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総意
「話してくれてありがとう」
奏は落ち着いた声で言った。
「ヤクちゃんは、ちひろを襲う前からどこかおかしかったんだと思う。もしかしたら、ただ、注目されたいだけなのかもしれない。これからヤクちゃん相手に、どうしたらいいのかは分からないけど、このメンバーでいれば大丈夫な気がするよ。」
奏は、もう怯えてなどいなかった。その姿を見て、私は勇気が出た。
「ヤクちゃんのした事は犯罪。絶対許されないこと。だけど…だけど、私達と絡んでいた友達だったんだ。だから、ヤクちゃんは私達で捕まえたい。ヤクちゃんの心を楽にさせてあげたい…ってこれ、綺麗事過ぎか。」
恥ずかしい。人前でこんなに話したのは初めてだ。
「綺麗事でもいいと思います。今の由佳さん、好きですよ?」
「ゆずも麻那と同じかなー。由佳ちゃんの言ってる事は正しいと思うよ!」
麻那とゆずが、私に賛成してくれた。
「いいんじゃねーの」
「俺は皆についてくよ」
ちひろと雄輔も。そして、奏も頷いてくれたのだ。
「皆、ありがと!」
この日、私達全員の意見が固まった。一つになった瞬間だった。




