第十八話 「遭遇!魔界の魔獣」
そいつは突如俺たちの前に現れた。
草を踏分颯爽と現れたそいつは、灰色毛並みの四足の獣
前足は力強く大地を踏みしめ、前足の数倍は筋力のありそうな太くたくましい足
削り、すり潰す為に進化したと思われる歯。
全ての気配をもらす事無く察知しそうな大きな耳・・・
「ま、魔獣です!魔王様!」
草原に悲痛なメティルの声が響く・・・
「・・・ってどう見てもこれ、うさぎじゃねぇか!」
野生ののうさぎ?が現れた
「ま、魔王様!こ、コイツはマウサギ!恐ろしい魔獣です!」
「はぁ?」
「こいつの食欲は異常なのです!草原の草ならまだしも畑に入ってきたらもう大変なのです!」
「あぁ・・・うさぎの被害って聞いたことはあるが・・・」
「しかもこいつら増えるんですよ!」
「ん?」
「一匹見たら30匹はいるとおも」
ガサガサガサ
「ひぃ!」
ガサガサガサガサガサガサガサ
野生の野うさぎ?が大量に現れた
「うわ・・・まじかよ」
「た、たたたた大変です魔王様!か、囲まれました」
「あぁ・・・こいつは・・・たしかに」
野兎達は二足歩行で立ち上がりYの鼻をぴくぴくしながらこちらを伺っている。
「ふぇええ・・・」
「こんなに居るとさすがにすごいな・・・」
見た目で惑わされるわけにはいかないよな・・・。
うさぎにみえても魔獣こいつらに一斉に襲われると考えるとさすがに肝が冷えるな
「おい、メティル・・・」
「ごくり・・・はい魔王様」
「こいつらは・・・襲ってくるか?」
俺はここえでうさぎ達を指さしながらメティルに問う
「いえ・・・基本温厚ですから大丈夫です」
「分かッた・・・。なら、ゆっくりこの場を離れるぞ」
「はい・・・」
俺たちは音を立てないようにそっと足を踏み出す。
だが、ただの大学生に足音を消すなどという高等テクニックができるはずもなく
ガザリ
草を踏みつけた音が一際大きくその場に響く
「!」
「!?」
「「「「「「「「!?!?!?」」」」」」」」
うさぎたちは一斉に耳を店へと立ち上げこちらを伺った!
「しまった!」
ターンッ!
一匹のうさぎが後ろ足で大地を踏みつけ警戒音を発する。
スタンピング、もしくは足ダンというこの行為は基本「不機嫌」を表す。
ターンッ!ターンッ!タターンツ!!
それに呼応するかのように周りを囲むうさぎたちも足ダンを始める
「走れ!」
「はい!!」
俺たちは駆け出した!
無我夢中で遮二無二走った!
後ろから聞こえるターンッ!という音に背を向け必死に走った。
心臓の音はやけに大きく聞こえるのを振り切るように走った!
そして、回り込まれた!
「なんでだよ!」
「ひいいい!」
目の前にはうさぎ。
左右にもうさぎ!
後ろにもうさぎ!!
ウサギウサギウサギウサギ!!!
「なんなだよお前ら!」
「・・・魔界ノうさぎです」
「しってるよ!つか、普通うさぎとかこんな集団で囲んだりしないぞ?」
俺たちを囲むうさぎたちはこちらを伺いながらも毛ずくろいや寝そべりとリラックスし始めた。
「・・・」
「・・・どうやら攻撃の意思はないよだな」
「はい、基本うさぎは攻撃してきませんから」
「は?」
「うさぎの攻撃対象は草や畑だけですね」
「・・・じゃぁなんでおまえさっき怖がったりしたんだ?」
「ノリです・・・あいたー!なんで叩くんですか!」
「そら叩くだろ!ふざけんなよこのカスが!」
ターンッ!
「・・・」
「・・・」
「もぅいいわ。じゃぁこいつら基本無害なのな?」
「いえ、害獣ですよ?」
「攻撃してこないんだな?」
「はい。温厚だっていったでしょ?」
「・・・はぁああああああ!とりあえず休憩するか。走って疲れたわ」
「はぁ~い」
俺たちは周囲をうさぎに囲まれてはいたがそこにリュックからだしたブルーシートを広げた。