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その少女・異世界でも非常識  作者: フラック
序章 叫び!
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幼き少女。

 



 地面に書かれた召喚魔法陣が

うっすらと光だした。


 魔法陣を囲む、20人近い神官達は

魔力消費を余儀なくされ疲れきった顔であったが

その光と共に

ソレが召喚成功の兆しと

安堵の表情と共に

喜びが湧き上がってくるのだった。


 1人の神官は

大神殿に向かった上司である

【塔神官長】を呼びに走り

魔法陣に魔力を注いでいた神官達と

魔法陣に魔力を注ぐため交代を準備していた神官も

ここが最後の踏ん張り時と

魔法陣に向けて、魔力を流し込んでいくのだった。


 魔法陣の光は大きくなり

この大きな一室を

眩いまでの光が包み込んでいく。


 神官達は、目を塞ぐが

強烈なまでの閃光は

瞼の上からも神官達の視界を白く焼き尽くした。


 まるで太陽を直視したかのような視界のボヤけが

時間と共に回復するのも待てず

視界を失った神官達の耳に聞こえてきたのは

まるで、少女の嘆き声とも思える悲痛なる叫び。


「帰してーーー

 家に返してよーーーー

 お母さん、どこーーー

 お兄ちゃん、助けてーーー

 会いたいよーーー

 あ母さん・・・

 お兄ちゃん・・・

 うわーーーーーーーーーーーーーーーーーん」


 残念な事ながらその叫びは

【異世界】から召喚された

少女の言葉であり

神官達にとって違う世界の言葉であり

神官達には理解出来なかった。


 徐々に視界が戻ってきた神官達は

召喚魔法陣の真ん中で泣き叫ぶ存在を目にし

初めて理解した


【勇者召喚の儀式】で


異世界から召喚されたのは

まだ、10歳にも満たないであろう


【人間の、幼き少女】


そして小さな体を、さらに小さく丸くし


両の手を瞳にあて、泣き叫ぶ姿に・・・


少女は・・・


家に・・・


元の世界に・・・


家族の元に・・・


帰りたいのだと・・・。



 そして、神官達・・・


いや、子供を持つ神官達は更に心を痛める


異世界から召喚する魔法は存在しても


異世界に帰る魔法は


在りはしない。


もし存在しようとも


星の数を、星の数で掛けた数より多く存在する異世界


その中の特定の1つに転移できる魔法など


唯一神ですら、知りはしない


少女は


家族の元に


帰れないと


数人の神官は家族や子供を思い出し


その目から涙が溢れ出し


その罪悪感に心を痛めるのだった。



 

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