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第二話 初めての依頼

第二話更新!

今後ともイセバカ(この作品の略称)を宜しくお願いします!

無事、冒険者登録を終えた俺は

現在、依頼を受注するため、クエストボードの

前に立ち、依頼内容を見ている。

ちなみに、Fランクでも受けられる依頼が

めちゃくちゃ多すぎて迷っている。

流石、冒険者にとっての宝の山と言われるだけのこと

はある。


「薬草10本の採取 報酬95ゴールド………

うーん………報酬額は良いんだけどな…………。」


薬草の採取依頼。報酬は申し分ないが、

正直、薬草の知識の欠片も無い俺がこの依頼を

受けるのはあまりにも無謀だと思った俺は、

仕方なく、この依頼をスルーした。


「街の公衆トイレの清掃 報酬30ゴールド………

なるほどな、こういう街の外に行かなくて済む

依頼は安全な代わりに報酬が少ないという事か。」


街の雑用系の依頼。安全なのは良いことだが、

報酬が少ないんじゃ意味がない。だが、訳あって 討伐や採取とかの依頼に行けない場合にお世話になるかもしれない。

勿論、俺は万全の状態なので、この依頼もスルーだ。


「他には…………………ん?」


その時、俺の視界にとある一つの依頼が目に入った。

依頼内容はFランクでも受注可能なゴブリン5体の

討伐依頼だった。

報酬はFランクの依頼の中では破格の120ゴールド。

この依頼を見つけた。俺は……


「これだ!」


と、俺はその依頼書をクエストボードから

引っ剥がし、そのままカウンターの方へ持っていくのであった。








「よーし!武具と道具はこんなもんかな!」


ゴブリン討伐の依頼を受注した後、

俺は武器などを揃えるため、様々な店を廻った。

購入したものはこんな感じ。


  •片刃のロングソード 95ゴールド

  •革製の胸当て 80ゴールド

  •ヒールポーション 5個 500ゴールド

  •キュアポーション 3個 405ゴールド

  •解体用ナイフ 60ゴールド


武器と防具、解体用ナイフは冒険者の必需品だ。

これが無きゃ冒険者とは呼べない。

だが、ポーションが思った以上に高かった。

ヒールポーション1個で100ゴールド、

キュアポーション1個で135ゴールドだ。

おかげでポーション代だけで905ゴールド

掛かってしまった。

これで転生直後に買った衣服と今回買ったものの

代金をアリシア様から貰ったお金から差し引くと

残り675ゴールドだ。

とはいえ、これで準備は整った。

いよいよ、依頼現場である『ゴブゴブ森林』へ向かうため、俺は街の門番にギルドカードを見せて門を抜けた。

ゴブゴブ森林とは、迷宮都市レギオンの南東に位置する森林だ。

名前の由来は、この森林は、数多くのゴブリンが住み着いていることが理由だという。

ゴブリンが数多く住み着いているということは、

ゴブリン達がスタンピードを起こ可能性があるということだ。

そのため、冒険者ギルドは、そこに住み着いたゴブリン達がスタンピードを起こさないように、定期的に冒険者達に討伐依頼を出しているらしい。

Fランクでも受けられる依頼なのに報酬が高額なのはこれが理由なのだという。

ちなみに、モンスターにもランクがF〜Sまで存在していて、俺が討伐に向かうゴブリンのランクは最低ランクのFランクだ。









「うわあ……薄暗い森だな………。」


ゴブゴブ森林に到着した俺は、

薄暗い森を見て寒気を感じながら、森の中へ進む。


「うえ……凄い異臭だな……ゴブリンの体臭か?」


森の中に入ってしばらく進むと、

森の奥からとんでもない異臭が漂ってきた

恐らく、ゴブリンが大量に住み着いていることが、原因だろう。

異世界ラノベだと、ゴブリンの体臭は異常なほど臭いという表現が多い。

多分、この世界でも同じなのだろう。

そんな異臭に苦しみながら森の中を進んで行くと…………


「ギャッ!ギャッ!」


「お、遂にお出ましか……!」


俺の前に、緑色の小柄なオッサンのような小人が現れた。ゴブリンだ。

俺はゴブリンの姿を確認すると、剣を鞘から抜き、構える。


「さあ……行くぞッ!!」


俺は勢いよくゴブリンへと向かって走り、

その手に持った剣でゴブリン斬りつける。


「ギギャァァァア!?」


ザシュッ!という音と共に、斬りつけたゴブリンの傷口から血が吹き出す。

しかし、それでもゴブリンはまだ生きている。

腐ってもモンスター、強い生命力だ。

だが、最初の一撃でゴブリンが怯んだのを、

俺は見逃さなかった。

俺はすぐさまそ隙を突き、返しの一撃でゴブリンの首を跳ね飛ばした。


「よし、倒せた!普段から鍛えといて良かったぜ!だけど………」


モンスターの初討伐に喜びを示した後、

俺は首を跳ね飛ばしたゴブリンの胴体の元へ駆け寄る。


