喜びと窮地と
スモールトレントの討伐に成功した事を喜びあったヒルダとレベッカは、とりあえず戦利品の木材をマジカルストレージに収納していく事にする。
そうしてヒルダが動きを止める事になったところで、非常事態が発生してしまう。
「やった、やった!」
「やりましたね、レベッカさん!」
「はい、ヒルダ様!」
「あははは! ……さて、あまりいつまでも無防備に喜んでいる事も出来ませんから、そろそろこの木材もマジカルストレージに収納していきますね?」
「はい、よろしく頼みます、ヒルダ様!」
「了解です、任せておいてください!」
「はい! それじゃああたしは辺りの警戒をしておき……うん……? 今なにか、物音がしたような……?」
「……え? そうですか?」
「は、はい、ヒルダ様……まあ、あたしの気のせいかもしれませんけど……あ」
「え? レベッカさん?」
「……魔物の群れが……それも、全員集合で……」
「えっ!?」
ヒルダとレベッカを襲った非常事態は、第二階層に生息している三種類の魔物が、一斉に、それも一種類ごとに複数体同時に襲撃してきた事だった。
この事態にレベッカが慌てて剣を構えるなか、ヒルダはレベッカに、ほんの少しの間だけ時間稼ぎをしてほしいと頼んでいく。
「ガルルルル……!」
「ガルッ、ガルルル……!」
「フシュルルウ……」
「ブジュルウッ!」
「ギギ……ギギ……」
「ギギ……! ギギギッ……!」
「……これはこれは、皆さんお揃いでどうも……」
「ヒ、ヒルダ様、多分ですけど、そんな挨拶をしている状況ではないと思いますよ……?」
「ええ、そうですね……ですからレベッカさん」
「は? は、はい、なんですか?」
「少しだけ時間稼ぎをしてください。この木材を収納し終えましたら、私もあの魔物の群れと戦いますから」
「……わかりました、よろしく頼みます……!」
ヒルダの言葉を頷きながら了解していったレベッカが、剣を魔物の群れに向けて戦闘態勢と、時間稼ぎの準備を始めていく。
「グルルル……!」
「……さて、この数を相手にしてどう時間稼ぎをしていこうかな……?」
「……ギギッ! ギギーッ!」
「うおっと!? スモールトレントの先制攻撃か!?」
「ギギギッ!」
「グルルッ!」
「フシュルウ……」
剣を構えたレベッカに、スモールトレントが枝を使って攻撃を仕掛けてくる。
するとこの動きを合図にして、魔物達がヒルダとレベッカに向けて押し寄せてきた。
これにレベッカは、スモールトレントの攻撃を弾きながら、どの魔物から対処していくかを考え始める。
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