獣王グラウディス
ザッザッザ
荒野を1人で進んでいると周囲に気配を感じた。
囲まれているな……だが逃げる必要はない。
「…………」
立ち止まると周囲にワラワラとモンスターが群がりだす。
翼の生えた悪魔のようなもの、小型の竜のようなもの、機械で出来た騎士のようなもの。
数は20を超えているだろうか。かなり高レベルのモンスター達だ。
「…………来い」
挑発と受け取ったのかモンスター達が一斉に攻撃をしかけてくる。
角からビームを出す者、口から火を吐くもの、剣から斬撃をとばすもの。
以前の俺ならばひとたまりもなかっただろう。だが今の俺には通用しない!
「硬運功……鎧骨格!」
ガキィン!
以前の俺は硬運功を使う時、体全身を硬くさせていた。
だがあれからレベル上げに明け暮れ、獲得したスキルポイントのほぼ全てを運気操作に費やした結果。
俺は体の表面の一部にだけ運気を集中する事によってアダマンタイトをも上回る防御力を得ていた。
「ぬぅぅぅぅん!」
体内に気を循環させ、圧力を膨張させる。膨れ上がるその力は鎧骨格により押しとどめられるが、やがて臨界点に達し……
「散れっ! 乱れ千糞桜!」
限界を超えた圧力によって鎧骨格が砕けて飛び散る!
形質変化によって極限まで切れ味を高められたその破片はモンスター達の装甲をたやすく貫通した。
「再結合!」
印を結んで体を戻す。周囲に立っているものはいなかった。
俺と……目の前のこの男以外には。
「手下どもが一撃か……お前が最近四天王を狩りまくってるクソ野郎で間違いねぇようだな」
2メートルを超す長身に服の上からでも隠しきれない強靭な体。そしてなにより溢れ出す闘気!
強い……この男は他の四天王とは格が違う。
「俺は獣王グラウディスってもんだ。一応四天王最強なんて呼ばれてる」
グラウディスと名乗った男はゴキゴキと首を鳴らした。
「名乗りな。ただのうんこじゃねぇんだろ?」
体内に気を循環させ、臨戦態勢をとる。
「おあいにくさま……ただの、うんこだ」
死闘が。始まる!




