第十九話 「草原ピクニック」
ブルーシートに座りリュックから
水筒とおにぎりを4つ取り出した。
ちなみにこのおにぎり
すべてシーチキンマヨである。
文句あるならかかってこい。
「ほれ、昼食だ。時間ももうすぐ昼だし少し早いけどいいだろ?」
「はいーありがとうございます魔王様!」
形はいびつだが味だけは自信ある。
いや、シーチキンとマヨネーズ捏ねただけだが・・・。
「うっま!なんですこれ魔王様!この炒飯は昨日の炒飯より白くてふわっとしてて!」
「・・・ん?」
「しかも中に酸っぱい鳥が入ってます!!おいしい!」
「ん~・・・あぁ、これはお米だ。で中身はシーチキンマヨだ」
「お米?しぃちきんまよ?」
「あぁ、このお米といろいろ混ぜて作ったのが昨日の炒飯だな。あとそれ鳥じゃなくて魚だぜ?」
「え!?ええ!?お米は理解しましたがこれ魚なんですか!?ぜんぜん臭くないですね!」
「はは。まぁな・・・なぁ?」
「はい?もぐもぐ」
「魔界には米はないのか?主食って何なんだ?」
「おほぉめはなふぃでふねー。もぐしゅしょk」
「先に食え!もぐもぐしながらしゃべるな」
「ふぁ~い・・・もぐもぐごきゅん」
俺は水筒からお茶を注ぎ渡してやる。
「ふひ~ありがとうございます。こほん、で、お米は私が知る限りないですねぇ主食はニャムです」
「ふむ?ニャム?」
「はい。スペムルトをこねて窯で焼いたものです。このくらいの大きさでそれを切ってたべるんですよ」
このくらいといって形作ったのは直径40cm位の輪だった。
スペムルトが何かわからないが、捏ねて焼くって事はパンみたいなものだろうか。
「ん~さっき鳥って言ってたし、鳥は食うんだよな?」
「はい~。鶏肉は猟師さんが頑張って獲ってますね。ちなみにこの周りでくつろいでいる魔界ノうさぎもおいしいですよぉ」
「ん?猟師?養鶏とかはしないのか?つか牧畜ってしてるんだよな?」
「ヨウケイ?ボクチク・・・?」
「・・・養鶏、牧畜っつうのは肉になる牛やら羊やらを飼って育てることだよ。そうすりゃ安定して肉が手に入るだろ?」
「え?そんなことしないです。お肉は基本的に猟師さんが取ってくる魔獣とかのお肉ですよ。わざわざ育てたりしないですよ?魔獣は危険だし田畑にも害にしかならないのに増やす意味が分かんないです。」
「なるほど・・・な」
なんとなくだが見えてきた。
話の節々からわかるように農業は盛んなんだろう。
だが、一方で牧畜はしない。
メティルが言うには必要ないかららしいが・・・。
なんとも歪だ。
地球での牧畜の歴史は古い。それこそ農業と同じくらい昔からやっていることだ。
にも関わらずこの魔界では牧畜はしないという。
変な話だ。
「それにしても魔王様はお料理上手でいらっしゃいますね!」
「ん?そうか?」
「はい!このお米の中にある酸味の聞いた味付けはぜっぴんです」
「あ~マヨネーズか。あれは素晴らしいものだ」
「マヨネーズですか?」
「あぁ、シーチキン・・・この魚と和えている素晴らしいソースの事だ」
「もっと食べたいです!」
「あ?いや、やらねぇよ?これ俺のだし」
「そんな・・・酷い!」
「酷くねえよ!おまえ2つ食ったじゃねぇか!」
「ぶーぶー」
意地汚くもこっちを見つめてくる欠食児童を横目に俺は2つ目のおにぎりを咀嚼する。
うん、うまい。
広い草原のど真ん中でシートを広げて食事する。
これただのピクニックだわ。
俺たちを囲み草を食む数十羽のうさぎを眺めながら俺はおにぎりを平らげた。




