第四十五話 「緊急クエスト ダンッ」
てってててーてててっててーてててーてーてててーてててーてーてー♪
西の森を魔獣の革鎧に身を包んだ4人の猟師が進む。
「ヘヤッ!」
少しの段差でも大げさに跳び
「ハッハッハッ」
ダッシュと競歩を匠に使いこなしスタミナの消費を抑えて走り続ける。
ザッザッザ
森の所々では偵察、観察、採集を行い
「・・・」
魔獣などの気配を察知してはゆっくりと下歩みで気配を殺す。
そう、彼らはポポチ村が誇る4人の猟師だ。
猟師組のリーダーであるエティンは周囲を警戒しながら背中に担いだ大剣に手をやる。
「魔獣以外の匂いがする」
「むしろ魔獣の気配が少なすぎる」
答えたのはスカロゥ。背後に背負った大槍が似合う体躯の大きな男だ。
「天界兵どもが食料がわりに狩ってるのか?」
少し、高所に位置取り遠くまで索敵するのは大弓を背負った青年ヨルム。
「そろそろ先行してるベルニトが・・・噂をすればか」
ガサガサと小さな音を立てて片手剣と小盾をもった小柄な青年が草をかき分けて現れた。
「とりあえず、先行して見てきたよ。天界兵どもが数十人単位で北の方へ向かっていった。たぶん狩りだと思う。ここら辺に魔獣がいないのは狩り尽くしたのが理由だね。」
「そうか・・・」
「森の生態系壊されんのは勘弁だぞ」
「全くだ。」
「よぉし。愚痴はここまでだ。俺達のクエストを思い出せ」
朝、ポポチ村の本陣作戦司令部という名の村長宅に4人の漁師が集められた。
「朝から呼んで申し訳ない。エティン、スカロゥ、ベルニト、ヨルム」
「いや、今は大変な時だ。気にしないでくれ」
「で、村長?どうしたんだ?」
「大事な用なんだろ?」
「そういや総大将は?」
「ふむ、ジン様と話し合ったのじゃがどうにも情報がすくないのじゃ」
「そう、だな」
「今のところ俺らは受身すぎるからな」
「それでじゃ・・・猟師4人に『緊急クエスト』を依頼したい」
「ほう?」
「緊急クエストとか久々だな!」
「良しまかせろ!」
「「「いや、まず内容聞こうぜ?」」」」
「(´・ω・`)」
「こほん、内容は西の森の「分かった!まかせろ!」・・・」
「「「おちつけスカロゥ」」」
「(´・ω・`)」
「西の森の砦の敵兵力の偵察をお願いしたいのじゃ」
「偵察?」
「討伐じゃないのか?」
「うぬ、今敵の天界兵の総兵力が未知数での、下手な者達を送り出すわけにもいかん」
「それで俺達か?」
「まぁ、気配けしたり読んだりするのは得意だしね」
「そのとうりじゃ・・・どうじゃ?頼まれてくれるか?」
「「「「まかせろっ!」」」」
「緊急クエストたのむぞ!」
村長のヤンゴニは書類にスタンプをバンッと押した。
「兎に角俺たちの目的は敵の総兵力やその他もろもろの情報収集だ。このまま見つからずに」
「ヒャッハー!こんな所に魔族がいやがるぞおお!」
「うひょーー虫だ虫!潰しちまおうぜ!」
四人で車座になっているところに野生の天界兵が6人飛び出した。
「ちぃっ!なんでいきなり!」
「くそ、こいつらさっき北に向かってたはずじゃ!」
「どうなってるベルニト!」
4人は即座にその場から四方に全テント日で距離を開け、背中に背負った武具を装着する。
「俺たちゃ村に用があるんだよ!」
「北と東まちがえただけだバー○!」
「いや、バカはお前らだろ!」
「あ、お前俺らのこと馬鹿にしただろ!」
「喧嘩売ってんのかこの虫が!」
「干物にしてやんよ!」
こうして、運悪く遭遇した二つの勢力が同時に出した斥候同士の戦いの火蓋が切って落とされた。
まず前に出たのはスカロゥ。
自慢の大槍で天界兵との距離を開けさせる、そこに右側から大剣を振りかぶり叩きつけるようにエティンが仕掛ける。が天界兵たちは咄嗟に回避し手斧を投擲してきた。
それを咄嗟に前転回避し大剣を構えなおす。
だが、追撃は終わらず二人の天界兵が両手の手斧で狩りにくる。
だが、駆られたのはその二人。
突如後方より飛来した大きな矢に東部を貫通され光と消えた。
「準備完了!」
「「応!」」
後方からの声に反応しエティンとスカロゥは武具を背負うと一気に天界兵に背を向け走る。
「な!待ちやがれ!」
「逃がしゃしねぇぞ!」
「ヒャッハー!」
「魔族は消毒だぁ!」
それを見て、ねずみに狂う猫の様に後を追いかけ出す天界兵。
だが、ある一箇所に来たとき全力で二人の猟師は幅跳びの要領で飛んだ。
それに反応できず追いかけていた天界兵は
「「「「ああああぁぁぁぁぁぁ・・・」」」」
落とし穴にズボっと落ちた。
「成功だ!」
「ヤッちまえ!」
「おりゃー!」
「ふんっ!」
池に落ちた犬・・・否、穴に落ちた天界兵はフルボッコに合い光と消えた。




