邂逅
「誰もいない・・・・・?」
回りを見回すが少なくとも人がいるとは思えなかった
頂上だけあって見通しはよかったし、遮蔽物になるような物もない
なにより気配を感じないのだ
「いや、いるぜ・・・・・」
「はい、あの時と同じでしす」
どうやらゾディアックの気配がわかるアスカとヤヨイにはライブラの気配を感じ取れているようだ
「いるんだろ?出てこいよ!」
アスカが叫ぶとそれに応えるかのように脳内に直接響くような声がした
『汝ら、双星の祝福を受けしものと牛星の祝福を受けしものか・・・・・・ならば今、汝らに問おう。汝らの力は誰がために?尚、この問いには偽りは許されない』
(これが・・・・アスカ達の受けた問い・・・・)
それならばアスカ達の答えはおかしなものではなかったはずである
なのに、アスカたちは力の一部を奪われたと言っていた・・・・・・ということは・・・・
「これってもしかして・・・・・?アスカ!ヤヨイ!」
二人に警告しようと後ろを振り返るがいつの間にか二人ともその場にはいなかった
『さぁ、答えよ・・・・・・汝の力は誰がためにある?』
「それは・・・・・・!」
私が答えると見えないはずのライブラが少し微笑んだような気がした
『汝の力に祝福のあらんことを』
そのライブラの声が聞こえた途端に視界が暗転する
「はっ!」
目を覚ますと心配そうにこちらを覗きこむピスカさんと、何やらよくわからない生物と目が合う
「んん?」
「ピィ?」
「よかった、無事だったんですね」
ピスカさんがホッと息をつく
「あのー?何があったんですか?あの謎のひよこのような生物は?」
とりあえず聞きたいことを一通り聞いてみることにした
「実は・・・・・」
ピスカさんがしてくれた話によると、アスカが最後に叫んだ瞬間に私たちは三人とも糸の切れた操り人形のように倒れ、何をしても起きなかったそうだ
とりあえずスターツさんたちを召喚して安全そうな場所へと運ぶことはできたのだが、一向に目を覚まさない私たちにどうにかできないかとあたふたしていると
いきなり、私が持っていた卵(出会ったときにピスカさんがくれたものである)が孵化し、中からこの生物が生まれた
ということらしい
もしかして、これがライブラの言っていた『祝福』なのだろうか?
私はいまだに起きないアスカとヤヨイを見ながらそんなことを考えていた




