レベッカ、ヒルダを探す
レベッカが目を覚ましたのは、ヒルダが寝室を出ていってから一時間程が経過した後だった。
目覚めたレベッカは隣で寝ているはずのヒルダがいない事に焦り、着替えもそのままに寝室を飛び出していき、ヒルダの行方を急いで探して始めたのである。
「……むにゃむにゃ……むぅ~……くあぁぁ……う~、おはようございます、ヒルダ様……うん……? あ、あれ……? ヒルダ様? え!? あれ!? ヒ、ヒルダ様!? ヒルダ様、どこですか!? ……返事が無い……? これは、急いで探さないと!! ヒルダ様! ヒルダ様、どこですか!?」
「……あら、おはようございます、レベッカさん。朝早くから元気ですねぇ」
「ヒルダ様! ……え? まだ、家にいた……?」
「え? ええ、いた、といいますか、ずっといましたけど……?」
「……そ、そうですか……あたしはてっきり、ヒルダ様があたしを寝かせたままダンジョンにいってしまったのか、と思ってしまいまして……」
「……ぷっ……あはははっ! 私がそんな昨日決めた予定とまったく違う行動をするわけないじゃないですか」
「は、はあ……」
「もし仮に予定と違う行動をするのなら、きちんとレベッカさんに話してから行動しますよ」
「……それなら、まあ、安心ですね……」
探し当てたヒルダから、予定を変えるならしっかり話してから変える、このように言われたレベッカは複雑な表情で頷いていった。
そんなレベッカにヒルダが、ちょうど起こしに行こうと思っていたから助かった、と満面の笑顔で話していく。
このヒルダの言葉にレベッカは首を傾げながら、何かあったのか? と尋ねていった。
「ふふ……それよりも、レベッカさんが自主的に起きてきてくれて助かりましたよ。ちょうど起こしに行こうと思っていたところですから」
「……え? ちょうど起こしにいこうと思っていた……? 何か、良くない事があったんですか?」
「いえいえ、そうではありません」
「うん? それならどうして……?」
「ちょうど朝食を作り終えたところでしてね、温かいうちに食べた方が良いだろうと思いまして……」
「ああ、それであたしを起こしにこようとしていたと。なるほどなるほど……」
ヒルダの言動が理解出来たレベッカが何度か頷いていく。
そんなレベッカの仕草を見たヒルダがレベッカに、それならそろそろ朝食にしよう、と声を掛ける。
「ええ、その通りです。というわけですから、レベッカさん?」
「あ、はい、ヒルダ様」
「先程も言いましたが、まだ朝食が温かいうちに食べてしまいませんか?」
「そうですね、そうしましょう」
「はい。ではどうぞ、レベッカさん」
「はい、ヒルダ様!」
嬉しそうに笑いながら歩いていくヒルダの後を、レベッカも笑顔で追いかけていった。
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