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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第16話

(*´ω`*)魔石は石油みたいな物なので食べようと云う発想は『今は』無いです。魔石を食べてパワーアップ!は、ガソリン飲んで車並みに走れるぜ!みたいな感じ。

「此れが女か」


 朝焼けが差し込む見慣れぬ部屋でクートが起きる。横を向けば昨夜知り合ったばかりの見慣れぬ女が自身の腕枕で寝息を立てていた。


「確かに此れは良いな」


 冒険者達が娼婦に嵌まるのも解ると云うもの。命の遣り取りで種の保存の本能が刺激され子作りをしたくなる。只そうそう都合良く相手も居なかったり、無計画に子作りするものでもない。ならば金を払ってプロに処理して貰う訳だ。


(ルカと会わなくて良かったな)


 昨日の状態でルカと会ったら、避妊等考えずに抱き潰してしまったろう。

 シャロンは避妊薬を飲んでたので妊娠する心配もかなり減っていた。なので昨夜は大いに行為に及んだ。

 クートの本能が子孫を遺せと緊急信号を発していたのだろう。結局避妊してる矛盾を除けば、何度もシャロンを抱いてたくさんシたらスッキリした。

 昂りも大分治まっている。


「有り難う」


 クートは感謝を込めてキスをする。かなり乱暴に抱いたがシャロンは全て受け入れてくれた。最後の方は意識を失ったシャロンをひたすら抱いていた。


(やはりルカじゃ無理だったな)


 処女喪失したばかりのルカはまだ成長期。昨夜の様に乱暴に抱いたら直ぐにダウンしてしまったろう。


(カヤルさんも無しだな)


 冒険者ギルドの受付嬢はやはり手を出せない。何かトラブった時に仕事がし難くなる。


「コラ」

「ふぁい?」


 何時の間にか目覚めていたシャロンが胡乱な眼差しで睨んで来ていた。頬も痛い。抓られ引っ張られている。


「他の女の事考えてるでしょ?」

「ほふぇんふぁふぁい」


 クートは素直に謝った。


「⋯⋯⋯ふーん、食材鑑定ねー凄いね」

「凄くはないよ」


 ベッドの中でイチャイチャしながら身の上話をする。お互い実家を飛び出して町に来た事を知り、親近感が湧いていた。


「スキル鑑定はしないの?」

「する気無いよ」


 クートとしては勿体無いと思わなくもないが、スキル鑑定士でも居なければ己のスキル等解らない。余程の才能が無い限り、一般人は己のスキルに興味は出ないのだろう。


「もしも戦闘職とか魔法職でも、今更生き方は変えられないしね。例え剣術の適性が有るって言われても戦い方なんか知らないし、知りたくもないよ」


 シャロンの話も解らなくはない。客観的に見ても自分は冒険者と云うか、戦闘に向いている。シャロンのお陰で衝動は治まったが、気持ちは変わらない。早くクエストを受けてもっとたくさん殺したい。


(此れは性分なんだろうな)


 しかし戦闘職であるルカは少々不向きだ。優し過ぎる。ゴブリンの一件でも解る。あの時ルカが目を狙えばゴブリンの目を潰せた。その後石で滅多打ちにすれば殺せた筈だ。それが出来なかった。ルカは向いていない。冒険者と云うか、殺し合いに。


「お礼がしたいんだけど」

「お金は嫌だよ。言ったろ、私は娼婦じゃない」


 決して娼婦を卑下してる訳ではないが、其処まで堕ちて溜まるかと云う意思で今頑張って生きているのだ。クートとはお互い合意の上での事だ。確かにかなり乱暴だったし気も失った。それでも助けてくれた事も有るし、ヤった後もつれない訳でなくかなり優しかった。お礼をされる筋合いは無い。 


「解ってるし、違うよ」

(⋯娼婦代わりはNGね。OK)


 クートは弁明する。クートとしてもシャロンの気持ちは解るが、シャロンのお陰でスッキリしたのは本当に感謝をしている。あのままでは下手をすればレンダやリコ母娘にも手を出したり、誰彼構わず喧嘩を吹っかけていたかも知れない。


(⋯クエストの後は定期的に女抱いた方が良いな⋯)


 戦いへの飢え、血への飢えが止まらなくなる。


「お腹が減ったから食事にしよう。御馳走させてよ」

「まぁそれなら」


 お昼ご飯を御馳走する事で話が付いた。

 

「取り敢えず体洗おっか」

「そうだね。公衆浴場開いてるかな?」


 二人共汗だくだったし、考えてみればクートは一週間草原でサーチアンドデストロイを続けていたのだ。

 体臭が酷い事になっている。


「シャワー有るよ」

「シャワー?」


 驚いた。故郷の実家よりも手狭な部屋だが此処は繁華街の集合住宅。有ってもおかしくはない。

 シャロンとクートは浴室に入る。流石に狭い。シャロンは魔道具と魔石を用意する。


(魔石か⋯)


 属性付与の加工済み魔石をシャロンが魔道具に嵌める。

 水の魔石⋯恐らく水属性モンスターの魔石。

 火の魔石⋯恐らく火属性モンスターの魔石。

 ゴブリンやオークにも一応は個体ごとに属性が有る。

 クートが狩り殺さずに、例えば魔物を操れる魔法使いが上手く調教し、根気良く教え続け人間並みの知能を獲得出来れば⋯かなり可能性は低いが⋯魔法を使える様になったろう。

 そうした時に使える魔法が本来の属性に偏る。

 火山帯に棲息するモンスターや水場に棲息するモンスターは、特別な条件でもなければほぼそのまま火属性水属性である。

 シャロンがシャワーを起動するとお湯が頭から降り注いで来る。

 

「あったかい」

「お湯だからね。もしかして初めて?」

「うん。気持ち良いね、此れ」

「ほら、洗ってあげる」


 石鹸も有る様だ。繁華街の踊り子なら当然⋯な訳が無いと流石に気付く。


(⋯⋯⋯実は良い所の子なんじゃ?)


