最後の一品
ウインナー・ソーセージを調理する為、先ほどまでスクランブル・エッグを調理していたフライパンを軽く洗っていくレベッカ。
そうして洗ったフライパンを拭いたレベッカに、ヒルダが声を掛ける。
「……このまま、スクランブル・エッグを作ったままの状態でウインナー・ソーセージの調理をしていくのは、止めた方が良いですよね……?」
「まあ、そうですね。軽くでも洗った方が良いと思いますね」
「ですよね……わかりました。それじゃあ少し洗ってきますね!」
「ええ、わかりました」
「……」
「……レベッカさんが戻ってくるまではミネストローネの状態を見ておきましょうか……今のところなんの問題も起きていませんが……うん?」
「……ヒルダ様! 洗ってきましたよ!」
「ご苦労様です、レベッカさん。それではウインナー・ソーセージの調理に入っていきましょうか?」
「はい、ヒルダ様! ……といっても、これはさっきのスクランブル・エッグとは違ってただ炒めるだけだから、これは簡単ですね!」
「……ふむ……簡単、ですか……」
「……え? あ、あの、ヒルダ様……?」
ウインナー・ソーセージの調理は簡単だと豪語していったレベッカに対し、ヒルダはなんともいえない表情でレベッカの言葉を復唱していった。
これに不安を覚えたレベッカが、なにか問題があるのか? と問い掛けていく。
そんなレベッカにヒルダが、ウインナー・ソーセージが美味しく食べられる調理方法を、実際に調理しながら説明していった。
「あのですね、レベッカさん。レベッカさんが簡単だと言ったウインナー・ソーセージの調理も、やり方を変えればもっと美味しく食べる事が出来るようになるのですよ?」
「……え? 調理のやり方を変える……?」
「ええ。では実際にやってみましょうか?」
「……ああ……はい……わかりました……」
「まずは普通にフライパンへウインナー・ソーセージを投入していきます」
「はい、普通に投入していく、と……はいはい……あれ? ウインナー・ソーセージを切らないんですか? それに、油は?」
「ええ、このやり方では切らないのですよ。それに油も使いません」
「ほうほう、なるほど……」
「はい。それで次に、水を大さじ一杯入れていきます」
「水を、大さじ一杯……はい、出来ました」
「ええ。続いて蓋をして二、三分蒸し焼きにしていきます」
「はあ、蒸し焼きですか……」
「はい、そうです……この間に私はちょっとミネストローネの状態を見させてもらいますね?」
「あ、わかりました」
「……うん、問題無し。美味しそうに出来てきた……それじゃあまたウインナー・ソーセージの方に戻って……蓋を取って水分を飛ばしていきましょう」
「了解です!」
「後は軽く焼き目がついたら完成です!」
「おおー! ……なんというか、思っていたよりも簡単でびっくりしましたよ……」
「ふふふ……」
目を丸くしているレベッカの隣で、ヒルダが穏やかに笑っていた。




