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転生エンジニア、隣国の友人と産業革命を始めます  作者:


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国境開発計画

さてと。私は草原を見渡しながら、小さく息を吐いた。


「……ここからね」


目の前に広がるのは、小高い山と草原。

そして曖昧国境線。


この場所には何もない。本当に何もない。

村すら存在しない。


私は腕を組んだ。


「まずは拠点ね」


資源開発。共同事業。

言葉で言うのは簡単だが、現実はそう甘くない。


人がいない。建物もない。


つまり――完全なゼロからのスタートだ。

私は文官を呼んだ。


「まずは拠点を作ります」


文官が頷く。


「はい」


「場所はここ」


私は地図を指した。曖昧国境の少し手前。


「予備軍用テントを設置」


「作業員の宿舎も必要」


文官が書き込んでいく。


「人員は?」


「最初は少数でいいわ」


私は続けた。


「まずは測量その後、掘削準備」


そして山の方を指す。


「ゆきちゃんと決めた通り、両側からトンネルを掘る」


文官が少し驚く。


「トンネルですか」


私は頷いた。


「山越えは非効率」


馬車。荷車。資材。

全部、山道では時間が掛かる。


しかも危険。


「トンネルの方が時間は掛かる」


「でも」


私は笑った。


「長い目で見れば圧倒的にお得」


物流。人員移動。資源輸送。

全部が楽になる。


文官は静かに頷いた。


「なるほど」


私は続ける。


「それと」


文官を見る。


「無線機」


「あの機械ですか?」


「そう」


私は指を二本立てた。


「固定式を二台」


文官が書き込む。


「一台はここ」


「もう一台は?」


私は笑う。


「ゆきちゃん」


つまり帝国側だ。

文官は少し苦笑した。


「なるほど」


「共同事業ですからな」


私は頷く。


「そう」


通信。これがあれば距離は消える。

この拠点と領都。

そしてゆきちゃんの領地。

情報が一瞬で届く。

これは大きい。

私はさらに続ける。


「操作を覚える人員も必要」


「ここで訓練し戻って領都でも使えるように」


文官は感心したように言った。


「確かに連絡が早くなりますな」


私は草原を見る。

風が吹く。静かな場所。

だがここは、きっと変わる。


石炭。鉄。


その二つがあるだけで、この土地の価値は跳ね上がる。


私は小さく呟いた。


「問題は……」


文官が首を傾げる。


「何でしょう」


私は苦笑した。


「お金」


文官も苦笑する。


「やはりそこですか」


私は肩をすくめた。


「そりゃそうよ」


トンネル。拠点。作業員。無線機。

全部、お金が掛かる。

私は空を見上げた。


「こりゃあ」


そして笑った。


「開発に金が掛かるなぁ」


私は地面を軽く踏む。

この地下には――石炭。

未来を動かす資源が眠っている。


ならば。


「投資する価値はあるわ」


私はそう言った。

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