 お金は稼げる様になったがクートにはシャワーを浴びたいとか石鹸を使いたいとかの発想が無い。

 踊り子なら身綺麗にしないとならないのかも知れないが、所作に気品を感じる時が有る。


(貴族⋯は無いかな?)


 流石に貴族は無いだろう。だが田舎から町へ出て来たクートとは反対に、もっと都会からやって来たのかも知れない。


(いや、詮索は止めよう)

「ほら、じっとしてて。お姉さんに任せて」


 洗い慣れていないクートをシャロンが面倒を見る。狭い浴室内、背中にピッタリくっついて前に手を回して体を洗ってくれている。


「当たってるんだけど?」

「当ててんの」


 シャロンの手が下半身に伸びる。


「んっ」


 無理矢理振り返り唇を合わせる。


(背はまだ伸びそうね。男の子だし)


 今は同じぐらいの背丈だが、クートは未だ成長期である。

 そうして結局もう一回戦する事になるクートとシャロン。その後は服を来て飲食店に行く。化粧を落とし、普段着に着替えたシャロンはかなり若く見えた。クートとそこまで離れていないだろう。


「⋯今回だけだからね?」

「シャワー代だよ」

「なら良いけど⋯。今回だけね」

(前に何か有ったのかな?)


 シャロンは奢られる⋯施されるのを極端に嫌っている。今回だけはなんとか奢らせてくれた。シャワー初体験はかなり気持ち良かったし面白かったので、クートとしても有り難い。


(⋯多分さっきのシャワーで俺が今回稼いだ分は使ったんじゃないのかな?)


 クートは錬金術師や魔石加工師、魔道具技師ではない。どのぐらいの使用量、利用金額になっているかは正確には解らない。


「たくさん食べるんだね」


 香辛料たっぷりの肉をあっという間に平らげたクートに目を丸くするシャロン。


「一週間碌な物食べてなかったから。身体も洗ってなかったよ」

「確かにちょっと匂ったよね。あー私は冒険者は無理だなぁ。戦闘職や魔法職って言われても無理。シャワーの有る生活は捨てられないよ」


 楽しく雑談しながら食事をする。他愛無い内容だったが楽しかった。お互いに安らいだ表情で時が過ぎる。


「またね」

「うん」


 名残惜しい気もするが別れる。お互いに生活が有る。シャロンはもう一眠りして夕方から出勤だ。クートは取り敢えず数日は休むつもりだ。装備も新調したい。


「何か武器を増やそうかな?」


 クートが宿屋へ向かってトコトコ歩いていると⋯


「クートっ!」

「クー兄っ!」

「げはっ!?」


 腹と背中に衝撃を受ける。敵意や殺意には敏感になっているクートだが、それ以外の感情⋯好意に依るアクションには回避行動が遅れる。


「くんくんくん」


 リコはクートのお腹を嗅ぎまくる。


「くんくんくん」


 ルカはクートの首筋を嗅ぎまくる。

 二人に抱き着かれ同時に鼻を押し付けられるクート。


「良い匂い⋯どうしたの?」


 ルカの質問にドキリとする。ルカとは正式に付き合っていない。なので此れは浮気ではない⋯が、無意識にシャロンの事は伏せてしまう。


「血と汗で凄い事になってたからね。公衆浴場に行ってたんだ」


 するりと嘘が出た。基本的に馬鹿正直で素直なクートであるが、この時は本能的に嘘を吐けた。

 家族に隠れてこっそり冒険者になる為の旅立ちを計画してた時並みに平然と出た。


「ふーん」

「綺麗好きなんだね」


 石鹸を使ったのでシャロンの香水の匂いやその他諸々の匂いも消せている筈である。多分。話題を逸らそう。


「てゆーか二人共何時の間に仲良くなった⋯てか、知り合ったの?」

「クートが行方不明の間」

「クー兄が居なくなってる間」

「ご心配お掛けしました」


 クートが素直に謝ると、二人は顔を見合わせてる。アイコンタクトで会話されるとクートとしてはドキドキしてしまう。


「違う良い匂いもする」


 ギクリとする。シャロンはシャワー後は香水を付けていない筈だが⋯


「なんだかお腹空いてくる匂い⋯」

「肉食べて来たから。お腹空いちゃって」


 ホッとしながら弁明する。嘘ではない。香辛料を使った贅沢な肉料理をガツガツ食べていた。


「まぁ良いや」

「うん」


 二人共一旦離れて、改めて笑顔で言って来る。


「お帰り。クート」

「お帰りなさい、クー兄」


 クートも笑顔で応える。


「ただいま」


 そう笑顔で返したクートの心は⋯すでに新たな殺戮を求め始めていたのであった。


(*´ω`*)作劇の都合上シャワー出しちゃった。只物凄いコストが掛かるので超高級最新マンションとか貴族の豪邸ぐらいにしかないです。

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