VSセセラギ
すいません遅れました。これ書いてる今も熱あります!チックショウ!
『あ゛ぁ゛! そっちじゃない! そこ右!次左!』
セセラギは体の主導権を奪われてから、それ奪い返そうとするわけではなく、もっちり観戦していた。
『めったにない機会だからな。いつもはその場での対応にせいいっぱいだし。』
だが、本人にとってはそこまで収穫のあるものではなかったようだ。
(いつもは赫弥の速さ翻弄させられていたが、改めてみるとその速さを維持するために、常に足場を意識してる...そのせいでせっかくできた隙をかなりの確率で逃してる...遠距離攻撃アイツ持ってないからなー)
実際セセラギの言う通り赫弥はこれといった遠距離攻撃は『虚空波拳』以外全くと言っていいほどないのだ。赫弥は魔力の放出が苦手だったこともあり『加速』による肉弾戦を鍛え、壁や天井を縦横無尽に駆け回りながら相手を切り刻む戦法をメインに戦略を広げた。しかしそれは弾幕の数で相手を圧倒するセセラギのような戦い方の相手には非常に不利な戦略だ。
『...勝てなさそうだったら出てきてやるか。その間はじっくり観戦だ。』
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.........
みたいなこと考えてるんだろうなぁアイツ...これでもこっちは必死だってのに...
とはいえ、攻撃が全体的に単調になってきたから最初よりはよけやすいんだけどね。それにしょっぱなのあのパンチ、何気なく打ったんだろうけど、アレのおかげでいいのができそうなんだよ♪
「...やっぱり持久戦に持ち込まれると魔力の消費量が気になってくるな。」
アイツも弱点に気づき始めたな。そろそろ腕の数が減ってきて近距離戦に持ち込めそうだ。そしてオレは短剣を一本、セセラギに投げつけた。アイツはもちろん顔面直前でつかんだが、これのおかげで隙ができた。一気に距離を詰め首筋を狙って刃を振り下ろしたが、生身の腕で受け止められてしまった。
「普通そこは防御術式だろぉ...!」
「それこそ隙ができるからね。それに僕が手に握っている【零の双刃】の片割れには...」
そこまで言いかけるとセセラギが握っていた短剣がオレの片手に一瞬で戻ってきた。
「防御術式の完全破壊と譲渡不可の術式が編み込まれている。」
この短期間で術式の観察までしてるのかよ!?
「ったくよォ...初見だと思ってたのに...」
「初見殺しに頼ってちゃぁ、まだ二流だよねぇ?違うかな?」
カッチーン!勝手に二流扱いしやがって!そんなこと言えるのも今のうちだよ!
「それなら一番に未完成の攻撃を見せるのも二流のやることかい?」
「?」
オレは腕をクロスさせ短剣に魔力を込めた。
「お前が最初に見せてくれたあのパンチ、お前の場合は呪腕を拳にまとわせて攻撃力の強化に充てた。だが、それを遠距離攻撃として飛ばすことができたら?」
「...?!まさか!」
「...もうおせぇよ。【バーティカルアーツ】」
そしてオレは二本の短剣を振り下ろした。次の瞬間、ドカーンと派手な音を立てて、セセラギの体が吹っ飛び真後ろの壁に激突した。
「ちょ、ちょっと!大丈夫なの?」
心配して紅月と天闇が、セセラギのもとに駆け寄ってきた。
「峰打ちだ。さすがに出力も抑えたし大そうなけがはしてないはずだよ。」
オレもセセラギのもとに歩み寄りながらそう話した。セセラギは壁にめり込みぐったりとして気絶している。抑えたとはいえさすがにやりすぎたか?
「まぁ、ともかくいったん医務室に運ぼう。」
「そうだな。あぁ、俺が担ごう。さすがに疲れたろう?」
そういって天闇がセセラギを担いだ。
「おう。ほんじゃ頼むわ。」
「まったく...アンタ達すぐ熱くなって...」
そんな話をしながらオレたちは医務室へ向かった。
.........
............
「今日はなんて文句言われるのか...」
「毎日のように通ってればそりゃ文句も言われるわよ。」
「逆にお前らケガしなさすぎだろ...」
「お前がはしゃぎすぎなだけだな!」
それもそうなんだけどさぁ...ここまでしっかり注意されると言い返せないな...
なんて考えていると医務室のすぐ目の前まで来ていた。
「まぁたキミたちかい?ケガするだけ得なんてないだぞ?」
扉を開けようとすると背後から声をかけられた。俺たちが一番お世話になっている先生、白崎雪乃先生だ。ちなみに朝のアナウンスはこの先生だ。
「そりゃまあ知ってますけど...」
なんて話をしながら医務室に一緒に入った。まあ中は...普通の医務室だな。
「「「白崎先生!僕とt...」」」
「あーはいはいそういうのいいから診察の邪魔。」
室内がいっぱいになるほどの一年の人数だ。そう、この先生死ぬほど男子生徒に好かれているのだ。整った顔立ち、滑らかな白い肌、白銀に輝く髪、ヒーラーとしてのその温厚ながらもユーモアのある性格、正直夢見る1年どもに好かれないわけがないのだ。なぜ一年と断定したかって?そりゃまあさっきの反応視てもらえばわかるように、こういう取り巻きどもには塩対応を決め込んでいるからだ。二年三年になっても夢を見続けるやつもいるけどな...
「まったく...ほんとに面倒な奴だと帰る時まで張り付いてくるからなぁ...今年はそういうのないといいんだけど...」
なんてことを取り巻きどもを扉の向こうに押し込みながら話していた。
「大変そうっすねぇ。」
「他人事みたく行ってくれるじゃないか。ほぼ毎日ここに通ってくるキミたちもこういっちゃあれだが結構面倒なんだからな?」
「ァ、ハイ...」
おっしゃる通りで。毎回毎回お世話になってるだけあってオレだってしっかり反省はしている。まあ反省するんだったらまず模擬戦の回数を減らせと言われそうだが...
「んで今日もどうせ模擬戦でセセラギ君にケガさせちゃったんだろう?見せて?」
言われるがまま天闇はセセラギをベッドに横たわらせた。
次の瞬間には
「左右鎖骨から肋骨にかけての打撲...ってやりすぎだよこれは!何やってんだい!」
「あ、あれれ~?」
と状態をすぐさま診断している。相変わらずの解析スキルの精度と速度だな。
というかそこまでやるつまりは全くなかったんだけどな...今度使うときは気を付けよう。
「まったく...回復魔法欠けておくけどしばらくは起きないぞ?どうする起きるまで待ってやるのか?」
「オレは少し用事があるので先に帰らせてもらいます。二人は?」
「薄情ねぇ...私は残るわ。」
「俺もそうしようと思う。」
薄情とは失礼な。いや事実か?
「了解。じゃ失礼しました。」
そういってオレは医務室を後にした。
赫)今回パッとしねぇな...
黒)さすがに風邪だから...許してちょ




