ヒルダ、小島から旅立つ
クローネと一緒に暮らしていた小島から飛び立ったヒルダは、陸地を目指してひたすら真っ直ぐに進んでいた。
そうして空を飛ぶ事三時間、ようやく見えてきた陸地に、ヒルダは安堵の声を上げていく。
「……う~ん……島を飛び立ってからもう二時間以上になるんだけど……全然陸地が見えないなぁ……うん? ……あれは……陸地だぁっ!! ようやく見つかった! とりあえずあそこに降りるようにしよう!」
ようやく見えた陸地に歓喜したヒルダは、すぐにその陸地に着陸することに決め、少しずつ高度を下げていった。
そうして箒から飛び降りても怪我をしない高度まで下げていったヒルダが、そのまま陸地に足跡を着けていく。
「……ふう、周辺に他の島を一つも見ないと思っていましたが、他の陸地からこんなに離れていたなんて……」
無事に着陸する事を成功させたヒルダが、自分達が暮らしていた小島と他の陸地との距離に絶句する。
そうして小島の事を考えていたヒルダは、クローネとの小島での生活を思い出して小島の方向に目を向けていき、旅立ちを命じられた瞬間の事を思い出していった。
「……魔法使いの修行の総仕上げ、世界を見て回り、気に入った場所で暮らしていく、か……お師匠様、どこにあるのでしょうか、私が気に入る土地は……あ……」
そこまで口にして、ヒルダは周辺をぐるりと見回していく。
そうして軽く一回りした次の瞬間、ヒルダのお腹から空腹を知らせる音が鳴る。
その為ヒルダは、マジカルストレージからパンを一つ取り出すと、すぐにかぶりついていった。
「……モグモグ……モグモグ……ふう、とりあえずお腹は膨れました。それではついでに、これから進んでいく方向を決めていきましょうか……どの方向に向かうのが良いのか……それっ!」
パンを食べ終わった後、そのように呟いたヒルダは、持っていた杖を空に放り投げていく。
そうして落ちてきた杖の先端部分、魔力増幅用の宝玉が向いている方向に目を向けていったヒルダは、これから進んでいく方向を宝玉が指し示した方向に決めていった。
「……ふむぅ……北東方向、ですか……よし、それでは北東方向に行ってみましょうか」
宝玉が指し示した北東方向に進む事を決めたヒルダが、再び箒に跨がっていく。
その後、口にした通りに北東方向に飛び始めたヒルダは、とある事実に気付き始める。
「……なんというか……どこまで行っても荒野しか見ないのですけど……これは一体どういう事なんでしょうか……」
眼下に広がる光景が、荒野しかない事にヒルダは疑問を持ち始めた。
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