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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第58話

(*´ω`*)おぱようございみゃふ!

 第二層も順調に踏破し続けるクート。戦闘は全てクートが担っている。第一層のモンスターよりも手強いEランクモンスター相手であるが、危なげ無く倒せている。しかし⋯


「ショコラ、其れ止めて」

「で、でもぉ〜キュート君が怪我したら私ぃ〜」


 クートの背後からバックアタックをしようとしてる敵をショコラが潰してしまうのだ。クートはDランクモンスターの心臓を四つも喰らった事で総魔力が底上げされていた。パッシブスキルである感知系スキルも精度が上がっている。肉体強度は余り変わっていないので、其れこそファングボアの一撃が鳩尾にでも決まれば致命傷と成る。しかし感知能力の上がった今のクートなら目を瞑っていても大抵の攻撃は躱せる。逆に身体能力に全振りしたレナの必殺の一撃とかだと、来るのが解っていても避けられないかも知れない。回避は神だが防御は紙。其れが今のクートである。なのでモンスターにいくら囲まれ様と、相手は連携すらまともに取れない烏合の衆。クートの敵では無いのだ。


「まぁ此処のモンスター、倒してもつまんないから別に良いけど⋯」


 Eランクの魔石が手に入るので、第一層で入手した小粒の魔石をスリングで投擲するクート。勿論其れで決定打に成りはしないが、怯んだ敵をウルミでバチバチと叩く。


「此れでEなのか?レナと戦ったデスファングボアのが強かった気がする」


 此処のダンジョンモンスターより、地上に居るモンスターの方が手強い。ゴブリンですら人間を狩る為の知恵や工夫を凝らしているのだから。勿論其れで油断するつもりは無い。が、第二層までに出て来るモンスターは実に歯応えが無いのも事実。


「あれ?もう十階?」

「正確には地下二十階だね」

「ああ、うん」


 普通に地下二十階まで到達する三人。第二層出発から半日も経っていないだろう。


「町を出てから丸二日って所か」

「移動を除いてほどんど戦い続けてる君のスタミナは何なんだい?」

「そんな事言われても⋯」


 モンスター食等と云う頭のおかしな事をする前から、クートのスタミナはあり余っていた。


「流石に休もう。邪魔するよ」

「どうぞ。お疲れ様です。フラッペ中級魔法士。ショコラ上級魔法士」


 ボスフロア前のキャンプ地で食事と仮眠を取る事にする。常駐していたのは中年男性の魔法士達だった。


(戦闘能力は無さそうだな⋯)


 腹は弛み筋肉が無い。勿論其れで全て判断は出来ないが。そう言えば途中の階でも他の魔法士と遭遇したりした。あの魔法士達もそんなに強そうではなかった。多分だが、ライザやドリー、カモミールの方が強いだろう。あの三人は今のクートよりもずっと強い筈である。


(あんな感じでもダンジョン潜れるのか。まぁ此のダンジョン、かなり易しいもんな)


 途中で出会った魔法士達は、モンスターをひたすら殺戮するクートと其れを後方で見守るフラッペとショコラの謎フォーメーションを見て、かなりドン引きしていた。中年男性一人と若い男女。中年男性が上級魔法士で、若い方は弟子とか教え子だろう。中級⋯は無いだろう。下級か初級の魔法士だと思われる。


「途中で会ったあの人達は⋯」

「モンスター避けの魔道具を使ってる筈だよ。えーと、なんとか上級魔法士と其の愛弟子達だ」

「成る程」


 フラッペが他人に興味無いだけかも知れないが、クートも町の冒険者全員と知り合いでもない。


「モンスター避けの魔道具ね」


 魔法や魔道具を使ってこその魔法士である。真正面からザクザク殺してるクート達が異質なのだ。其れでも快くクートを迎え入れてくれたキャンプ地の魔法士達には感謝した。作って貰った食事は美味しかった。そうして英気を養い、階層ボスフロアへ突入する。体感的には三日目だ。階段を昇って帰還するなら往復約一週間。契約期間満了だろう。此れが今回の冒険の最後の戦い。


「出たな」

「ブラックファングボア」

「Dランクモンスターですねぇ〜」


 デスファングボアをもう一回り大きくした様な個体である。全身の毛は真っ黒であり、針金の様に鋭く尖っている。ゴブリンナイトとかと同じDランクだが、此れ一体しか出現しないと云う事は―――


「ぐあっ!?」

(強いっ!)


 間髪入れずに突進され、クートは大きく弾かれる。


「正面から力比べか。無茶をする」


 フラッペが呆れる。クートは回避を行わずに敢えて正面から受けたのが解ったからだ。チョッパーと手斧の二刀流でガードしバックステップしたのでダメージは無いが、派手に転がされる。クートはゴロゴロ転がりながら体勢を立て直し起き上がる。ブラックファングボアは追撃して来なかった。どうやらフラッペとショコラを警戒してるらしい。やはり第一層の六体よりも知性が有る。手斧は受け身を取ってる最中に手離した。チョッパーを両手で握る。


「心配すんな。お前を殺るのは俺だけだ」

(強者は其処に居るだけで影響を与える。敵へは警戒心。俺には油断と慢心)


 フラッペやショコラが居るから正面から力比べ等と云う馬鹿な真似をしてしまった。本当に単騎なら危なくてそんな事は出来ない筈だ。


(諦めろ。正攻法では勝てない―――)


 クートが口元を拭う。血が出ていた。歯で頬の内側を切った様だ。血を飲み込む。苦い味がした。


「へっ⋯俺の弱点を突いて来やがるな」


 クートは多対一の戦闘に慣れている。やや強いDランクモンスター六体よりも、強いDランクモンスター一体の方が相性が悪い。実際今正面からぶつかったのも無策から来た物ではない。Dランクモンスター四体を喰った今の自分なら尋常ならざるパワーを発揮出来る⋯かも、と期待したからだ。無理だったが。


「パワータイプなの、絶対ショコラの所為だよね」

「ギクリィ〜」


 ショコラが過保護にプチプチとモンスターを圧殺していた事も、此の第二層のボスモンスターのスペックに影響を与えているのだろう。手数で翻弄するクートみたいなタイプには、頑丈で固い奴のが天敵だ。


「つまり、ショコラやフラッペに戦わせた方が俺は強いボスと戦える?」

「ふふふ、私とは違う方向にイカれてるな、君は」


 フラッペがくつくつと笑う。


「ブラックファングボアの黒い毛並みは鋼の様に硬く、頑丈だぞ」

「そうだな。痛かった。身に沁みたよ」


 手斧やチョッパーが通じなかったと云う事は、ウルミも鋼糸もチャクラムも通じない。勿論魔石スリングショットも。現状の装備とクートの腕力ではブラックファングボアにダメージを与えられても決定打は無理だろう。其れでも長時間の泥死合をするなら結局クートが勝つ。ならばもう少し無茶をしてみよう。


「ならレナの時と一緒だな」

「レナァ?誰ぇ其の女ぁ〜〜〜?」


 クートはショコラの呟きを無視してチョッパーを手放す。素手となり身構える。


「ブラックファングボアと格闘かい」

「まさか」


 クートが笑う。不敵な笑みだ。


「魔法で片を付けるさ」

「ほぉ?」

「ブゴォォォォォォォォォッ!」


 フラッペやショコラが戦闘に参加しないと判断したのだろう。ブラックファングボアが雄叫びを上げ、クートに向かって突進して来たのだった。

(*´ω`*)お読み頂き有り難う御座いみゃす!

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