2017年に観た映画104本とベスト10&more……
久方ぶりの~♪ ということで、2017年に観た映画104本とベスト10と年間の総合No.1を発表するゼッ。いつもと口調(?)が違うのは面倒だからだ、悪しからず。作品名はすべて羅列してるヨ。なお、前回の「映画鑑賞履歴1月~4月」に詳細が記してある作品もあるので、参照されたし。
ではいってみよう~
※以下リバイバル(リ)、ドキュメンタリー(ド)
1月
私の少女時代/こころに剣士を/湯を沸かすほどの熱い愛/家族はつらいよ(リ)/アルジェの戦い(リ)/エデンの東/ダイヤルMを廻せ!(リ)/カサブランカ(リ)/理由なき反抗 (リ)/とうもろこしの島
2月
みかんの丘/カードキャプターさくら(リ)/奇跡の人 (リ)/この世界の片隅に/未来を花束にして/SMOKE スモーク(リ)/沈黙―サイレンス―/ぼくは明日、昨日のきみとデートする/アラバマ物語 (リ)/ミス・シェパードをお手本に/クレイマー、クレイマー(リ)/バナナの逆襲1話、2話/スノーデン
3月
クワイ河に虹をかけた男 (リ)(ド)/土竜の唄 香港狂騒曲/東京ウィンドオーケストラ/愛と哀しみの果て(リ)/天使のいる図書館/君の名は。/破門 ふたりのヤクビョーガミ/恋妻家宮本/The Net 網に囚われた男/リップヴァンウィンクルの花嫁 (リ)/ラ・ラ・ランド/浮雲 (リ)/相棒Ⅳ/ラビング 愛という名前のふたり/彼らが本気で編むときは、/雨の日は会えない、晴れた日は君を想う
4月
わたしは、ダニエル・ブレイク/しゃぼん玉/3月のライオン 前編/チア☆ダン/抗い(ド)/SING シング/母 小林多喜二の母の物語
5月
裏窓 (リ)/ショーシャンクの空に(リ)/午後8時の訪問者/追憶/名探偵コナン2017
6月
帝一の國/イヴの総て(リ)/美女と野獣/人生タクシー/夜空はいつでも最高密度の青色だ/娘よ/美しい星/牛古嶺街少年殺人事件
7月
追憶/タレンタイム~優しい歌/突然炎のごとく(リ)/家族はつらいよ2/ちょっと今から仕事やめてくる/グット・ウィル・ハンティング(リ)/セールスマン/汚れたミルク あるセールスマンの告発/郵便配達は二度ベルを鳴らす(リ)
8月
若者のすべて(リ)/麗しのサブリナ(リ)/家族の肖像 (リ)/PARKS パークス/昼下がりの情事 (リ)/残像/彼女の人生は間違いじゃない
9月
銀魂/マイビューティフルガーデン/夜明けの祈り/ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣 (ド)/ショコラ 君がいて、僕がいる/幼な子われらに生まれ/トリュフォーの思春期 (リ)/泥の河 (リ)/パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち(ド)/ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女/ワンダーウーマン
10月
三度目の殺人/ドリーム/天国と地獄 (リ)/あゝ荒野 前篇
11月
野良犬 (リ)/ナミヤ雑貨店の奇蹟/近松物語 (リ)/君の膵臓をたべたい/エルネスト/人生フルーツ(ド)
12月
ブレードランナー2049/ラストレシピ/ミックス。/オリエント急行殺人事件/否定と肯定/南瓜とマヨネーズ
【フィクション部門の良作】
私の少女時代/こころに剣士を/湯を沸かすほどの熱い愛/とうもろこしの島/みかんの丘/未来を花束にして/ぼくは明日、昨日のきみとデートする/スノーデン/天使のいる図書館/恋妻家宮本/The Net 網に囚われた男/ラ・ラ・ランド/ラビング 愛という名前のふたり/彼らが本気で編むときは、/わたしは、ダニエル・ブレイク/しゃぼん玉/午後8時の訪問者/追憶/人生タクシー/夜空はいつでも最高密度の青色だ/娘よ/美しい星/家族はつらいよ2/セールスマン/残像/夜明けの祈り/幼な子われらに生まれ/ワンダーウーマン/三度目の殺人/ドリーム/ミックス。/否定と肯定/南瓜とマヨネーズ
【ドキュメンタリー部門の良作】
バナナの逆襲1話、2話/クワイ河に虹をかけた男/抗い/ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣/人生フルーツ
ここで番外編!
