贖罪
真面目なタイトルしてますが、内容はギャグです。
久々に下ネタ。
「精霊の住まいであるところの体を、自らの淫らな欲望の為に娼婦が一部としたこと、それが私の罪なのです。」
……少女は語りだした。
神妙な語り口で始まった罪の告白だったが、その内容は美談でもなければ悲劇でもなかった。
単なる欲望に負けた一人の人間の末路だったのである。
簡単に言えば、彼女、シロアムはドが付くレベルの変態少女だったのだ。
常日頃から、自らを慰めることの多かった彼女であったが、ある日その旺盛な好奇心から、魔物との交接を試みたのだ。
まあいわゆる獣○というやつである。
しかし、異世界の魔物には、かなり強烈な細菌がいたようで……
平たく言えば性病をもらったわけだ。
その話を聞けば、おそらくたいていの人間は、同情半分、呆れ半分といった感想を抱くかもしれない。
しかし、俺は違った。
自らも生粋のオナニストであり、真理の探究者である俺には、彼女の取った行動が、その気持ちが、痛いほどに理解できた。
彼女が罪を背負い、そして罰を受けるなど間違っている。
たとえ、世界がそれを罰しても、俺がそれを許そう。
彼女が背負うべき十字架は、俺の背にこそあるべきものなのだ。
俺は静かに、涙を流した。
「おかしいですよね。初めてお会いした方ですのに、こんな事までお話しするなんて。
何故だか、貴方にならすべてを許していただける、そんな気がしたのです。」
そういって静かに微笑んだ彼女の頬には一筋のナミダが伝っていた。
俺は、頬を伝う涙を指でぬぐうと、溢れ出す情動のままに、素直な思いを口にした。
「お前のしてきたことは間違いなんかじゃない。人間は、考える葦だ。
たとえ、道徳的には間違っていると判断されることだったとしても、その規則に隷属し、安寧に浸る豚になるのではなく
自らの頭で考え、そして行動に移した。その行為と勇気は称賛されるべきものであったとしても決して罰されるべきもの
ではない。欲望に突き動かされたものであったとしてもだ!
天が、世界が、神がお前を認めず罰するというのなら、俺だけがそれを許そう。
そして、俺がその十字架を代わりに背負ってやる!お前のオ○ニーは!お前の性への探求は、今許された!」
言い切ると同時に、俺は少女へと、正確には少女に重なって見える違和感へと手を伸ばす。
俺には、少女に巣食う病そのものが見えている、そう確信できた。
それは、まるで変数の初期化をし忘れたプログラムのように、あるいは角度をわずかに違えてしまった半径の大きな円弧のように
少女を構成する全身に、致命的な誤差を生じさせている、そのわずかな原因に手を加える。
……カチッ、と何かがはまる音がした。
どんな罪人でも悔い改めることで天の国へと迎えられるそうです。