「うへぇ……倒したのは良いんだけど、見てて気持ち良いもんじゃねぇなこれ………。」


そう言いながらも、俺は袋から解体用ナイフを取り出し、ゴブリンの心臓のあたりを切り開いて、

そこに手を突っ込んだ。


「うひぃ……気持ち悪ぃ……。それにくさい………おえッ………。」


あまり触り心地の良くない感触とゴブリンの体臭のダブルパワーで吐きそうになりながらも、

俺はゴブリンの体内を探り続ける。すると……


「……!!……あった!!」


俺はゴブリンの体内にあったものを指で掴み、

引き抜くように取り出した。

それは、青く輝く小さ宝石だった。


「これが『魔石』か、結構綺麗なんだな。」


『魔石』、それはモンスターの体内ので採取する事ができる魔力を貯蔵し、それを増幅させて放出する事ができる宝石の総称だ。

魔石は、主に魔道具と呼ばれる魔力をエネルギーに稼働する道具のコアに使われている。

更に、魔石にはモンスターと同じくランクが様々で、モンスターが強ければ強いほど、そのランクは高くなっていく。

勿論、ランクが高ければ、貯蔵できる魔力も多くなり、魔力の増幅効率も良くなる。

たが、俺が倒したゴブリンの魔石はFランクで、

使われるとしても、これを粉々にして、主に魔力で育つ特別な薬草の肥料にしか使われないため、価値は低い。

ちなみに、討伐依頼では討伐した証拠としてそのモンスターの魔石を指定した数提出する事で依頼が達成されるぞ。


「さ、この調子で残り4体を倒すぞ〜!」


ゴブリンを倒したことで、調子に乗った俺は、

自信満々に森の奥へと進む。








「ギィィィィィイヤァァァァァァァァアア!!!?」


「「「「 ギャッ!ギャッ!ギャッ! 」」」」


そして、4体のゴブリンの群れに襲われたのであった。


「ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ!!?

4体同時は流石にマズイって!?この数を相手に

したら絶対に死ぬから!マズイマズイマズイ!!」


「「「「 ギャッ!ギャッ!ギャッ! 」」」」


「ヒィィィィィヤァァァァァァアアッ!!!

来ないでェェェェェェェッ!!!!

神様ァッ!!アリシア様ァッ!!どうかお助けをォォォォォッ!!!!」


たが、そんな俺の願いは届かず………


「ゲェッ!!?嘘だろォ!!!?」


俺の目の前に岩壁がむき出しの崖があった。

行き止まりだ。

俺は岩壁の前で止まり、ゴブリン達の方へ向き直る。


「「「「 ギャヒヒヒヒヒ! 」」」」


ゴブリン達は行き止まりで追い詰められた俺を嘲笑うかのようにニヤついている。

それを感じ取った俺は、脳内でカチンッ!という効果音がなったと思うぐらい苛ついた。


「あんにゃろ……!調子に乗りやがってェ…………!!」


先程まで自分も調子に乗ってただろう。

とツッコミをかます者は誰もいないが、

とりあえず俺はゴブリン達の挑発にまんまと

乗っかってしまった。そして………


「いいぜ………そのケンカ買ったるわァッ!!

全員まとめてかかっこいやァァァァァァァァッ!!」


俺とゴブリン達の1対4のデスマッチが始まるのであった。








「はあ……はあ……はあ……どうだ……やってやったぞ………!」


結果、デスマッチを制したのは俺だったが、

そのおかげで、ヒールポーションを全て使い果たしてしまった。

それに、気づいた俺は………


(何か、金銭的に損した気がする…………。)








その後、残り4体のゴブリンの魔石を回収した俺は、レギオンの冒険者ギルドへ戻り、カウンターで

依頼書とゴブリンの魔石5個を提出して依頼を達成し報酬を受け取り、他の冒険者からおすすめされた

宿へ向かって歩いていた。


「はあ……依頼は達成できたけど、酷い目にあった………更には金銭的にも損したし………。あ〜あ……こうなるんだったら、仲間の一人や二人を引き入れてパーティー作れば良かったな…………はあ……明日、誰か勧誘してみるか……………。もう二度と一人で依頼なんて受けない………。」


今回の依頼で一人で依頼を受ける危険を知った俺は、仲間を引き入れてパーティを作ることを決心したのであった。







「すみません、宿を取りたいんですが………どうしました?」


「…………お客さん……とりあえずその臭いを何とかしてくれないかね………。」


「あ…………。」


服にゴブリンの臭いが染み付いたせいで

宿の主人にあからさまに嫌な顔をされてしまった。

今日はとにかく不幸だと、俺は心で嘆いた。








お読みいただきありがとうございます!

面白いと感じたら、是非とも高評価をお願いします!


ちなみに、イセバカの世界ではパン一つで3ゴールドとなっています。

分かりづらい金銭表現ですみません!(汗)

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