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人生の日記  作者: 甲斐宗運


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第1章誕生〜幼少期

幼少期

この頃が子供の頃の記憶では

1番幸せだったかもしれない。

1992年6月

有名な漁師町に漁師の父と看護師の母の間に僕は産まれた。


兄が2人、姉が1人の4番目

どこにでもいる普通の家庭


昔から父は毎日のように酒を飲んでは

飲み屋で喧嘩して帰ってくる人だった

僕が2歳か3歳か、記憶は曖昧だけど

家に帰ってきて母に暴力を振るっている父

断片的な記憶だけど覚えている。



僕が3歳の頃母が3つ上の姉と7つ上の兄を連れて

母の実家に引っ越した。

父が仕事で数ヶ月留守にしてる間だった

幼い僕には理由なんてわからない

ただ父は漁師で

何ヶ月も帰ってこないなんて当たり前で

ただ家が変わっただけぐらいに思っていたと思う。

数ヶ月後父が帰ってきたタイミングで

母は僕を連れて父の家に向かった

父に会った母がなんて言ったのかはわからない

ただ僕はリビングで家にあったトランプで1人で遊んでいた

ふと顔を上げて母を見ると

服を着ていない母の上に父が覆い被さっていた

それも幼い僕には何をしてるかなんてわからない

怒鳴ってるわけでも、殴られてるわけでもない

ただ父と母が裸で何かをしてるだけ

そんなことより目の前のトランプに集中した


少しすると母に「帰るよ」って言われて

もうすこし遊びたいのを我慢してトランプを片付け

父の家を出た


駅に向かっている途中

僕は母に聞いた「今日もお家で寝ないの?」

母は僕を見ないで言った

「お父さんと一緒にいたい?お母さんとはいられないけど」

「お母さんといられないのはやだ」

そんな会話だったと思う

その後のことは覚えていない


その数十日後

母が

「お父さんのとこ行くけど一緒に行く?」って聞いた

兄と姉は行かないって

でも僕は行きたいと答えた

少しするとタクシーで父が迎えにきて

3人でご飯を食べた

会話は少ないけどその時間は楽しかったと思う

その後またタクシーに乗って海沿いを走っていた

タクシーがついた場所は

青いライトに照らされた海の前の崖の上に立つ建物だった

覚えているのは

中に入ると薄暗くて怖くて

青い電気とピンクの電気にベッドがあった

ベッドの上で遊んで

色んなとこのドアを開けてたら

青い電気のついた何個も扉のついた箱の中に

飲み物や、お菓子

見慣れないものが入ったものを見つけた

大好きなスポーツ飲料を見つけた僕は

母にこれのみたいと言った

父がその箱にお金を入れて

「これで好きなもん買っていいからそこで大人しくしてろ」

それだけ言って父は服を脱いだ

僕は欲しいジュースのボタンを押した

ボタンを押すと扉が開いてジュースを取ることができた

楽しくなって食べたいお菓子のボタンも押して

それでもボタンが光っていたから

色んなボタンを押して

扉を開けて遊んでいた

少しすると

ベッドの方から母の声が聞こえて

振り返ると裸の母が父の上に乗っていた

そんなことより

ボタン1つで欲しいものが貰える魔法の箱に

夢中な僕は箱にお菓子を並べてドアを

閉めたり開けたりして遊んでいた

2回目以降はボタン押さなくても開くから

すぐに飽きて

気づいたら眠っていた


起きたら朝で

おじいちゃんの家だった

リビングに行くと母がいて

「お父さんは?」と僕は母に聞いた

母は僕を見て「昨日のことはおじいちゃん達には秘密ね」

僕は頷いた


お母さんと2人だけの秘密

他の兄弟の知らない秘密

ただ純粋に嬉しかった



そこから月日が流れ

5歳になり幼稚園に行くことになって

どんなところなのかもわからない

それに極度に人見知りの僕は

幼稚園に行くのが嫌だった

初めての幼稚園の朝

大泣きしながら行きたくないと

暴れてた僕をみた

ひいおばあちゃんが

(僕はいのばあちゃんと呼んでいた)


「バスまで一緒に行ってやるからいくぞ」って言ってくれて

いのばあちゃんが大好きだった僕はベソをかきながら渋々とついていった。

いのばあちゃんは乳母車を押しながらバスまで一緒に行ってくれた。

幼稚園が終わりバスに乗って帰ると

いのばあちゃんは

毎日乳母車に座って

僕の降りる場所で待ってくれていた

一緒に乳母車を押して家に帰る

帰るといのばあちゃんはオロナミンCを飲ませてくれた

それがすごく美味しくて

毎日の楽しみだった。

そのあともお決まりでいのばあちゃんと

相撲を観るか、3チャンネルをみるかで

喧嘩をした。

本当は3チャン観たいけど

いのばあちゃんと観る相撲も

すごい幸せだった。

優しいいのばあちゃん

雨の日でもカッパを着て待ってくれた

いのばあちゃん

大好きだった

いのばあちゃん

幸せは長くは続かない。


年長さんになって少しして

いのばあちゃんは天国へいった

朝一緒に幼稚園のバスを待ってくれたのに

幼稚園から帰ってくると

いのばあちゃんがいなかった

代わりに母が待っていた

今から病院に行くから

それだけ言ってタクシーで病院に向かった。

いのばあちゃんは眠っていた。

みんな泣いていた。

なんで泣いているのかわからないけど

みんなが泣いてるから

僕も悲しくなって泣いた。

お葬式の日

人の死がなんなのかわからない僕は

親戚の持っている、おもちゃの銃が欲しくて

いのばあちゃんを探していた。

どこにもいなくて

おじいちゃんにいのばあちゃんがどこにいるか聞いた

「僕もあのおもちゃの銃が欲しいから

いのばあちゃんどこにいるの?」

おじいちゃんは泣いていた。

おばあちゃんが来て

「ひいおばあちゃんは天国に行ったからもういないの、

あの銃はばあちゃんが後で買ってあげるからあそこの椅子でちょっと待ってて」

天国がなんなのかなんとなくしかわからない僕は

銃が買って貰えることが嬉しかった。


次の日の朝幼稚園に行くのに

いのばあちゃんがいなかった

なんでだろうって

帰って来ても

いのばあちゃんが待ってなかった

家に入ってもいなかった

夕方になってもいのばあちゃんは帰ってこない

相撲始まるのに

相撲観ないのかな

なんて考えて

3チャンネル観れるなって


そんな日が続くと

死ぬってことがなんなのか

もう会えなくなるってことって

わかって悲しくなって

いのばあちゃんを思い出して

相撲をつけてみたりした。

つまらないからすぐ3チャンネルに変えるけど



数ヶ月後

僕の小学校入学もあり、

母と兄、姉、僕は

小学校の近くの市営住宅に引っ越す事になった

兄の通う中学校と姉が通っている小学校は隣で今までは兄が一緒に姉と登校してたけど

僕も通うのに兄が大変だからってことらしい。


じいちゃん達も少し小さい家に引っ越すらしい

いのばあちゃんも

僕達もいないからこんなに部屋があっても仕方ないって。



小学校不安だな。





第1章 完


第2章小学生に続く








第2章

小学生になった僕

母の再婚

弟誕生。

そして…


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