【とにかくお気に入りの作品】
私の少女時代/天使のいる図書館/ぼくは明日、昨日のきみとデートする/PARKS パークス/夜空はいつでも最高密度の青色だ/南瓜とマヨネーズ
『私の少女時代』以外は邦画なり。これは台湾映画。笑って泣けるお勧め作品の一つ。上記の作品はどれも大好き。特に『天使のいる図書館』がお気に入りである。
【全然面白くなかった作品(笑)】
パリ・オペラ座 夢を継ぐ者たち(ド)/ラストレシピ/オリエント急行殺人事件
【最優秀主演女優賞】
『幼な子われらに生まれ』田中麗奈さん
文句なしに素晴らしかった。個人的には、田中麗奈さん史上No.1だと思う。デビュー作『がんばっていきまっしょい』もよかった。
【クソ映画オブ・ザ・イヤー】
『君の膵臓をたべたい』
何も共感できるものがなかった。登場人物やストーリーの運びなどすべてが不自然。高校生が親の承諾なしにヒル○ンホテルになんか泊まれるのか? そして男の感傷のために女性が加害される作品にはウンザリ。ラストが決定打となって栄えあるクソ映画オブザイヤーに選ばれた(笑)
さて、いよいよベスト10の発表~
【2017年ベスト10】
とうもろこしの島/みかんの丘/わたしは、ダニエル・ブレイク/The Net 網に囚われた男/追憶/セールスマン/残像/夜明けの祈り/ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣 (ド)/南瓜とマヨネーズ
ランク付けを試みたが、泣く泣く断念した。
『とうもろこしの島』はジョージア、ドイツなどの合作。『みかんの丘』はエストニア、ジョージアの合作。東欧や北欧の映画はほとんど観たことがなかったが『こころに剣士を』とともに優れた作品だった。戦争がいかに愚かしいかということを突き付けられる作品だった。
『わたしは、ダニエル・ブレイク』/『残像』
人間には尊厳があり、それが奪われたとき、人は社会的な死を宣告を受ける。そして間もなく肉体的な死に至る。肉体と精神は両輪で、精神的な死はほとんど人間的な死を意味する。誰も彼もがこの世に等しく生を受け名のある個人なのだということが胸に刺さる作品だった。
『追憶』
邦画の中では2017年度のNo.1かな。さすが木村大作という映像美。往年の日本映画を彷彿とさせる。「篤くんは忘れていいんだよ。誰かが憶えていればいいんだから」という意味のセリフが別の人物によって2回登場するのだが、それがとても効果的。岡田准一さんはじめ、俳優陣も皆よかった。
【年間No.1(総合)】
泥の河 (リ)(1981年制作)
104本を総合した中でのNo.1は小栗康平監督デビュー作であり、作家宮本輝の処女作でもある『泥の河』
昭和30年の大阪・土佐堀川を舞台に子どもたちの交流を情感豊かに描いた傑作。母親が身体を売って生計を立て、学校にも行けず舟で暮らしている銀子と喜一という幼い姉弟に、ある日お好み焼き屋の子ども信雄が出会う。三人は仲よく遊び、信雄の両親とも交流するが、喜一のある行動により、信雄との別れは決定的なものとなる。
「誰のせいにもしない」という子どものひたむきな純粋さが、とても辛く痛い作品。戦後10年という時代、「もはや戦後ではない」という華やかで力強い言葉が紙面に躍る。しかし置き去りにされ、時代に取り残される人々の複雑な思い、「こんなことなら戦争で死んだ方がよかった」というあまりに悲痛な慟哭が汲まれることはない。拠り所を探して触れたものも呆気なく瓦解してしまう。無数の沈黙が葬られてきたという告発が重く、しかし少年時代の軌跡が残酷なまでに眩しい作品だった。
カラーの時代に敢えてモノクロで撮ったという、今となってはもう二度と作ることのできないような映画である。原作もとてもいいので、気になる方は読んでみてネ。
ここで、またちょっと番外を。
【個人的にお勧めしたい作品】
牛古嶺街少年殺人事件(1991年)
台湾の名匠エドワード・ヤン監督作品。なんとこの映画、236分もある(!)観ている間は確かに長い(笑)長いんだけれど、鑑賞後の圧倒的な余韻が忘れられない。台北で初めて起こった少年による少女殺害事件をモチーフにした作品。徹底して写実的に撮られており、伝説の傑作と名高いのも頷ける。1960年代初頭の台北が舞台。中国本土の生活を知らない世代の高校生たちとその親たちとの隔世、停滞し何も変わらぬ社会に本土から移住してきた親たちの不満は鬱積し、子ども達もなんとなくそれを感じている。少年・小四はある日、少女・小明と出会い恋心を抱く。みんな離れていくと嘆く小明に、「この世界は僕が照らしてみせる」と約束する小四だったが……。
特につながりはなくても何気ないシーンが印象的で、のちに起こる悲劇を回想したとき、鮮烈に甦ってくる。某膵臓映画と違うのは、当時の台湾社会を克明に描き出し、突発的に起こったであろう悲劇を解明しようとしたところ。どこに行ってもはけ口のない不満が一番弱いものへと向けられ、それでもなお人々の生活は続いていくというある意味での残酷さを映している。今後いつ機会がめぐってくるかは不明だが、是非劇場で観ていただきたい作品。
それと、紹介はしなかったものの鑑賞したリバイバル作品はどれも秀作・傑作ぞろいだったので少しでも興味があれば是非ご覧あれ。
それでは以上! アデュー!