り返される。


「次はどこ行く~?」

「いやぁ、なんか歩けば歩くほど見所が多いよね~」


線路の脇で主張のしてくる色んな広告。光ったり、場所が示されていたり、大きな顔だったり。色んな効果を駆使してでしゃばってくる。

このやり口はラノハクトも大して変わらない。


「あーあ。もっと世界に動きがあれば楽しいし分かりやすいんだけどな」

「でもね~、動いてないからこそ観察しやすい物だってあるから~」

「それはそ~。」


兎も角、私たちは何だかんだありつつも良い具合に地球に迷いこめたのでは無いだろうか──

見慣れていないのにどこか懐かしい空を見上げて思う。

青はどこまでも、続いている。


「そんなところまで来て、こっちに帰れるのか?」

灰色くんは心配してくれているようだ。

そんなの大丈夫だよ。ちゃんと道のりがこの端末に記録されている筈なのだから。


よくもまぁ、私もここまで歩けたもんだ。最初のうちなんてすぐに疲れてへばっていたのに。まだ余裕があるぞ。

友人と地球の組み合わせは偉大だ。


灰色くんにうしろ姿の私を届けながら返事。


「帰れるよ!ね?」

他三人にも話を振りまいた……




……あぇ?




……、




……。



「どうかしたのか?」


固まって……る?



「ねぇ?ねぇってばぁ!」

──震えた手で三人の肩を揺する。

───顔を触る。

────何度も。



返事は……無い。

ぴくりとも動きは無い。




?????


え?嘘。


「……どうしよう、三人とも動かないの。」

私はその発言を上手く伝えれたはずだ。


「おーい!……どうしたんだ!?」

「なんで!ねぇ!なんでなの!」

何度も!何度声をかけても!

「嘘、嘘だよねぇ!!」


何かの間違いだって。

すぐまた動き出すって。

でも、三人共笑顔で……沈黙のままだった。

あんなに喋っていたのに。


「とりあえず周りを、他──」



はぁ?はぁ、はぁ!?

はぁ、はぁ、はぁ?はぁ。


咄嗟にロロニが持っていた端末を掴む。

何でだ!?どうしたらいい?私は?

みんな??

怖くなって逃げ出……す?

周りの、他にここに来てるラノハクトの人たちを……探さなきゃ……。


「──落ち着いて、大丈夫だから。」


無我夢中で、動いてないか、周りを、


「あぁ、止まってる……なんで。」


なんで!なんでよ!

どうして、私はこの感情に戻らされた???

胸がじわりと熱くなる。

遠くの方で耳鳴りが始まる。

知らないほどに足が震えているのがわかる。


おかしいよ、おかしいって。

あんなに仲の良い……そんなはずは……。


嘘だと思いたかった。

けれど、黒い地面は閉じたように冷たかった。

まっ白な頭の中を嫌なことが駆け巡る。


何か悪いことしたのか……?


灰色くんからもらったお守りが手に触れる。

ただそれを握りしめるしかない。


さっきまであんなに……

信じられない。訳がわからない。


そこからは記憶が曖昧のまま……。

視界は悪夢のような……。


……


気がついたら知らない場所に居た。

私は一人だった。

迷い込んでいた。

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