表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブの聖女に転生したのですが、18禁BLの主人公を私が癒してもよろしいのですか?  作者: 矢間カオル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/52

43話 儚い夢

仕事を終え、私が自室でくつろいでいたら、何やら家の中が騒がしくなった。


いったい何事かしら……? なんて思っていたら、侍女のショコラが、すっごく慌てた顔で部屋に入って来た。


「お、お嬢様、た、たいへんです。王太子殿下が……」

ショコラが言いかけている最中に、シューク様が部屋に入って来た。


「シュ、シューク様!?」


「エクレーヌ、緊急事態だ。マントを持って今すぐ俺の部屋に来て欲しい。クリードの命がかかっている!」


「えっ? クリード様が? いったいどうして?」


「話は後で。急いで馬車に乗って欲しい」


いつも冷静なシューク様が、こんなに慌てるなんて……。

よっぽど、クリード様は大変なことになっているのだわ。


私はマントを掴んで、シューク様と一緒に家を出た。


馬車の中で、シューク様はとても辛そうな顔をしている。

こんなシューク様の顔は、初めて見る。

やはり、クリード様のことが心配でたまらないのね。


クリード様は今、シューク様の部屋にいる。


噂の中のクリード様は私のことで、夜にシューク様の部屋に入ったのも私だけなのだと思っていたけれど……


本当は違ったのだわ。クリード様も夜に……。


だから噂は、毎晩夜な夜なって囁かれるようになっていたのね。


原作からずいぶんと変わってしまったから、もしかしたらシューク様も私のことを……なんて思ったこともあったけれど……


それは儚い夢だった……。


王太子という身分でありながら、自ら私を呼びに来るなんて……

それだけ、クリード様への愛が深いと言うことなのね。


ああ、クリード様、シューク様、ごめんなさい。

こんな緊急事態なのに、私は自己中なことを考えてしまいました。

私の心がチクリと痛んだ。




馬車を降りたら、私は見えない場所でクリード様に変装し、シューク様と一緒に彼の部屋に急いだ。


寝室の中に入ると……

ベッドの上で、胸を押さえて苦しんいるクリード様がいた。


手の甲には、つる草の文様が浮き出ている。


「クリード、エクレーヌを連れてきた。今から治療を始めてもらうぞ」

シューク様の必死の思いが伝わって来る。


「クリード様、しっかりしてください。今から治療を始めます」


竜の呪いは、手には手を、口には口を……。

それはシューク様を治療する際に学んだ。


だから私は、クリード様の手を握った。


治れ治れ治れ……私は念じて、強い神聖力をクリード様の手に流した。


「ん?」

シューク様の時と違う……これは……?

クリード様の鼻血を治したときと、同じ感覚。


神聖力を注ぎ込もうとしても、押し返されて、流れを邪魔されている感じ。


でも、私の神聖力の力の方が強いから、押し返してねじ込んだ。


―終りました―

私の身体が終りを告げた。


「終わりました」


クリード様の手の甲の文様は消え、それと同時に苦痛も消えた。

いつもの爽やかなイケメンの顔に戻った。


「聖女様、ありがとう。あなたが来てくれて本当に良かった」


「いえ、私はやれることをしたまでです。クリード様が助かって本当に良かったです。でも……、これって本当に竜の呪いですか? シューク様のときとは違うのですが……」


私の言葉を聞いて、二人とも目を丸くして驚いていた。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