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私立調査班  作者: ふりまじん


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3/7

ほうじ茶


焙じ茶とは、緑茶の茶葉をもう1段階深く炒って作られます。

基本的に、緑茶としてはランクが下がる部分を使って作られます。しかし、焙煎の仕方で香ばしく味わい深いお茶にもなるのです。


踊って叫んで、ストレスと体力を使った作者に苺大福を共に差し出します。

作者はそれを嬉しそうに、そして、少し皮肉を込めて

「いいの?」

と、私を見てから少し嫌味な、可愛らしいおちょぼ口で苺大福を口にした。そして、ゆっくりとほうじ茶を飲むと、話始める。


「それにしても、なんであの話って、こうも面倒なことになあるんだろう?まさか、ガチで熊浦候補がリアルワールドで見つかるとはね。」

と、作者は宮本常一について話し始めた。


宮本常一

彼は柳田國男の本を読んで感化され、民族学を目指した。

山口県の生まれで、大阪の師範学校に進学していた。

民族学を学び出したのは1930年代です。


「ねえ、宮本先生って、1933年に雑誌を出版してるみたいなんだよね。この辺りから、なんか、作家関係との繋がりが出来た可能性があるんだよね。あああああっ、調べたいわ。すごーく調べたい(T_T)

でも、そんな時間は私にはないわ。年度末で、その上、『幽霊作家』時代小説で放置のまま、もう直ぐ一年経っちゃうんだもん。ああ。もう、また、イベントに挑戦できるのは楽しいけれど、春の時代イベントには出せないのよっ。だって、あのイベント、タイムトラベルはNGなんだもん。」

作者は泣いた。まあ、仕方がありません。WEB小説の時代物の流行は現代からタイムトラベルするもので、それを認めると、それ以外の本格時代劇が埋もれてしまうのです。その為、春のイベントでは、タイムトラベルを禁止しているのです。

「そうですね。でも、なんとか結末はつけないと、第二部にはいけませんよ。」

私はため息つく。

実は、去年の春の時代イベントで『幽霊作家』をエントリーしたのです。大正時代の物語も時代劇として許されるのです。そして、ここでの結末はしっかりとありました。

この作品は、その前の秋の時代ロマンのイベントに投稿するために作られました。その時は、『悪霊』の登場人物の考察で終わる予定で、期限を1日間違えて、ラストを書かないまま放置していたのでした。

それを、誤字などを直し、加筆して春のイベントに投稿しようとしたのです。

この時点では問題はありませんでした。

一万字程度の、熊浦という登場人物の考察という短編の予定でしたから。タイムスリップの入る隙間はなかったのです。

が、春のイベントで加筆しているうちに、主人公の文月という人物が、ガチで『悪霊』の犯人を探そうとして、話が混乱してくるのです。

結局、作者はタイムスリップの結末に流れる話に混乱して、イベントの禁止要項にあたるために完結できずにいたのでした。

イベントが終わり、問題がなくなってから1部の完結をして、ここからホラーのジャンルでの2部を予定していたのです。でも、うまくゆかないまま、現在に至るのです。

「本当に忌々しいわ。でも、気になるわ。もう。辛い。

ああ、こんな時、私の代わりに調べてくれる人、現れたらいいのに!そんな調査班欲しいわよね?

それに、そういうのになりたい人もいるとは思うのよ。だって、個人で調べるのには限界があるし、肩書きが欲しい時あるもん。貴重な資料を見せてもらったり、取材とかするときは、何某か肩書きが欲しいところなんだもん。そんな話、考えようかな?ほら、私立探偵だって、小説からメジャーになった職業じゃない?

私立調査班ってのもあってもいいと思うのよ。小説に書いたら、なんか、人気が出て、そんな人が出て来たらいいのに。」

作者はそういって、苺大福を食べ終わるとほうじ茶をゆっくりと飲み干した。

「まあ、それで人気が出ることがありましたら、商業作家になった貴女が必要経費で探偵を雇えばよろしいと思いますよ。」

私の言葉に、作者は渋い顔をしながらほうじ茶のおかわりをした。

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