2章1話「おー、本当にデカいですなー」
タグに『巨乳』を追加しておきました。
これで閲覧者が増えると良いんですけれど……。
エルフの森、マウクエ。
そこに出てくる大鹿の魔物、イガルロイによってマクウエは危機的状況に陥っているらしい。
他クラスにも関わらず、入って来た明るい色の髪がこげ茶色の紐によって両端でツインテールのようにくくられているディオルー・セレネオスが大きな胸(Eカップとの事)を見せつけながら、そんな学生業の事を言ってくる。
「どう? これ、単位がデカいのよ? なんと12!」
「おー、本当にデカいですなー」
と、体勢を低くして胸を見上げるように言ったアスクム・フレイアトがそう言っていた。後でちゃんとアスクムはディオルーに殴られていた。
「ほぉー、確かに12はデカいな。4人以上って事が少しひっかかるけれど」
と、肩の辺りまで伸びる黒髪の中肉中背の僕、レンラ・バルトレンジはそう言う。
学生業の単位は大きい物も確かにある。けれども、そう言った物は大抵複数人での戦闘が決まっていて、その単位を人数で割るのである。
この場合、単位12で4人制だから、1人の単位は3になる。まぁ、だから5人とかの単位は1人あたり2.4になるのだけれども。
「単位が大きいミッションは、それ故に危険性も高くなったり、やる事も困難になったりしちゃいますからね」
と、ウエーブがかかった黒い髪と、元気そうな瞳を持つ整った顔立ちのヤヤ・ヒュプオンがそう言う。
って言うか、なんか前より彼女のアプローチが多くなった気がするけれど、気のせいだろう。
うん、気のせいと信じたい。
「さぁ、レンラ! 一緒にやりましょ!」
「ディオルー、そうは言うけどさ」
いや、正直だるそうだから断りたいんだけど。別に単位3くらいならば、ゆっくりと地道になんかのミッションで稼ぐのだけれども。
「そうだぜ、レンラ。遠出系の多人数ミッションって、なんかキャンプみたいで面白そうじゃないか!」
「……アスクム、絶対に面白がってるだろ」
こいつのこの様子、面白がってるとしか思えない。何気に笑顔だし、何か企んでるな、こいつ。
「いやいや、ここは僕に任せてくれたまえ。最高のミッション……いや、キャンプにして差し上げましょう。うふふふふ……」
「アスクム、それは完全に悪役の台詞だ」
「じゃあね、後は任せてね! それじゃあ!」
そう言って、アスクムは職員室に向かって行ってしまった。
恐らく、僕達の分も出しに行ってしまったんだろう。これで出ないといけなくなってしまった。
「はぁ~、最悪だな」
「頑張ろうね、レンラ君!」
「強者が居ると良いわね、レンラ!」
何故にこの2人は、何気に乗り気なのだろう。まぁ、キャンプに行くのを嬉しく思うのは、なんとなく理解出来ない訳でも無いけれども。
とりあえず、アスクムが変なキャンプ企画を出さなければ良いんだけれども。
「これで良いですかね、ウラヌトリ策士」
僕、アサセノス・ナハルーパは準備を終えて、依頼者であるウラヌトリ・アテセ・ヤと言う女性を見ながらそう言う。
まぁ、ウラヌトリと言う女性はそれなりに僕好みの良い女性である。断じて恋人になれるとでも思わないけれども、いくら好みの女性だけれども恋人に成れる訳じゃないし。
肩より少し長いだけの黒髪も、その男のエロ心をくすぐる露出度高めのボンテージ服も、Hカップはありそうな巨乳も、大人な色っぽくて黒っぽい顔も、皆まとめて大好きだ!
最も、腕に巻いた子供っぽいピンクのスカーフと、頭に乗せた自己顕示欲丸出しの銀の王冠は、さすがに僕の好みじゃないけれど。
まぁ、そう言った駄目な面も持っているのも僕好みで最高だね。
と、話を戻そう。僕の名前は、アサセノス・ナハルーパ。どこにでも居る代行業の魔法使いだ。
代行業と言っても、やる事は大して多くはない。
同じ苗字の男に教会襲撃用のリザードマンを渡したり、騒ぎを大きくするためにステージの一部を脆く改造したりなんて、断じてしていない。
本当にしていない。勘違いしてもらっては困る。僕はそう言った事をする人間ではない。したのは僕の部下だ。だから、僕のせいじゃない。断じて違うのだ。
まぁ、只今は僕らしい仕事をするためにウラヌトリ策士の仕事をしている訳だが。
「……うーん。そうねー、良いんじゃない? 流石、噂の代行業屋さん♪
仕事が速くて助かるわ」
「いやー、それほどでもないさ。ウラヌトリ策士」
とか言いつつ、目線の先が腕で押しつぶされてさらに巨大さを増している胸を見ていたとは言えない。
実際は見ていたのだが、そこは必死に紳士スマイルでなんとか悟られないようにしている。いや、これくらい眼福が無いと、人生、やってはいけないよ。
「しっかし、驚いたわよ。まさかこんな魔法があるだなんて。しかも、そんな魔法を低賃金でやってくれるなんて、お得だわ♪」
「一応、こちらとしては結構大金だったりするのですけれども……」
うん、大金なはずだ。
だって、この金額を丸々使えば、都市の一等地に家が建てるくらいの値段なのだから。
「あらー♪ 安いわよ♪
だって、ここまでお膳立てしてもらって、たったそれだけって♪
アテセ、びっくりしちゃったわ♪」
「……そうですか」
喜んでもらえて、なによりだ。
しかも飛び跳ねてくれたので、胸が揺れて……うーん、なんとも言えん。
「じゃあ、こちらはこれにて失礼します」
「あら、もう帰っちゃうの? オネェさん、あなたみたいな子、好きだから襲っちゃおうかと思ったんだけど♪」
襲っ……! それはなんとも羨ま……、いやいや!?
意思を強く持て、アサセノス! ここで負けたら、襲った隙に金をとられるぞ!
「それはとても魅力的なお誘いではあるけれども、僕は仕事と私用を分けるタイプなんだ。だから、そのお誘いはまた後日」
「そう? 残念ね、また気が向いたらいつでも言ってね♪」
その前に、生きているかどうかが怪しいですけど。
「じゃあね、アサセノスちゃん!」
「またです、ウラヌトリ策士。”マウクエ襲撃”、頑張ってくださいね!」
そう言って、僕は帰って行った。
その後、どうなったかって? さぁね、僕には関係ない事さ。