第二階層の魔物
ヒルダに頼られた事が嬉しかったのであろう、第二階層にいる魔物達の説明をウッキウキで始めようとしたレベッカの目に、ちょうど一番最初に説明しようと思っていた魔物がその姿を現してくる。
「どの魔物から説明しようかなぁ……やっぱり一番遭遇しやすい、あの魔物かなぁ……?」
「一番遭遇しやすい魔物、ですか。それはこの、第二階層だけでの話、という事ですよね?」
「はい、そうです。その魔物はですね……うん?」
「……うん? どうされました、レベッカさん?」
「……いえ、ちょうど説明しようとしていた魔物の姿が見えたものですから……」
「えっ? ……あっ、あれは、犬、ですか?」
「はい。この第二階層で一番遭遇しやすい魔物、それがあの犬魔物、コマンドドッグになります」
「……ガルルル……」
「グガ……グガルルル……」
レベッカの視界に入ってきた第二階層の魔物、それは犬型魔物のコマンドドッグであった。
しかも現れたのは一体だけでなく、五体からなる群れでその姿を現してきていたのである。
この遭遇に対してレベッカはすぐに剣を抜いて構えていく。
このレベッカの行動とほぼ同時に、五体のコマンドドッグも獲物に襲い掛かる態勢に入っていき、双方は即座に戦闘態勢になっていった。
「……レベッカさん、あの、コマンドドッグでしたか? 見た感じ、ヤル気満々といった空気をひしひしと感じるのですが……」
「……まあ、ヤル気は満々でしょうね。聞いた話や、実際に体験した時は迷う事なく集団で襲い掛かってきて、あたし達探索者を生きたまま食い殺そうとしてきますから……」
「……集団で襲い掛かってきて、探索者を生きたまま食い殺す、ですか……それはまた、凶悪な魔物達ですね……」
「ええ……そして……」
「……うん? そして?」
「……そして、あたしが第二階層に来る事を嫌がるようになった原因の魔物でもあります……」
「えっ!? そうなのですか!?」
「はい……」
「……そうだったんですか……あの魔物達が……あ」
「ガルッ! ガルルルッ!」
「ガルルルルッ!」
「くっ! レベッカさん、支援魔法を!」
「ありがとうございます、ヒルダ様!」
戦闘態勢の状態のまま、コマンドドッグの特徴をヒルダに話していくレベッカ。
その話の中で、自身に第二階層へのトラウマを植え付けた存在が今目の前にいて、戦闘態勢になっているコマンドドッグだとレベッカはヒルダに告白してくる。
このレベッカの告白を聞いたヒルダが驚きながらコマンドドッグに目を向けていくと、戦闘態勢になっていたコマンドドッグのうちの二体がこちらに向けて走り出してきていた。
その為ヒルダは、すぐにレベッカへ支援魔法を使ってレベッカの強化を行った。
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