魔王城にてその2
アクエリアス視点
「そうか・・・・・お前までやられたか・・・・・・」
タウラスと並ぶ私の前には魔王様がいた
「どうやら順調に強くなっていってる様子ですな。ヒカリどのも前戦ったときとは違う強さを身に付けていました」
前回私が殺られたときはヒカリどのはどこか焦っていた
まぁ、それもそうだろう勇者としてのパートナーである兄の攻撃は私の液化能力の前には無力で私を倒せるのはヒカリ殿しかいなかったのだから
しかし、今回のヒカリ殿には自分がやらなきゃいけないという焦りは全くなかった
今回は私を倒しうるパートナーがいたからだと言うのは簡単だし、それも理由の一つではあるだろう
だが、おそらく一番の原因は・・・・・
「自らの全てを預けることができるほどの信頼・・・・・か」
あの二人は知らなかったようだが絆の指輪の力で魔力の受け渡しまで可能とするには最早友情や仲間感情というレベルなど生ぬるいほどの絆をお互いに持っていなくてはならない
しかもそれをいとも簡単に行っていたということは・・・・・・
「あの二人・・・・・付き合ってるですかねー」
私も魔属とはいえそういう話に興味が無いわけではない
っていうかあのレベルの信頼なんて普通結婚してお互いの全てをさらけ出した後の夫婦でさえ持っているかどうか怪しい
あの二人もうやることやってるんじゃないだろうか?
「あら?どうかしましたか?魔王様?」
先程からこちらに何か問いかけたいご様子
「あぁ、ヒカリ殿の事が気になってるんですね。大丈夫ですよ。幸せそうでしたし」
その言葉に余計にそわそわしだす魔王様
「なぁ、一度そのヒカリと一緒にいるやつの顔見に行っても良いか?」
「ダメですな」
「ダメに決まってるじゃありませんか」
何を言い出すかと思えば
人の近くにいるだけで何らかの負の感情を抱かせてしまう私たちの長である魔王様が・・・・・
そこまで考えて私は重大なことに気づく
「タウラス、一つ質問があるんですが・・・・」
「ん?」
「あの子、あなたに初めて会ったときに恐怖してましたか?」
タウラスと私、そしてジェミニ
その4人(ジェミニは二人で一組のため)は人に近づくだけで恐怖を与えてしまう
そんな魔力を持っていた
しかし、私の記憶によれば恐怖の感情を表していたのは・・・・・
「そういえばヒカリ殿は俺の恐怖をもろに受けてたみたいだが小僧の方は・・・・・少し小突くまでは恐怖とかは全く感じてなかったみたいに感じるぞ?」
そう、おかしいのだ
確かにヒカリ殿は恐怖を感じていた
しかし、一緒にいた子は私を見て恐怖よりも先に敵意をみなぎらせていた
「ほぉ、面白そうだな」
魔王様が笑う
なぜならようやく自分ときちんと話ができる人が現れたかもしれないのだから
今回の話で魔王の正体に気づいてしまった方も多くいるかと思いますが一応このパートは後々必要な伏線などもはっているので見逃していただければありがたいです




