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魔食晩餐〜最弱スキル食材鑑定でダンジョンサバイバル〜  作者: 猫屋犬彦
序章

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第8話 初モンスター討伐クエスト

(*´∀`*)初モンスター討伐クエスト!

「モンスター討伐、ですか?」

「はいっ!お願いしますっ!」

「嘘吐き」

「え?」

「嘘吐き。モンスター討伐はまだしないって⋯」

「えぇ?でも少し鍛えましたし。装備も新調しましたし⋯」

「危ない」

「そりゃ冒険者ですし」


 クートはじっとりと睨んで来るカヤルに戸惑いながらも初めてのモンスター討伐クエストを受注する。

 先ずは手堅くゴブリン討伐である。


「ゴブリン何処かな?」


 モンスター討伐クエストには大まかに二種類有る。


「ゴブリンゴブリンゴブリン」


 一つは指定されたモンスターを指定された数倒し、その魔石を回収する。俗に討伐クエストと云えばこちらを指す。


「ゴブリンゴブリンゴブリンゴブリン」


 もう一つは固有モンスターの討伐だ。此方はネームドやユニーク個体と呼ばれる通常より強いモンスターの討伐である。レア度が高ければ魔石回収のみで大丈夫だが、突然変異の低レアモンスターとかの場合、特定する為に角や牙や頭等、別途提出が必要になる。


「ゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリンゴブリン」


 森に入ったクートは奥へ進む。ゴブリンの生息地等知らない。故郷でも戦った事は無い。遠目に見かけた事は有る。緑色の体色。人間の子供程の身長。太い木の枝から削り出しただけの棍棒を持ち、申し訳程度の腰蓑を巻いている。


「ギギィッ!」


 そう、丁度こんな見た目で―――


「居た」

 

 クートが駆け出す。目の前の獲物に。


「ギィィィッ!」


 ゴブリンが棍棒を振り回す。


「遅い」


 感謝。ただ感謝を抱く。彼の心を満たすのは恐怖や興奮ではない。

 師匠から教わった⋯と云うか身体に教えられたものが活きている。


「見える」

  

 師匠の動きとは比べるべくも無い。無駄な動きに丸分かりの攻撃動作。

 クートはゴブリンの正面から体重を乗せて体当たりする。

 ナイフがゴブリンの腹に深く刺さる。


「ギィアアアッ!?」


 ゴブリンが暴れる。爪がクートの顔を掠る。クートは気にせずにナイフの刀身を全て突き刺すと、地面に転がる棍棒を拾う。

 マウントポジションとなったまま棍棒で殴る。


「ギョッ!?」


 ボコボコと殴り続ける内にゴブリンが動かなくなる。


「ゴブリンは群れを作る」

「ギィィィィッ!」

「ギィーッ!」


 威嚇しながら近付いて来る他のゴブリン達。

 クートは棍棒を両手で握る。師匠から教わった剣術だ。剣術スキルが無くとも剣は振るえる。剣でなくて棍棒だけど。


「必要な魔石は」

「ギァッ!?」


 大上段で振り下ろした棍棒がゴブリンの頭を割る。

 悶え苦しむゴブリンの胸を蹴り飛ばす。


「十個」

「ギィエエェェッ!」


 ゴブリンが三体同時にやって来た。

 クートは反転して逃げ出す。

 三体同時は危険である。

 きっと敗ける。殺される。


「ギィッ!」

「ギギィッ!?」


 逃げ出したクートを追いかけるか迷うゴブリン達。

 クートを追い出す者。殺された仲間の荷物を物色する者。

 薬草採取クエストにダッシュで向かい速攻で終わらせダッシュで戻る生活は、クートの肺活量とスタミナを鍛えていた。

 ゴブリン程度では追い付けない。


「危険だと思ったら迷わず逃げる」


 自分が弱いのは解っていたが、師匠にボコボコにされて身の程は思い知らされている。見た目は自分よりも小さいのに師匠の拳は重くて痛い。師匠を投げようとしても大木の様に微動だにしない。拳は当たらず掠りもしない。試しに殴ってみろと本気で殴ったら拳が砕けるかと思った。


「はっ!はっ!はっ!」


 クートはある程度走ってから振り返る。


「ギィッ!ギィッ!ギィッ!」

「三個目」


 クートは一番足の早かったゴブリンに向かって行く。逃げる人間を追い掛けるのに夢中になっていたゴブリンは、息も絶え絶えになっていた。こんなに疲れて追い付いても仕方無いのに。やはりモンスターか。


「四個目」


 三匹目のゴブリンを棍棒で殴り殺した後、その個体の持っていた棍棒を拾う。棍棒二刀流だ。師匠からは二刀流の手解きも受けた。得物が棍棒なので格好は付かないが。


「五個目」


 今度は引き返す。

 クートを追うのを途中で諦め、背を向けていたゴブリンの後頭部を殴る。一発で死ななかったら二度三度と殴る。


「六個、七個、八個、九個―――」


 クートの顔や服が返り血に染まっていく。


「十個⋯」

「ギィッ!」

「ギィィィッ!」


 ノルマは達成した。しかし倒したゴブリンから魔石を回収する為には心臓部まで解体しないとならない。


「余剰分の魔石も買い取ってくれるんだっけ?」


 クートはいつの間にか折れていた棍棒の先端を、自身を取り囲むゴブリン達に向ける。もう一本は何処かに行ってしまっていた。


(まぁいい。どうでもいい)


 クートは懐に手を入れ、今まで取っておいた新品のナイフを取り出す。少し値が張ったが切れ味は抜群だ。


「頼む死んでくれ」

 

 息は上がっていない。

 腕の力も下がっていない。

 武器もまだ有る。

 まだ、戦える―――


「俺の為に」


 まだ、いっぱい、殺せる。

(*´∀`*)パーティーを組むと云う発想が無いクート君。

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― 新着の感想 ―
協力してくれたり案じてくれる人がいるくらい出会いには恵まれてるけど、知識周りが全然足りてない感じかな
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