荒野に見えた物
ひたすら続く荒野を飛んでいくヒルダは、途中で何度か地上に降りて休憩をしながら、気に入る土地探しを続けていた。
そのまま空を飛び続ける事一時間、遂にヒルダは眼下に荒野以外の光景を見る事になる。
「……うん? あれは……家が複数……? という事は、あれは村かな……? 少し降りて人がいるかどうか探してみて、人がいたら少し話をしてみようかな……?」
空の上から村らしき物を見つけたヒルダは、とりあえず降りて話をしてみようと考えて地上に降りていき、人がいるかどうか探し始めていく。
「……すみませ~ん……どなたか、いらっしゃいませんか~……? ……うん?」
「……おい、やめろって」
「そうだよ、危ないぞ?」
「でも、誰かがやらないと……」
「それは、そうなんだが……でもだからといってお前一人で行かせるのは……」
「……」
人がいるかと思って探していたヒルダが、なにやら深刻な表情で話し合いをしている人間達の姿を見つける。
その話し合いの様子をしばらく眺めていたヒルダだったが、いつまでも眺めているだけでは事態が進展しないと判断して、人間達に声を掛けていった。
「……あの~、申し訳ありません……」
「……え? なんだ?」
「……誰だあんたは? いつこの村に来たんだ?」
「あ、ついさっきです。ちょっとした、あてのあまりない旅の途中でして……」
「ふうん……あてのない旅ねぇ……」
「はい。ところで皆さんはなにをしているのですか?」
村人達に声を掛けていったヒルダは自分が旅人だと話していき、村人達になにをしているのかと尋ねていく。
この質問に村人の一人が答えてきた。
「我々かい? 我々はどうにかしてこの魔道具を直せないかと話をしていたんだよ」
「おい! 旅人にそんなことを話すなよ!」
「良いじゃねぇか別に……それに今は少しでも手助けがほしい時だしな」
「……それは、そうだが……魔道具だぞ? そう簡単にわかるわけが……」
「魔道具ですか。ちょっと見せてもらえますか?」
村人達の返答を聞いたヒルダは、自分に魔道具を見せてほしいと話していく。
このヒルダの言葉に村人達の何人かは難色を示していったのだが、ヒルダが魔法使いだと名乗ると、早く言ってくれよ、と言いながら魔道具を差し出してくる。
「……え? 君に……?」
「はい。駄目でしょうか?」
「……う~ん……」
「お願いします。私は魔法使いですから、皆さんよりも詳しい事がわかると思いますから」
「え!? お嬢ちゃんは魔法使いなのか!?」
「ええ」
「なんだよ、それを早く言ってくれよ! ほら、魔道具だよ」
「……あ、ありがとうございます。ええと……?」
村人達から魔道具を手渡してもらったヒルダは、どこがどうなっているのかを確かめる為、詳しく眺めていった。
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