表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
社畜魔王とクズ勇者  作者: 新増レン
第四章 「クズ勇者、自信をつける」
60/209

第四章2 『情報求む』

【2017年10月30日改稿。読みやすく改良致しました】

 


 勇者一行は、シュテム王国にて魔王の配下が侵略に向けた動きをしていることを知った。

 彼らはそれを止めるため、旅路の途中で出会った和服美女シュネーに案内されながら、ウィズダム古城跡を目指す。

 そして道中、彼らはシュテム王国の中心部に立ち寄っていた。




 戦士のエリカちゃん、魔法使いのモルちゃん、エリカちゃんと仲良くなった美人のシュネーさん。

 その三人と共に、僕はシュテム王国の中心部にやってきていた。

 ここはこれまでの町とは違う、城を中心とした城下町のようだ。活気もあり人も多い。そして何より、そびえたつ城が宿からも見える。

 そんな城下町の宿で一泊した翌朝、僕たちは宿の前に集合しており、人々から奇異の視線を集めていた。


「あのさ、エリカちゃん。これ目立ちすぎじゃね?」

「勇者なんだから目立つのは当然よ」


 いやぁ、そういうのではないよ?


 こんな宿の前でドンと構えてたら営業妨害ってやつじゃん。前世でホストだったから、こういうの詳しかったりするけどさぁ、店の前はヤバイよ。


「エリカちゃん、場所変えた方が……」


「黙りなさい。あんたに意見する権利はないのよ」


 辛辣。今日も変わりないようで、何よりです。

 ちなみに、僕はエリカちゃんに宿代や食事の面倒を見てもらっている。

 なので逆らえないのさ。はっはっは。


「……勇者、キモいわよ」


「エリカさん、今日はウィズダム古城に向けて出発です?」


 モルちゃんが挙手すると、エリカちゃんにしては珍しく首を横に振る。


「今日はとりあえず、噂の真相を確かめるわ」


「なるほど。それは得策ですよ」


 確かに。噂が本当に噂だけでしたって状況は、エリカちゃんがキレそうで怖い。

 それに僕も、無駄足は好きじゃないしな。


「僕も賛成!!」


「珍しく乗り気です? 勇者様」


「まあね」


 モルちゃんの疑うような視線を浴びながら、僕は一つの可能性を見出していた。

 そう、情報収集ということは全員でするには効率が悪いはず。――となれば。


「それじゃあ、今日は分担して情報収集しましょ。その方が効率もいいからね」


 まってましたよ、エリカちゃんのその言葉!!


 これは旅の中において一番のチャンスだ!!

 分担となれば、この楽しさに溢れ、若さがみなぎる町を堪能できる!!

 その間に情報もちょいちょいっと集めておけば怪しまれずに済み、エリカちゃんの鉄拳も喰らわずに済むってことだ!!


 シュバッ!!


 一世一代のチャンスに、僕は鋭く手を挙げた。


「じゃあ僕は一人で――」

「あんたはモルと一緒よ」


 ですよねー。先手打ちますよねー。


 ま、こうなることはわかってたっていうか?

 正直、エリカちゃんが僕を放し飼いにするはずないっていうか?

 なんかもう、色々とエリカちゃんやモルちゃんに行動パターン把握されすぎなんですよね。


「勇者様、よろしくですよ」


 計画が成就せず、開始もされなかった状況に心を痛めていると、モルちゃんがこちらを見上げていた。

 その顔は、無表情の中にもどこか楽しそうな雰囲気がある。


「……妙に張り切ってるね、モルちゃん」


「そうです。これは完全なデートです。ようやくわたくしの念願も叶ったです。きっと、エリカさんが気を利かしてくれたですよ」


「なんか違うと思うけど……」


「勇者様、これを機にわたくしとのラブラブイベントを発生させて、子作りまで発展させますですよ」


 すごくノリノリだ。

 正直、モルちゃんは行動や言動が読みづらい。不思議ちゃんタイプだし、どことなく天才のそれがある感じだし、主導権は握れない。


 きっと、これを見越してエリカちゃんは僕とモルちゃんを――いや、違うか。自分がシュネーさんと組みたいだけだな。


 だが、反論させてもらう!!


「エリカちゃん、やっばり組み合わせ――って、もういない!」


「エリカさんなら、シュネーさんと一緒にさっさと行ってしまったですよ。ちなみに、集合は昼に宿屋前とのことです」


 最近、随分とエリカちゃんはシュネーさんと仲が良く、僕達は蚊帳の外にされることが多々ある。

 こういった扱いも慣れてきたけど。


「……行こうか」

「すごくテンション低いですけど、行きますです」


 こうして、情報収集が開始された。



 ~~~~~~~~~~~~~~~~



「知らな~い。ねえねえ、そんなことよりお茶しようよ。お兄さんマジイケメンだし」


「マジ?! どうしよっかな~」


「勇者様」


「ご、ごめんね~。先約があるんだ」


「え~、つまんないの~」


 これで三人目。まだ成果はない。


 僕とモルちゃんは、出来るだけ人の多い場所で聞き込みを始めた。

 もちろん、相手は女性限定。

 野郎に情報収集? ムリムリ。僕が生理的に無理。野郎と話す時間があったら麗しの女性と話すさ。


「勇者様、さっきから女の人……それも若い女性ばかりターゲットにしてますです」


「た、ターゲットって言い方やめようか。こう見えてもナンパは主義じゃないから」


「へぇ……です」


「その目、まったく信じてないな。ま、いいよ。若干人見知りのモルちゃんに代わって、僕が聞き込みするから」


「助かるです」

「あ、うん。任せて」


 皮肉を言ったつもりが、真正面から感謝されると、対応に困る。


「しかし勇者様、今のところ収穫ありませんですよ」


「なに言ってんのさ? あんな可愛い子達はそうそういないし――」


「これは、エリカさんに報告です」


「だあああ!! それだけは勘弁してよ! 聞き込み続けるからさ!」


 しかしその後、この調子で続けても成果はなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